“酒瓮”の読み方と例文
読み方割合
みわ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たらの木の心から製したもそろの酒は、その傍の酒瓮みわの中で、かんばしい香気を立ててまだ波々とゆらいでいた。若者は片手で粟をつまむと、「卑弥呼。」と一言呟いた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
その傍の素焼の大きな酒瓮みわの中では、和稲にぎしね製の諸白酒もろはくざけが高い香を松明の光の中にただよわせていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
くつがえった酒瓮みわから酒が流れた。そうして、海螺つび朱実あけみが立ち籠めた酒気の中を杉戸に当って散乱すると、再び数本の剣は一斉に若者の胸を狙って進んで来た。身屋むやの外では法螺ほらが鳴った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)