“みわ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ミワ
語句割合
見分33.3%
三輪32.0%
見別5.3%
識別5.3%
4.0%
見判4.0%
鑑別4.0%
酒瓮1.3%
三勾1.3%
酒甕1.3%
大神1.3%
水曲1.3%
美和1.3%
1.3%
見渡1.3%
識分1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
最もほそく作られたるものは其原料げんれう甚だ見分みわけ難けれどややふときもの及び未成みせいのものをつらね考ふれば、あかがひのへり部分ぶぶんなる事を知るを得。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
そこには、お三輪みわ乙吉おときちが、預けられていた。そして常木鴻山つねきこうざんは、居所もさだめず、何かの画策かくさくのため、奔走ほんそうしているという。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この部屋の様子は、広っぱの方からは、杉の木立が邪魔じゃまになってよくは見えないし、たとえ見えたところで、遠方のことだから、俺の顔まで見別みわけられる筈はない
灰神楽 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
君が本当のものとうそのものとを識別みわける眼を持っていることだけは、僕は心から信じているんだからな。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
くるしくもあめみわさき狭野さぬのわたりにいへもあらなくに 〔巻三・二六五〕 長奥麻呂
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
午後になって、暑熱あつさが加わって来ると、子供は一層弱って来た。そして烈しい息遣いをしながら、おりおり目を開いてかわきを訴えた。目には人の顔を見判みわける力もなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
輩下を従えた老給仕頭が慇懃いんぎんに迎い入れる。その瞬間に彼は客が食通グウルメであるか無いかおおよそ見分ける。舌のない客と鑑別みわければ左室の通称「悪い側コーテ・モーベエ」の方へ入れる。
食魔に贈る (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
たらの木の心から製したもそろの酒は、その傍の酒瓮みわの中で、かんばしい香気を立ててまだ波々とゆらいでいた。若者は片手で粟をつまむと、「卑弥呼。」と一言呟いた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
その傍の素焼の大きな酒瓮みわの中では、和稲にぎしね製の諸白酒もろはくざけが高い香を松明の光の中にただよわせていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
かれ教へしが如して、旦時あしたに見れば、針をつけたるは、戸の鉤穴かぎあなよりき通りて出で、ただのこれる一二は、三勾みわのみなりき。
かれその三勾みわのこれるによりて、其地そこに名づけて美和みわといふなり。この意富多多泥古の命は、みわの君、鴨の君が祖なり。
饗宴は酒甕みわから酒の減るにつれて乱れて来た。鹿はつぶれた若者たちの間を漫歩しながら酢漿草かたばみそうの葉を食べた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
その周囲で宮の婦女たちは、赤と虎斑とらふに染った衣を巻いて、若い男に囲まれながら踊っていた。踊り疲れた若者たちは、なおも歌いながら草叢くさむらの中に並んだ酒甕みわの傍へ集って来た。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
今はそこに大神みわ神社があって大国主を祀っているが、この神社は拝殿があるだけで本殿はなく、否、建築としての本殿はないが
また一説には「ミワ」は「水曲みわ」である、初瀬川の水がここで迂廻うかいするところから、この山にミワの山と名をつけた、それが社の名となり、社を祭る酒の器の名となった
かれその三勾みわのこれるによりて、其地そこに名づけて美和みわといふなり。この意富多多泥古の命は、みわの君、鴨の君が祖なり。
と、くまはいいました。にわとりは、きょときょとしたつきで、くびをばしてあたりをみわまわしました。
汽車の中のくまと鶏 (新字新仮名) / 小川未明(著)
松本はニヤリと冷笑を浮かべつゝ満場を見渡みわたせり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
その頃、もうお互いの面には払暁ふつぎょうの薄明りが見られていた。たしかに夜は白みかけているのだ。しかしいよいよ深い朝霧に物の色目あやめ識分みわけられない。
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)