わたり)” の例文
は人にたすけられて高所たかきところ逃登にげのぼはるか駅中えきちゆうのぞめば、提灯ちやうちんたいまつともしつれ大勢の男どもてに々に木鋤こすきをかたげ、雪をこえ水をわたりこゑをあげてこゝにきたる。
ちやんわたりが付いてゐるんだから、阿母おつかさんはそばから『ちやほや』して、そりや貴方、真面目まじめぢや見ちやゐられないお手厚てあつさ加減なんだから、那奴は図に乗つて了つて、やあ、風呂をわかせだ事の
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さて狐く氷をきくいふ事、酉陽雑俎いうやうざつそに見ゆ。こは本朝にても今猶諏訪すは湖水こすゐは狐わたりしをて人わたりはじむ、和漢わかん相同じ。狐の火をせつはさま/″\あれどみなうけがたし。