かん)” の例文
済南さいなん府の学堂、文昌閣ぶんしょうかくの家の棟に二羽のかん雁鴻がんこうの一種である)が巣を作っていた。ある日、それが西の郊外を高く飛んでいると、軍士の一人が矢を射かけて、その一羽のはぎにあたった。
義勇飛行将校を志願して有名なギヌメールのシゴイニュ(こうのとり)隊へ入り、戦闘機に乗って十何機とか敵機を撃墜したそうで、シゴイさんのかん一という名は鸛部隊の〈鸛〉からとったんだそうだ。
だいこん (新字新仮名) / 久生十蘭(著)