“いらつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
焦慮18.2%
被入18.2%
被居18.2%
入來9.1%
入来9.1%
急燥9.1%
焦躁9.1%
9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だから野々宮さんを相手に二人限ふたりぎりで話してゐると、自分も早く一人いちにん前の仕事をして、学海に貢献しなくては済まない様な気が起る。焦慮いらついてたまらない。そこへ行くと広田先生は太平である。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
柿田かきたさん、なんでもかんでも貴方あなた被入いらつしつて頂くやうに、私が行つて院長さんに御願ひして来てげる——左様さう言つて、引受けて来たんですよ。」
死の床 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『奥様は被居いらつしやるだらう、お定さん。』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
『何でも一通り東京の事知つてなくちや、御奉公に上つても困るから、私と一緒に入來いらつしやい。教へて上げますから。』
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
萎びた黒繻子の帶を、ダラシなく尻に垂れた内儀おかみに、『入來いらつしやい。』と聲をかけられたお定は、もうキヤベーヂといふ語を忘れてゐたので、唯『それを』と指さした。葱は生憎あひにく一把もなかつた。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
『何でも一通り東京の事知つてなくちや、御奉公に上つても困るから、私と一緒に入来いらつしやい。教へて上げますから』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
萎びた黒繻子の帯を、ダラシなく尻に垂れた内儀に、『入来いらつしやい。』と声をかけられたお定は、もうキヤベーヂといふ語を忘れてゐたので、唯『それを』と指さした。葱は生憎あいにく一把もなかつた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
きぬ引まくれ胸あらわに、はだえは春のあけぼのの雪今やきえ入らんばかり、見るからたちまち肉動ききも躍って分別思案あらばこそ、雨戸ひらき飛込とびこんで、人間の手の四五本なき事もどかしと急燥いらつまでいそがわしく、手拭を
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と、焦躁いらつく胸をじっとおさえながら急いで、そこの小路を表の通りに出てきて、そこから近い、とある自動電話の中に入って、そこの家の番号を呼び出して訊ねてみた。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
何方どちらいらつしやいます。』とくちきつた。
湯ヶ原ゆき (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)