“身屋”の読み方と例文
読み方割合
むや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
身屋むや贄殿にえどのの二つのすみには松明が燃えていた。一人の膳夫かしわでは松明のほのおの上で、鹿の骨をあぶりながら明日の運命を占っていた。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
騒ぎは人々の口から耳へ、耳から口へと静まった身屋むやを包んで波紋のように拡った。やがて贄殿の内外は、兵士たちの鉾尖ほこさきのために明るくなった。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
くつがえった酒瓮みわから酒が流れた。そうして、海螺つび朱実あけみが立ち籠めた酒気の中を杉戸に当って散乱すると、再び数本の剣は一斉に若者の胸を狙って進んで来た。身屋むやの外では法螺ほらが鳴った。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)