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猟
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あさ
ふりがな文庫
“
猟
(
あさ
)” の例文
旧字:
獵
われらがこの家を
出
(
いで
)
たる時、日はいまだ昇らざりき。われらは
鶉
(
うずら
)
を
猟
(
あさ
)
らんがために、手に手に散弾銃をたずさえて、ただ一頭の犬をひけり。
世界怪談名作集:04 妖物
(新字新仮名)
/
アンブローズ・ビアス
(著)
森鴎外氏の『
埋木
(
うもれぎ
)
』やそんなものを古書肆から
猟
(
あさ
)
って来てそれらを
耽読
(
たんどく
)
したり上野の図書館に通って日を消したりしながら
子規居士と余
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
屑問屋
(
くずどんや
)
へ持込めそうな代物を
猟
(
あさ
)
っていたが、ジメジメしたごもくの中から、ニョッキリと現われたのが、やっぱり蝋細工の一本の腕であった。
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
落葉や枯草を踏みにじって、そこらを隈なく
猟
(
あさ
)
りあるいたが、藻の姿は見付からなかった。二人はそこを見捨てて、さらにその次の丘へ急いだ。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
急いで家へ帰って来ると、父親はランプの下で、苦い顔をして酒の
燗
(
かん
)
をしていた。子供たちは餉台の
周
(
まわ
)
りに居並んで、てんでんに食べ物を
猟
(
あさ
)
っていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
二人はあらゆる手を尽して、お綾の身に着いた品を手に入れて、お
舎利
(
しゃり
)
様のように拝んだり、お綾の書いたものを
猟
(
あさ
)
って、涙を流して抱きしめたりしました。
奇談クラブ〔戦後版〕:04 枕の妖異
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
私が盛に哲学書を
猟
(
あさ
)
ったのも此時で、
基督教
(
キリストきょう
)
を
覘
(
のぞ
)
き、仏典を調べ、神学までも手を出したのも、また此時だ。
予が半生の懺悔
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
彼は窓の方へ行って、往来に遊んでいる子供等の友達、
餌
(
え
)
を
猟
(
あさ
)
り歩く農家の鶏などを眺めながら、前の晩のことを思ってみた。草木も青白く煙るような夜であった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
実業家
馬越
(
まごし
)
恭平氏は、
旧臘
(
きうらふ
)
大連
(
たいれん
)
へ往つたが、用事が済むと毎日のやうに骨董屋
猟
(
あさ
)
りを始めた。何か知ら、掘出し物をして、
好者
(
すきしや
)
仲間の度胆を抜かうといふ考へなのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さればその日の
糧
(
かて
)
を
猟
(
あさ
)
らうにも、鹿熊なんどのたぐひをとりひしぐは、指の先の一ひねりぢや。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし黒の子分になって鼠以外の御馳走を
猟
(
あさ
)
ってあるく事もしなかった。御馳走を食うよりも寝ていた方が気楽でいい。教師の
家
(
うち
)
にいると猫も教師のような性質になると見える。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今の学生諸君には映画レビュー、その他禁断の果を
猟
(
あさ
)
ればダンス麻雀クラブその他我々の知らぬ種々の娯楽があろうがその頃には碁将棋か寄席か芝居の立見くらいのものであった。
放心教授
(新字新仮名)
/
森於菟
(著)
むかし古神君は、迷路の研究に
耽
(
ふけ
)
っていましたよ。彼は主に洋書を
猟
(
あさ
)
って、世界各国の迷路の平面図を集めていましたが、その数が百に達したといって悦んで私たちにも見せました。
千早館の迷路
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その翌日から弓之助は、
懐中硯
(
ふところすずり
)
と
綴
(
つづ
)
り紙を持って、
四辺
(
あたり
)
の風景を
猟
(
あさ
)
り廻った。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
屋根が低くて広く見える
街路
(
みち
)
には、
西並
(
にしなみ
)
の家の影が疎な鋸の歯の様に落ちて、処々に馬を
脱
(
はづ
)
した荷馬車が片寄せてある。
雛
(
にはとり
)
が
幾群
(
いくむれ
)
も幾群も、其下に出つ入りつ
零
(
こぼ
)
れた米を
土埃
(
ほこり
)
の中に
猟
(
あさ
)
つてゐた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
是れ即ち緑雨が冷罵に長ずる
所以
(
ゆゑん
)
なり、緑雨は写実家の如くに細心なれども、写実家の如くに自然を
猟
(
あさ
)
ること能はず、彼は貞之進を鋳る時、既に八万の書生を罵らんことを思ひ、駒之助を作る時に
「油地獄」を読む:(〔斎藤〕緑雨著)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
他のものも
猟
(
あさ
)
って読んでいた。学校へ行かなかったから、いくらでも時間がある。兄の方ではこっちに引張りつけようと努めていたのだろうが、私の方ではむやみにいろいろのものに目を通していた。
故郷七十年
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
底の底まで根よく
猟
(
あさ
)
り尽くしたらば、あるいは福井と同じようにその鐘の本体を見付けることが出来たのかも知れない。
鐘ヶ淵
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
坂の下で、これも草花を
猟
(
あさ
)
りに出て来たI氏に行き逢った。植木の並んだ坂の下は人影がまばらであった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
年代の古さやレエベルの珍奇さを
猟
(
あさ
)
るなら、マッチのペーパーでも集めた方が、よっぽど安くつくだろう。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
あそこの
鯛
(
たひ
)
ちり、こゝの
蜆汁
(
しゞみじる
)
、といふ風によく
猟
(
あさ
)
つて歩いた私は大きな飲食店などにも飽き果てゝ、その薄汚い町中の洋食屋に
我儘
(
わがまゝ
)
の言へる隠れ家を見つけて置いた。
犬
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ゴシップを
猟
(
あさ
)
り、遂に春泥が嘗つての静子の恋人と同一人物であったこと、又彼の日常生活が甚だしく厭人的であり、当時、已に筆を絶って
行方
(
ゆくえ
)
をさえくらましていたことを
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
無論その半年の間、僕はこの女ばかりを
覘
(
ねら
)
っていたのでは無く、沢山の若い女を
猟
(
あさ
)
りあるいている
其
(
そ
)
の
片手間
(
かたてま
)
に、一つの長篇小説でも書くつもりで、じっくり襲いかかって行ったのだ。
恐しき通夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「で、また
餌食
(
えじき
)
を
猟
(
あさ
)
ります」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
支那の小説あるいは筆記のたぐいは総てみな怪談本といっても好いのであるが——を
猟
(
あさ
)
ってみると、遠くは『今昔物語』、『宇治拾遺物語』の類から
妖怪漫談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
砂
悪戯
(
いたずら
)
や水
弄
(
いじ
)
りをしたり、または海草とか
小蟹
(
こがに
)
とか
雲丹
(
うに
)
などを
猟
(
あさ
)
ってあるく子供や女たちの姿は、ようやく夏めいて来ようとしている渚に、日に日に
殖
(
ふ
)
えて来て
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
立ちどまつて、其人の名を思出してさへ、丑松はもう胸の踊るやうな
心地
(
こゝち
)
がしたのである。見れば二三の青年が
店頭
(
みせさき
)
に立つて、何か新しい雑誌でも
猟
(
あさ
)
つて居るらしい。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その方の書物を
猟
(
あさ
)
っているかと思うと、ある時は飛んでもない方角違いの建築科の教室などに出掛けて行って、熱心に聴講して見たり、そうかと思うと、社会学経済学などに頭を突込んで見たり
パノラマ島綺譚
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
僕は素早く、客の中に目指す相手の女を
猟
(
あさ
)
った。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私の歯はこの魚腹に葬られるかと見ていると、鱶はこんな物を呑むべくあまりに大きい口をあいて、厨から投げあたえる食い残りの魚肉を
猟
(
あさ
)
っていた。
はなしの話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
馬は主人を置去にして、そこここと手綱を
引摺
(
ひきず
)
りながら、「かしばみ」の葉でも
猟
(
あさ
)
っているらしい。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
最後に本郷の方を一二軒
猟
(
あさ
)
って、そこでも全く失望した二人が、疲れた足を休めるために、木蔭に飢えかつえた哀れな放浪者のように、
湯島
(
ゆしま
)
天神の境内へ慕い寄って来たのは
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それから家内を隈なく
猟
(
あさ
)
ってみたが、どこも皆きちんと片付いていて別に取り散らしたような形跡もみえなかった。
半七捕物帳:36 冬の金魚
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
古本を
猟
(
あさ
)
ることはこの節彼が見つけた
慰藉
(
なぐさみ
)
の一つであった。これ程
費用
(
ついえ
)
が少くて
快楽
(
たのしみ
)
の多いものはなかろう、とは持論である。その日も例のように
錦町
(
にしきちょう
)
から小川町の通りへ出た。
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
梅
(
うめ
)
が
咲
(
さ
)
いて、
紫色
(
むらさきいろ
)
の
雑木林
(
ざふきばやし
)
の
梢
(
こずゑ
)
が、
湿味
(
うるみ
)
を
持
(
も
)
つた
蒼
(
あを
)
い
空
(
そら
)
にスク/\
透
(
す
)
けて
見
(
み
)
え、
柳
(
やなぎ
)
がまだ
荒
(
あら
)
い
初東風
(
はつこち
)
に
悩
(
なや
)
まされて
居
(
ゐ
)
る
時分
(
じぶん
)
は、
濫
(
むやみ
)
と三
脚
(
きやく
)
を
持出
(
もちだ
)
して、
郊外
(
かうぐわい
)
の
景色
(
けしき
)
を
猟
(
あさ
)
つて
歩
(
ある
)
くのであるが
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
市郎は
其
(
その
)
綱の片端を自分の胴に
緊
(
しか
)
と結び付けて、
海燕
(
うみつばめ
)
の巣を
猟
(
あさ
)
る支那人のように、岩を伝って
真直
(
まっすぐ
)
に降り初めた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
姉は今一つの窓をも開けて、そこにあるのは
祖母
(
おばあ
)
さんが嫁に来た時の長持、ここにあるのは自分の長持、と弟に指して話し聞かせた。三吉は自由に橋本の蔵書を
猟
(
あさ
)
ることを許された。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
年取った内儀さんは、よく独りで、市中や東京
居周
(
いまわ
)
りの仏寺を
猟
(
あさ
)
ってあるいた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
二人はそれを張に報告すると、張は更に府に申し立てて、弓矢の人数をあつめ、仙鶴観に近い太子陵の東にある石穴のなかを
猟
(
あさ
)
ると、ここに幾匹の虎を獲た。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
さあ、父は其を心配して、毎日水草の中を
捜
(
さが
)
して歩いて、ある時は深い沢を分けて日の暮れる迄も尋ねて見たり、ある時は山から山を
猟
(
あさ
)
つて高い声で呼んで見たりしたが、何処にも影は見えなかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お芳は珍しい食べ物などを
猟
(
あさ
)
って歩く二人に話しかけた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼等は勿論深山の奥に棲んで、滅多に姿を見せることは無いが、時としては里に現われて食物を
猟
(
あさ
)
る。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかしまだ
直
(
すぐ
)
には取りかかれないので、更にドイルの作を
猟
(
あさ
)
って、かのラスト・ギャリーや、グリーン・フラグや、キャピテン・オブ・ポールスターや、
炉畔物語
(
ろはんものがたり
)
や
半七捕物帳の思い出
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
中禅寺にいる者に頼んでいろいろに
猟
(
あさ
)
らせたが、霊鳥といわれているこの鳥は声をきかせるばかりで形を見せたことはないので、彼は金にあかしてその巣を探させた。
慈悲心鳥
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
が、二人は
何時
(
いつ
)
までも泣いている場合でなかった。
追手
(
おって
)
は美濃屋の庭を探し
尽
(
つく
)
して、更に両隣を
猟
(
あさ
)
り始めた。人の声が
漸次
(
しだい
)
に
近
(
ちかづ
)
いた。警官の
角燈
(
かくとう
)
が雪に映じて閃いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
老人は一生懸命になって
猟
(
あさ
)
り歩いたらしい。運の悪い雀が十二三羽も籠の中に押込まれていた。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼はそれから
少時
(
しばらく
)
そこらを
猟
(
あさ
)
っていたが、ほかにはなんにも新らしい発見もなかったらしく、泥によごれた手先をふところの手拭で拭きながら、もとの自身番へ引っ返してゆくと
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
円朝の続き話には外国の翻案物が数種あるが、これもモウパッサンの「親殺し」の翻案で、円朝の作としては余り面白いものではなく、円朝物もだんだん
猟
(
あさ
)
り尽くされた形であった。
寄席と芝居と
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
天保銭
(
てんぽうせん
)
がまだ通用していた
故
(
ゆえ
)
かも知れません。うす暗いカンテラの灯の前に立って、その縁日玩具をうろうろと
猟
(
あさ
)
っていた少年時代を思い出すと、涙ぐましいほどに懐しく思われます。
我楽多玩具
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
親分の
家
(
うち
)
へ今行ったら、ここの寺へ来ていると云うから、すぐに引っ返して来ました。きのうもあれから万年町の方をすっかり
猟
(
あさ
)
ってみたが、どこにもそんな御符売りらしい奴は泊っていねえんです。
半七捕物帳:05 お化け師匠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“猟”の意味
《名詞》
(リョウ)野生の動物をとらえること、狩。
(出典:Wiktionary)
“猟(
狩猟
)”の解説
狩猟(しゅりょう、en: hunting)とは、野生動物を捕獲する行為のことである。
捕獲後の目的(殺傷して利用、保護、タグ付けリリース)とは関係なく、捕獲行為を言う。
(出典:Wikipedia)
猟
常用漢字
中学
部首:⽝
11画
“猟”を含む語句
猟夫
猟人
狩猟
猟師
猟犬
渉猟
猟虎
猟銃
銃猟
猟場
御猟
猟矢
猟装束
猟人日記
猟具
猟人服
山猟
猟奇
鴨猟
服曾比猟
...