阿佐あさ)” の例文
文二の外に六人の子を生んだ文晁の後妻阿佐あさは、もう五年前に夫にさきだって死んでいたのである。この年抽斎は三十六歳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
阿佐あさの病室。経堂きょうどうの病室。千葉県船橋。板橋の病室。天沼のアパート。天沼の下宿。甲州御坂峠みさかとうげ。甲府市の下宿。甲府市郊外の家。東京都下三鷹町みたかまち。甲府水門町。甲府新柳町。津軽。
十五年間 (新字新仮名) / 太宰治(著)
此家ここの老百姓に聞いてみたところ、ここから近い阿佐あさ村には、遠い昔から、阿佐ヶ谷神楽といって、旧い神楽師かぐらしの家があり、毎月、三峰神社の月祭りには、そこの家で調べをあわせて
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
根は百姓、御府外ごふがい多摩郡たまごおり阿佐あさヶ谷村の産でして、ぎょうとするところは練馬大根の耕作にありますが、いわゆる武蔵野名物は草神楽くさかぐら、阿佐ヶ谷囃子ばやしのおはやしの一人でして、柄にもなく笛が上手。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)