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ある
ふりがな文庫
“
行
(
ある
)” の例文
馬またこの通りなるに、生まれ付いて駱駝流に
行
(
ある
)
く馬があったとは
眉唾物
(
まゆつばもの
)
だろう。しかし教えさえすればさように歩かしむるを得。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
お作は柳町まで来て、
最中
(
もなか
)
の折を一つ買った。そうしてそれを風呂敷に包んで
一端
(
いっぱし
)
何か
酬
(
むく
)
いられたような心持で、元気よく
行
(
ある
)
き出した。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
かの「
行
(
ある
)
き筋」とか、「掃除筋」とか、「番太筋」とかいう筋のものの中には、かくの如くにして起ったのが少くなかろうと解せられる。
来り人の地位と職業:平民申付候事
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
自分は何となく少しテレた。けれども先輩達は
長閑気
(
のんき
)
に元気に
溌溂
(
はつらつ
)
と笑い興じて、
田舎道
(
いなかみち
)
を市川の方へ
行
(
ある
)
いた。
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
さうして富山みたやうなあんな奴がまあ
紛々然
(
うじやうじや
)
と居て、
番狂
(
ばんくるはせ
)
を為て
行
(
ある
)
くのですから、それですから、一日だつて世の中が無事な日と云つちや有りは致しません。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
だから
無暗
(
むやみ
)
と鼻をぴくぴくさして
牛
(
うし
)
の
焦
(
こげ
)
る
臭
(
におい
)
を
嗅
(
か
)
いで
行
(
ある
)
く、その
醜体
(
ざま
)
ったらない!
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
その頃まだ給仕だった笹尾はよく彼等のために走り
行
(
ある
)
きをした。……
過渡人
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
蒜
(
にんにく
)
を求めると
葱
(
ねぎ
)
、豆を求めると麦をくれるので訳を尋ね、哀しみ狂して王宮へ帰り
詈
(
ののし
)
り
行
(
ある
)
く、后怪しんで訳を聞き息切れるまで踊り廻る
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
お袋は頭が痛むと言って結び髪のまま氷袋をつけて奥で寝ていたし、芳太郎もそこらで
自暴酒
(
やけざけ
)
を飲んで
行
(
ある
)
いて家へ寄りつきもしなかった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
徳川時代においても事実駆使に任じて「
行
(
ある
)
き筋」と呼ばれたものは、村方において
間人
(
まうと
)
百姓などよりも下位に置かれた。
間人考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
道徳高き上人の新に規模を大うして寺を建てんと云ひ玉ふぞと、此事八方に
伝播
(
ひろま
)
れば、中には徒弟の
怜悧
(
りこう
)
なるが自ら奮つて四方に馳せ感応寺建立に寄附を勧めて
行
(
ある
)
くもあり
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
船が平気だと、
支那
(
しな
)
から
亜米利加
(
アメリカ
)
の方を見物がてら今度旅行を為て来るのも面白いけれど。日本の内ぢや
遊山
(
ゆさん
)
に
行
(
ある
)
いたところで知れたもの。どんなに
贅沢
(
ぜいたく
)
を為たからと云つて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
インドまた香具売り兼
幻師
(
てじなし
)
軽業師
(
かるわざし
)
で歌舞乞食し
行
(
ある
)
き、その妻女艶美でしばしば貴人に御目留まる賤民乾闥婆と呼ばるるあり。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
小野は新聞紙を引き裂いては、
埃
(
ほこり
)
の
被
(
かぶ
)
らぬように、
御馳走
(
ごちそう
)
の上に被せて
行
(
ある
)
いていた。新吉は気がそわそわして来た。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
石橋
(
いしばし
)
と
私
(
わたし
)
とが
交
(
かは
)
る/″\
詰
(
つ
)
める事にして、
別
(
べつ
)
に
会計掛
(
くわいけいがゝり
)
を置き、
留守居
(
るすゐ
)
を置き、
市内
(
しない
)
を
卸売
(
おろしうり
)
に
行
(
ある
)
く者を
傭
(
やと
)
ひ
其
(
その
)
勢
(
いきほひ
)
旭
(
あさひ
)
の
昇
(
のぼ
)
るが
如
(
ごと
)
しでした、
外
(
ほか
)
に
類
(
るゐ
)
が無かつたのか雑誌も
能
(
よ
)
く売れました
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
道徳高き上人の新たに規模を大きゅうして寺を建てんと云いたまうぞと、このこと八方に
伝播
(
ひろま
)
れば、中には徒弟の
怜悧
(
りこう
)
なるがみずから奮って四方に
馳
(
は
)
せ感応寺建立に寄附を勧めて
行
(
ある
)
くもあり
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
水を欲しい時のみ地へ下り直立して歩む。本邦の猴など山野にあれば皆伏行し、飼って教えねば立って
行
(
ある
)
かず、猩々なども身を斜めにして
躄
(
いざ
)
り歩く。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
春になってから笹村は時々思い立っては引き移るべき貸家を見て
行
(
ある
)
いた。お銀の体をおくのに、この家の間取りの不適当なことも一つの原因であった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
扨
(
さて
)
雑誌は
益〻
(
ます/\
)
売れるのであつたが、
会計
(
くわいけい
)
の
不取締
(
ふとりしまり
)
と
一
(
ひと
)
つには
卸売
(
おろしうり
)
に
行
(
ある
)
かせた
親仁
(
おやじ
)
が
篤実
(
とくじつ
)
さうに見えて、実は
甚
(
はなは
)
だ
太
(
ふと
)
い
奴
(
やつ
)
であつたのを知らずに
居
(
ゐ
)
た
為
(
ため
)
に、
此奴
(
こいつ
)
に
余程
(
よほど
)
好
(
よ
)
いやうな事を
為
(
さ
)
れたのです
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
『
山海経
(
せんがいきょう
)
』に招揺の山に獣あり、その状
禺
(
ぐう
)
(尾長猿)のごとくして白耳、伏して
行
(
ある
)
き人のごとく走る、その名を狌々という。人これを食えば善く走る。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
汽車から降りて、その辺の郊外を散歩していた笹村の足は、
自然
(
ひとりで
)
に、その家の附近へ向いて行った。そしてそんなような家を、あれかこれかとそちこち
覗
(
のぞ
)
いて
行
(
ある
)
いた。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
今一人狼窠より燻べ出された児は年はるかに
少
(
わか
)
かったが夜分
動
(
やや
)
もすれば藪に逃げ入りて骨を捜し這い
行
(
ある
)
く、犬の子のごとく悲吟するほか音声を発せず
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
西片町
界隈
(
かいわい
)
は、古いお
馴染
(
なじ
)
みの町である。この区域の空気は一体に明るいような気がする。お作は
楆
(
かなめ
)
の
垣根際
(
かきねぎわ
)
を
行
(
ある
)
いている幼稚園の生徒の姿にも、一種のなつかしさを覚えた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
全体水蛇は尾が海蛇のように
扁
(
ひら
)
たからず、また海蛇は陸で運動し得ず、皮を替えるに蜥蜴同然片々に裂け落ちるに、水蛇は陸にも上り
行
(
ある
)
き
全然
(
まるきり
)
皮を脱ぐ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「新ちゃんは、いつのまにか私の
莨入
(
たばこい
)
れを持って
行
(
ある
)
いてますよ。」
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
既に走り
行
(
ある
)
く以上は、何処かに隠れた足があるのであろうと疑う人随分多く、そんな事があるものかと嘲る人も、蛇がどうして走り行くかを弁じ得ぬがちだ。
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「それでもちっとは東京の町が
行
(
ある
)
けるようになったかい。」
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それから俗に小栗の碁盤の曲乗りなど伝うるに似た事は、前項でインドの智馬が蓮花を蹈んで
行
(
ある
)
いたのと、広嗣の駿馬が四足を合せて、一の
杭
(
くい
)
の頂に立ったのとだ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
四肢で
行
(
ある
)
く事上手なと生肉を嗜むところから見ると習慣の久しきほとんど天性と成したと見える、孤児院に養われて後も若き
狗様
(
いぬよう
)
に
喚
(
うな
)
るなど獣ごとき点多しと載せた。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
さて支那にも僧など暇多い故か、観察の
精
(
くわ
)
しい人もあって、後唐の可止てふ僧托鉢して老母を養い
行
(
ある
)
きながら、
青竜疏
(
せいりょうそ
)
を誦する事
三載
(
みとせ
)
、たちまち
巨蟒
(
うわばみ
)
あって房に
見
(
あらわ
)
る。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
遠慮なく田畑に入り
行
(
ある
)
いたから、穀精牛馬形を現わすとさえ信ずる処あり、
禾
(
か
)
を苅る時、兎、雉等が苅り詰められて最後の一株まで残り
匿
(
かく
)
るるが、それも苅られて来り出づるを
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
蜥蜴直ちに群集を押し
潜
(
くぐ
)
り、
椰樹
(
やしのき
)
に登って豚の背に躍び下りると、豚前脚を地に
著
(
つ
)
けた、それより豚が四脚、人は直立して
行
(
ある
)
く事になったという(ラツェル『
人類史
(
ゼ・ヒストリー・オヴ・マンカインド
)
』英訳、一)
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
上世今のごとく田畑を取り囲わなんだ時には、諸般の動物自在にこれに入り
行
(
ある
)
き得た。
十二支考:06 羊に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
フィジー島では、地震神の使物を大蜥蜴とし、マオリ人は蜥蜴神マコチチ、人を頭痛せしむと信ず。ニューヘブリデスの伝説に、造物主初め人を四脚で、豚を直立して
行
(
ある
)
かしめた。
十二支考:03 田原藤太竜宮入りの話
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
巨人に根を肩にさせ自分は枝の
岐
(
また
)
に坐っているのを巨人一向気付かず一人して大木を担げ
行
(
ある
)
いたので
憊
(
つか
)
れてしまった、それから巨人の家に往って宿ると縫工夜間寝床に臥せず室隅に臥す
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
馬を
養
(
か
)
う者厩中にこれを
畜
(
か
)
えば
能
(
よ
)
く馬病を避く、故に
胡俗
(
こぞく
)
猴を
馬留
(
ばりゅう
)
と称す、
状
(
かたち
)
人に似、眼愁胡のごとくにして、頬陥り、
嗛
(
けん
)
、すなわち、食を
蔵
(
かく
)
す処あり、腹に
脾
(
ひ
)
なく、
行
(
ある
)
くを以て食を消す
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
わが邦の今も小児のみか大人まで蟹の両眼八足を抜いて
二蛪
(
つめ
)
のみで
行
(
ある
)
かせたり蠅の背中に
仙人掌
(
サボテン
)
の
刺
(
とげ
)
を突っ込み
幟
(
のぼり
)
として競争させたり、警察官が婦女を拘留して入りもせぬ事を
根問
(
ねど
)
いしたり
十二支考:02 兎に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
“行”の意味
《名詞》
(ギョウ)文書等において、縦方向または横方向に連続した文字の並び。
(ギョウ)(数学)行列および行列式における横方向への並び。対義語列。
(ギョウ)(仏教)修行。
(ギョウ)(仏教)心の働きが一定の方向に作用していくこと。意志作用。五蘊のひとつ。
(コウ)ある場所へ行くこと。
(出典:Wiktionary)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
“行”を含む語句
歩行
流行
行為
行方
行動
執行
膝行
飛行
行逢
遊行
行路
通行
勤行
同行
御行
行懸
行歩
微行
柳行李
一行
...