鑑別みわ)” の例文
野菜でも菓物でも肉でも何でもお料理に使うものは品物の善悪よしあしをよく鑑別みわけた上にその食べ頃を知らなければ折角せっかくの美味しいものが不味まずくなります。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
輩下を従えた老給仕頭が慇懃いんぎんに迎い入れる。その瞬間に彼は客が食通グウルメであるか無いかおおよそ見分ける。舌のない客と鑑別みわければ左室の通称「悪い側コーテ・モーベエ」の方へ入れる。
食魔に贈る (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
馴れた漁夫は一見してこれは居着これは乗込のりこみ鑑別みわけます。色も違い形も違いにおいも違います。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
自然の落葉のままが風雅なら、どんな田舎家にも千家茶道宗家の看板はけられましょう。まわりを刈り込んで、残すだけを残した髯と、無精髯とは鑑別みわけてやらねばなりません。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)