“胡俗”の読み方と例文
読み方割合
こぞく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たしかに、胡俗こぞく粗野そやな正直さのほうが、美名の影に隠れた漢人の陰険さよりはるかに好ましい場合がしばしばあると思った。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
馬をう者厩中にこれをえばく馬病を避く、故に胡俗こぞく猴を馬留ばりゅうと称す、かたち人に似、眼愁胡のごとくにして、頬陥り、けん、すなわち、食をかくす処あり、腹になく、あるくを以て食を消す
諸夏しょかの俗を正しきもの、胡俗こぞくを卑しきものと頭から決めてかかるのは、あまりにも漢人的な偏見ではないかと、しだいに李陵にはそんな気がしてくる。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)