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いっ
ふりがな文庫
“
行
(
いっ
)” の例文
人はお嫁に
行
(
いっ
)
てから家政に苦労するのに、自分は反対に小娘の時から
舅姑
(
しゅうとしゅうとめ
)
のような父母に仕えてあらゆる気苦労と労働とをしていた。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
是
(
こ
)
れは
困
(
こまっ
)
た、今
彼処
(
あそこ
)
で飲むと
彼奴等
(
きゃつら
)
が奥に
行
(
いっ
)
て何か
饒舌
(
しゃべ
)
るに違いない、邪魔な奴じゃと云う中に、長州
生
(
せい
)
に
松岡勇記
(
まつおかゆうき
)
と云う男がある。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
==ねんねんよ、おころりよ、ねんねの守はどこへいた、山を越えて里へ
行
(
いっ
)
た、里の土産に何貰うた、でんでん太鼓に
笙
(
しょう
)
の笛==
夜叉ヶ池
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
あまりの不思議さにその道を辿って
行
(
いっ
)
たら、果然、夢に見馴れた景色のその土地に到着した。これは自分の友人が親しく
実見
(
じっけん
)
した奇話である。
取り交ぜて
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
少しずつ
注
(
さ
)
して
行
(
いっ
)
てパセリを
細
(
こまか
)
く刻んで
入
(
いれ
)
て塩胡椒で味をつけて
好
(
い
)
い加減な固さになった時ブリキ皿へ盛って上を
夷
(
なら
)
してバターを少し載せてパン粉を
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
▼ もっと見る
そのうちに或日、町から人が来て、この家を取り壊して何処へか車に乗せて運んで持って
行
(
いっ
)
てしまった。
凍える女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、
頻
(
しき
)
りに画板を褒め立てますから、
如何
(
どう
)
した事かと
行
(
いっ
)
て見ますと、こわいかに、昨日まで四角であった画板わ、
今朝
(
けさ
)
わ八角に成って、意気揚々と
歩行
(
ある
)
いております。
三角と四角
(その他)
/
巌谷小波
(著)
細やかではあるが葉に沢山な毛が生えて毛の本に硬い点床(ムラサキ科の植物には普通にそれがある)があって、
嚥下
(
えんか
)
する時それが喉を擦って
行
(
いっ
)
て気持ちの悪るい感じがする。
植物記
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
彼
(
か
)
の武者は
悠々
(
ゆうゆう
)
として西の宮の方へ
行
(
いっ
)
てしまったが、何が
為
(
た
)
めに深夜こんな
形相
(
ぎょうそう
)
をして、往来をするのか人間だろうか妖怪だろうか、思えば思うほど、不審が晴れぬと語りしは
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
あの部屋に
這入
(
はい
)
って見たら、元のようで、一
旦
(
たん
)
そこを出て山になんぞ
行
(
いっ
)
ていなかったのも同じであろう。女は眠っているな。こんな時は眠っていて、物を言ってくれない方が好い。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
青年と琅玉とは囁き乍ら、親しそうに腕を組み合わせて天幕の中へ這入って
行
(
いっ
)
た。
喇嘛の行衛
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何と思ったか婢もまた
立
(
たっ
)
て
行
(
いっ
)
たので、この間にと皺のない紙へ皺をつけて、
両女
(
ふたり
)
の坐って居た辺へ投出した、小歌は
手水
(
ちょうず
)
に下りたので、帳場の前で
箱丁
(
はこや
)
に何か云って居る処へ婢が来て
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
その木像まで刻むと
云
(
いう
)
は恋に親切で世間に
疎
(
うと
)
い
唐土
(
もろこし
)
の天子様が
反魂香
(
はんごんこう
)
焼
(
たか
)
れた
様
(
よう
)
な
白痴
(
たわけ
)
と悪口を
叩
(
たた
)
くはおまえの為を思うから、実はお辰めに
逢
(
あ
)
わぬ昔と
諦
(
あき
)
らめて奈良へ修業に
行
(
いっ
)
て、
天晴
(
あっぱれ
)
名人となられ
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
私は『お国』という所はどんな所だろうと思いつつ辿って
行
(
いっ
)
た。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
尽しましたが是ほど
旨
(
うま
)
く
行
(
いっ
)
た事は有ません警
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
その人に頼んで教えて
貰
(
もら
)
うが
宜
(
よ
)
かろうと云うので
行
(
いっ
)
た所が、松崎が abc を書いて仮名を附けて
呉
(
く
)
れたのには
先
(
ま
)
ず驚いた。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私は、
袂
(
たもと
)
でその沸えたぎっている煎薬の土瓶を下して、周蔵の言うがままにそれを茶碗に移して枕許に
持
(
もっ
)
て
行
(
いっ
)
てやると、彼はむくりと起き上って、熱いやつをぷうぷうと吹き出した。
黄色い晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そう察したら
無闇
(
むやみ
)
な菓子折なぞを見舞に
遣
(
や
)
られるものであるまい。しかるに
何処
(
どこ
)
の家へ
行
(
いっ
)
てもあるいは病院の病室へ行っても病人の枕元には菓子折が
堆
(
うずたか
)
い。実に言語同断といわざるを得ん。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
その時広間の客は
騒飽
(
さわぎあ
)
きて帰る所で、送出す芸妓の一人が、小歌がこちらへ這入ろうとして
開
(
あけ
)
た障子の隙から、通りがゝりに振向いて
行
(
いっ
)
たのを、貞之進はすでに見られてからなお顔を隠したが
油地獄
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
(筆)ナニ
如何
(
どう
)
も仕てるものか、
嘘
(
うそ
)
だと思うなら
行
(
いっ
)
て見給え!
三角と四角
(その他)
/
巌谷小波
(著)
引き此処彼処見物するうち浅草観音に入りたるに思いも掛けず見世物小屋の
辺
(
ほと
)
りにて後より「お紺/\」と呼ぶものあり振向き見れば妾の母なり寧児も其傍にあり見違るほど成長したり「オヤ貴女は(母)お前は
先
(
ま
)
ア私にも云わずに居無く成て
夫切
(
それき
)
り便りが無いから何処へ
行
(
いっ
)
たかと思ったら
先
(
ま
)
ア東京へ
先
(
ま
)
ア、 ...
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
私は今日も酒が飲みたい連れて
行
(
いっ
)
て
呉
(
く
)
れないか、どうも行きたいと
此方
(
こっち
)
から
促
(
うなが
)
した処が、馬鹿
云
(
い
)
うなと
云
(
い
)
うような事で、お別れになって
仕舞
(
しまっ
)
た。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
私も別に下りて
行
(
いっ
)
て話しかけたこともない。
偶々
(
たまたま
)
便所に行く時など下へ降ると婆さんは暗いランプの下で
眤
(
じっ
)
と
彼方
(
あちら
)
を向いて黙って坐っている。私も声をかけなければ婆さんも声をかけたことがない。
老婆
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
(三)そんなら
行
(
いっ
)
て見よう。嘘だったら承知しないよ。
三角と四角
(その他)
/
巌谷小波
(著)
そうかと思うとまた聖書の一節を口早に叫んで、次の墓に
行
(
いっ
)
てまたその冷たな墓石を撫で、何か口の中で言っている。また気を揉むようにその次の墓石に行って、
冷
(
ひやや
)
かな石の
面
(
おもて
)
を撫でて頭を傾げた。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“行”の意味
《名詞》
(ギョウ)文書等において、縦方向または横方向に連続した文字の並び。
(ギョウ)(数学)行列および行列式における横方向への並び。対義語列。
(ギョウ)(仏教)修行。
(ギョウ)(仏教)心の働きが一定の方向に作用していくこと。意志作用。五蘊のひとつ。
(コウ)ある場所へ行くこと。
(出典:Wiktionary)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
“行”を含む語句
歩行
流行
行為
行方
行動
執行
膝行
飛行
行逢
遊行
行路
通行
勤行
同行
御行
行懸
行歩
微行
柳行李
一行
...