“行(イ)” の例文
吾々すら、さう思ふのだから、世間大体はまづ、さう言ふ行(イ)き方(カタ)で、時勢と芸文との関聯を、考へてゐるに違ひないと謂はれよう。
文芸の力 時代の力 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「春(ファル)は野(ヌ)も山(ヤマ)も、百合(ユーリ)の花盛(ファナサカ)リーイ、行(イ)きすゅる袖(ソーデ)の匂(ニオ)のしおらしや……」
骨仏 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
もつと原形に近い「行(イ)きいす」「見いす」「為(シ)いす」「……知りいせん」「取りいせん」など言ふ形が、はつきり使はれてゐたのは、語原意識が明確で
「さうや さかいに」 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……群鳥の わが群れ行(イ)なば 引け鳥の 我が牽け行(イ)なば、哭かじとは 汝は云ふとも、山門(ヤマト)の一本薄(ヒトモトスヽキ) 頸(ウナ)傾(カブ)し 汝が哭かさまく、朝雨の さ霧に彷彿(タタ)むぞ。……(八千矛神——記)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)