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堪
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たえ
ふりがな文庫
“
堪
(
たえ
)” の例文
再び高い
梯
(
はしご
)
に昇って元気よく仕事をしていた。松の枝が時々にみしりみしりと
撓
(
たわ
)
んだ。その音を
聴
(
きく
)
ごとに、私は不安に
堪
(
たえ
)
なかった。
二階から
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
嗟乎
(
あゝ
)
惜
(
をしむ
)
べし、かゝる
美人
(
びじん
)
も
是
(
この
)
辺鄙
(
へんひ
)
に
生
(
うま
)
れ、
昏庸頑夫
(
こんようぐわんふ
)
の妻となり、
巧妻
(
こうさい
)
常
(
つね
)
に
拙夫
(
せつふ
)
に
伴
(
ともなは
)
れて
眠
(
ねふ
)
り、
荊棘
(
けいきよく
)
と
倶
(
とも
)
に
腐
(
くさ
)
らん事
憐
(
あはれむ
)
に
堪
(
たえ
)
たり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
柔風
(
やわかぜ
)
にも
得
(
え
)
堪
(
たえ
)
ない花の
一片
(
ひとひら
)
のような少女、
萩
(
はぎ
)
の花の上におく露のような
手弱女
(
たおやめ
)
に描きだされている女たちさえ、何処にか骨のあるところがある。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
有楽座
(
ゆうらくざ
)
始め諸処の演奏会は無論芝居へも意気な場所へも近頃はとんと顔出し致さず
従
(
したがっ
)
て貴兄の御近況も承る機会なくこの事のみ遺憾に
堪
(
たえ
)
申さず候。
雨瀟瀟
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
これはもとより当然の事であえて間然すべきではないが、ただ一人として先生の歌壇における功績に片言も序し及ばなかったのはいかにも物足らぬ感に
堪
(
たえ
)
ぬのである。
正岡子規君
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
▼ もっと見る
ちょっとすれちがいに通って女に顔を見られた時にさえ満面に紅を潮して一人情に
堪
(
たえ
)
なかったほどのあどけない色気も、一年一年と薄らいで
遂
(
つい
)
に消え去ってしもうた。
病牀苦語
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
但
(
ただ
)
し肌に寒風の吹通しが有益であるか、
又
(
また
)
は外の摂生を
以
(
もっ
)
て体力が強くなって、実際害に
為
(
な
)
るべき寒風にも
能
(
よ
)
く抵抗して
之
(
これ
)
に
堪
(
たえ
)
うるのであるか、
即
(
すなわ
)
ち寒風その物は薬に
非
(
あら
)
ず
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
計らざりき東洋の孤客に引きずり出され奔命に
堪
(
たえ
)
ずして悲鳴を上るに至っては自転車の末路また
憐
(
あわれ
)
むべきものありだがせめては降参の
腹癒
(
はらいせ
)
にこの老骨をギューと云わしてやらんものを
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「アア詰まらんな、実に詰まらん。家へ入ったところがドウセ今夜は寝られない。月が
佳
(
い
)
いから少しその
辺
(
へん
)
でも散歩しようか」と心の
憂
(
うれい
)
に
堪
(
たえ
)
ざる
如
(
ごと
)
く歩を移して中川家の門前へ来れり。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
「今時の師学倶に文字を葛藤と云ふて、甚嫌択する、実に怪笑に
堪
(
たえ
)
たり。」
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
嗟乎
(
あゝ
)
惜
(
をしむ
)
べし、かゝる
美人
(
びじん
)
も
是
(
この
)
辺鄙
(
へんひ
)
に
生
(
うま
)
れ、
昏庸頑夫
(
こんようぐわんふ
)
の妻となり、
巧妻
(
こうさい
)
常
(
つね
)
に
拙夫
(
せつふ
)
に
伴
(
ともなは
)
れて
眠
(
ねふ
)
り、
荊棘
(
けいきよく
)
と
倶
(
とも
)
に
腐
(
くさ
)
らん事
憐
(
あはれむ
)
に
堪
(
たえ
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
国子はものに
堪
(
たえ
)
忍ぶの気象とぼし、この分厘にいたく
厭
(
あき
)
たるころとて、前後の
慮
(
おもんばかり
)
なくやめにせばやとひたすら進む。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
私がここに書こうとする小伝の主
一葉
(
いちよう
)
女史も、
病葉
(
わくらば
)
が、霜の
傷
(
いた
)
みに
得
(
え
)
堪
(
たえ
)
ぬように散った、世に惜まれる
女
(
ひと
)
である。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
堪
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
“堪”を含む語句
堪兼
堪忍
居堪
堪能
得堪
堪難
持堪
御堪能
不堪
押堪
一堪
堪忍袋
御堪忍
手堪
堪弁
堪能者
亦堪嗟
静思堪喜
難堪
踏堪
...