渉猟あさ)” の例文
「一体朝吹君や益田君は、以前せつせと高野山を渉猟あさり歩いて、自分の蒐集コレクシヨンを拵へた人達なんぢやないか。」と富豪かねもちきりのやうな言葉を投げつけた。
家を引越歩いても面白くない、友人と語り合っても面白くない、外国小説を読み渉猟あさっても満足が出来ぬ。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
大助は残りの十九人の名前を調べ出さなければ、天神様に済まぬとでも思つたものか、色々なほん渉猟あさつてみた。だが、多くの大事な事を捜す場合と同じやうにほんには何一つ書いてなかつた。