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堪
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こ
ふりがな文庫
“
堪
(
こ
)” の例文
たうとう
堪
(
こ
)
らへ切れなくなつた母は、母らしい智慧で父の様子を知る一策を案じ出した。母は私を隅の方に呼んで此方策を授けた。
父の死
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
その外は新平ばかり継子にする、世間の人が不足ぞやと。口に出してもいひたさを、じつと
堪
(
こ
)
らえて涙ぐむ、清子が顔を、さもこそと、太一は重き枕を擡げ。
移民学園
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
其中
(
そのうち
)
お
祖父
(
ぢい
)
さまが
摺
(
すり
)
ものの上へ筆の先で
一寸
(
ちよつと
)
蚯蚓
(
みみず
)
の
攀
(
よぢ
)
れた
様
(
やう
)
なものをお
書
(
かき
)
なすつたが見え
升
(
まし
)
たから、不思議で/\、黙つて居ようと思つても、
堪
(
こ
)
らへ切れませんで、ツイ
黄金機会
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
じっと
堪
(
こ
)
らえれば堪らえるほど手も膝も顫え、罪もない淀文の
梯子
(
はしご
)
を荒々しく踏んでその夜は帰ったが、それも一旦の怒でさて又鎮って考えると、もしや小歌が春泉の思惑をかねて
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
丁度
(
ちょうど
)
十楽院
(
じゅうらくいん
)
の
御陵
(
ごりょう
)
の
近処
(
きんじょ
)
まで来ると、
如何
(
どう
)
したのか、
右手
(
ゆんで
)
にさしておる
傘
(
からかさ
)
が重くなって仕方がない、ぐうと、下の方へ引き付けられる様で、
中々
(
なかなか
)
堪
(
こ
)
らえられないのだ、おかしいと思って
狸問答
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
▼ もっと見る
女は
堪
(
こ
)
らえていたような笑い方をした。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
乃公もこれまで養父への、義理立てゆゑに、
堪
(
こ
)
らえてゐたれど。もう堪らえるには及ばぬ一条。乃公が身体は自由になつた。一日二日のその内には、きつと処置を付ける筈。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
小歌が
莞爾
(
にっこり
)
と笑った時だけ、
不知不識
(
しらずしらず
)
の間に自分も
莞爾
(
にっこり
)
と笑い連れて、あとはただ腕組するばかりのことだから、年の行かぬ小歌には
堪
(
こ
)
たえ
兼
(
かね
)
て
接穂
(
つぎほ
)
なく、
服粧
(
なり
)
には
適応
(
にあ
)
わず行過た鬼更紗の紙入を
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
堪
常用漢字
中学
部首:⼟
12画
“堪”を含む語句
堪兼
堪忍
居堪
堪能
得堪
堪難
持堪
御堪能
不堪
押堪
一堪
堪忍袋
御堪忍
手堪
堪弁
堪能者
亦堪嗟
静思堪喜
難堪
踏堪
...