“空裏”の読み方と例文
読み方割合
くうり100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今かりに大弾丸の空裏くうりを飛ぶ様を写すとする。するとこれを見るほうに二通りある。一は単に感覚的で、第一に述べたような場合に属する。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
沙翁さおうは指輪を種に幾多の波瀾はらんを描いた。若い男と若い女を目に見えぬ空裏くうりつなぐものは恋である。恋をそのまま手にとらすものは指輪である。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しんしんとして、木蓮もくれん幾朶いくだ雲華うんげ空裏くうりささげている。泬寥けつりょうたる春夜しゅんや真中まなかに、和尚ははたとたなごころつ。声は風中ふうちゅうに死して一羽の鳩も下りぬ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)