かん)” の例文
刀は遠くへねとばされている。そして一刀斎のすがたは夕月のもとに、依然、一かんの松がうそぶくように立っている。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黍色きびいろの容貌に、あごだけの羊髯ひつじひげをバサとそよがせ、口大きく、眉は少し八の字、どこか愛嬌さえある顔だが、身のたけときたら一かんの松のごとく、すッくと見え、さらに憎ていなのは
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)