酒甕みわ)” の例文
饗宴は酒甕みわから酒の減るにつれて乱れて来た。鹿はつぶれた若者たちの間を漫歩しながら酢漿草かたばみそうの葉を食べた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
その周囲で宮の婦女たちは、赤と虎斑とらふに染った衣を巻いて、若い男に囲まれながら踊っていた。踊り疲れた若者たちは、なおも歌いながら草叢くさむらの中に並んだ酒甕みわの傍へ集って来た。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)