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ゆ
ふりがな文庫
“
行
(
ゆ
)” の例文
庭は広くてよく手入れが
行
(
ゆ
)
き届いていた。そして家の中からその庭への出口はたくさんあった。が庭から世の中への出口がないのだ。
秘密の庭
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
ですから
何日
(
いつか
)
の何時頃、
此処
(
ここ
)
で見たから、もう一度見たいといっても、そうは
行
(
ゆ
)
かぬ。川の
流
(
ながれ
)
は同じでも、今のは
前刻
(
さっき
)
の水ではない。
一寸怪
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三十七
年
(
ねん
)
九
月
(
ぐわつ
)
十四
日
(
か
)
、
幻翁
(
げんおう
)
望生
(
ぼうせい
)
の
二人
(
ふたり
)
と
共
(
とも
)
に
余
(
よ
)
は
馬籠
(
まごめ
)
に
行
(
ゆ
)
き、
茶店
(
ちやみせ
)
に
荷物
(
にもつ
)
や
着物
(
きもの
)
を
預
(
あづ
)
けて
置
(
お
)
き、
息子
(
むすこ
)
を
人夫
(
にんぷ
)
に
頼
(
たの
)
んで、
遺跡
(
ゐせき
)
に
向
(
むか
)
つた。
探検実記 地中の秘密:04 馬籠と根方
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
全身砂埃を浴びた彼の
後影
(
うしろかげ
)
が、刹那に高く大きくなり、その上
行
(
ゆ
)
けば
行
(
ゆ
)
くほど大きくなり、仰向いてようやく見えるくらいであった。
些細な事件
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
これからは
殆
(
ほと
)
んど人の歩るいた事のないような谷合を通り、
前黒山
(
まえぐろやま
)
、
釈迦
(
しゃか
)
ヶ岳の山の中腹を迂回して深林の薄暗い中を
行
(
ゆ
)
くのである。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
▼ もっと見る
物音にすぐ眼のさめるおかあさんも、その時にはよく寝ていらっしゃいました。僕はそうっと襖をしめて、中の口の方に
行
(
ゆ
)
きました。
僕の帽子のお話
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
母
(
はヽ
)
さまとならではお
湯
(
ゆ
)
にも
行
(
ゆ
)
かじ、
觀音
(
かんのん
)
さまのお
參
(
まゐ
)
りもいやよ、
芝居
(
しばゐ
)
も
花見
(
はなみ
)
も
母
(
はヽ
)
さま
御
(
ご
)
一
處
(
しよ
)
ならではと
此
(
この
)
一トもとのかげに
隱
(
か
)
くれて
経つくゑ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「ねえ、」とお
母
(
かあ
)
さんが
言
(
い
)
った。「あの
子
(
こ
)
は
田舎
(
いなか
)
へ
行
(
ゆ
)
きましたの、ミュッテンの
大伯父
(
おおおじ
)
さんのとこへ、
暫
(
しばら
)
く
泊
(
とま
)
って
来
(
く
)
るんですって。」
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
それに
加
(
くは
)
へて
男
(
をとこ
)
の
周旋業
(
しうせんげふ
)
も一
向
(
かう
)
うまくは
行
(
ゆ
)
かないところから、一
年後
(
ねんご
)
には
夫婦別
(
ふうふわか
)
れと
話
(
はなし
)
がきまり、
男
(
をとこ
)
は
母
(
はゝ
)
と
妹
(
いもうと
)
とを
連
(
つ
)
れて
関西
(
くわんさい
)
へ
行
(
ゆ
)
く。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
と
言
(
い
)
って、あたりを
見𢌞
(
みまわ
)
した
時
(
とき
)
の
袖子
(
そでこ
)
は
何
(
なに
)
がなしに
悲
(
かな
)
しい
思
(
おも
)
いに
打
(
う
)
たれた。その
悲
(
かな
)
しみは
幼
(
おさな
)
い
日
(
ひ
)
に
別
(
わか
)
れを
告
(
つ
)
げて
行
(
ゆ
)
く
悲
(
かな
)
しみであった。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
所が小説中夢を道具に使ふ場合は、その道具の目的を果す必要上、よくよく
都合
(
つがふ
)
の
好
(
い
)
い夢でも見ねば、実際見た夢を書く
訣
(
わけ
)
に
行
(
ゆ
)
かぬ。
雑筆
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
けれど
斯
(
か
)
ふ言ふのが
温泉場
(
をんせんば
)
へ
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
、
海水浴場
(
かいすゐよくぢやう
)
へ
行
(
ゆ
)
く
人
(
ひと
)
乃至
(
ないし
)
名所見物
(
めいしよけんぶつ
)
にでも
出掛
(
でかけ
)
る
人
(
ひと
)
の
洒落
(
しやれ
)
た
口調
(
くてう
)
であるキザな
言葉
(
ことば
)
たるを
失
(
うしな
)
はない。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
美
(
うつく
)
しい
瀬
(
せ
)
を
立
(
た
)
てて、
玉
(
たま
)
のやうな
礫
(
こいし
)
をおもしに、
獸
(
けもの
)
の
皮
(
かは
)
の
白
(
しろ
)
く
晒
(
さら
)
されたのが
浸
(
ひた
)
してある
山川
(
やまがは
)
に
沿
(
そ
)
うて
行
(
ゆ
)
くと、
山
(
やま
)
の
奧
(
おく
)
にまた
山
(
やま
)
があつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
彼
(
かれ
)
の
生活
(
せいくわつ
)
は
此
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
くにして
過
(
す
)
ぎ
行
(
ゆ
)
いた。
朝
(
あさ
)
は八
時
(
じ
)
に
起
(
お
)
き、
服
(
ふく
)
を
着換
(
きか
)
へて
茶
(
ちや
)
を
呑
(
の
)
み、
其
(
そ
)
れから
書齋
(
しよさい
)
に
入
(
はひ
)
るか、
或
(
あるひ
)
は
病院
(
びやうゐん
)
に
行
(
ゆ
)
くかである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
其
(
そ
)
の
日
(
ひ
)
は
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
に
懸
(
か
)
けた
大根
(
だいこ
)
の
動
(
うご
)
かぬ
程
(
ほど
)
穩
(
おだや
)
かな
日
(
ひ
)
であつた。お
品
(
しな
)
は
此
(
こ
)
の
分
(
ぶん
)
で
行
(
ゆ
)
けば
一枚紙
(
いちまいがみ
)
を
剥
(
は
)
がすやうに
快
(
こゝろ
)
よくなることゝ
確信
(
かくしん
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この野だは、どういう
了見
(
りょうけん
)
だか、赤シャツのうちへ朝夕
出入
(
でいり
)
して、どこへでも
随行
(
ずいこう
)
して
行
(
ゆ
)
く。まるで
同輩
(
どうはい
)
じゃない。
主従
(
しゅうじゅう
)
みたようだ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
帽も
上衣
(
うはき
)
も
裳
(
ジユツプ
)
も黒つぽい所へ、
何処
(
どこ
)
か緋や純白や
草色
(
くさいろ
)
を
一寸
(
ちよつと
)
取合せて強い
調色
(
てうしよく
)
を見せた冬服の
巴里
(
パリイ
)
婦人が
樹蔭
(
こかげ
)
を
行
(
ゆ
)
き
交
(
か
)
ふのも面白い。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「おっと、
御念
(
ごねん
)
には
及
(
およ
)
ばねえ。お
上
(
かみ
)
が
許
(
ゆる
)
しておくんなさりゃァ、
棒鼻
(
ぼうはな
)
へ、
笠森
(
かさもり
)
おせん
御用駕籠
(
ごようかご
)
とでも、
札
(
ふだ
)
を
建
(
た
)
てて
行
(
ゆ
)
きてえくらいだ」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
大勢
万
(
まん
)
ぜい寄りたかって
私共
(
わっちども
)
に赤恥をかゝせて
帰
(
けえ
)
そうとするから、腹が立って堪らねえ、
私
(
わっち
)
が妹を
私
(
わっち
)
が連れて
行
(
ゆ
)
くに何も不思議はねえ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その明け方の空の下、ひるの鳥でも
行
(
ゆ
)
かない高い所を鋭い霜のかけらが風に流されてサラサラサラサラ南の方へ飛んで
行
(
ゆ
)
きました。
いてふの実
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
娘は村を追ひ出されても
行
(
ゆ
)
く先もありませぬ、又乞食する
術
(
すべ
)
も知らず
只
(
ただ
)
声を限りに泣き叫びながら広い/\野原の方へ参りました。
金銀の衣裳
(新字旧仮名)
/
夢野久作
(著)
私が幾人も残して
行
(
ゆ
)
く子供を育てヽ下さるであらうと依頼心をあの
方
(
かた
)
に
起
(
おこ
)
すやうになつたのもお
艶
(
つや
)
さんの言葉が
因
(
いん
)
になつて居るのです。
遺書
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
すなわち成るべきように成り
行
(
ゆ
)
いたもので、それらの横領者の御蔭でもって、将来の日本の秩序が促進されるということになったのだ。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
之
(
これ
)
は
政府
(
せいふ
)
の
指導
(
しだう
)
又
(
また
)
は
消費節約
(
せうひせつやく
)
の
奬勵
(
しやうれい
)
の
行
(
ゆ
)
き
渡
(
わた
)
つたと
云
(
い
)
ふよりも、
寧
(
むし
)
ろ
國民自體
(
こくみんじたい
)
が
此
(
こ
)
の
事柄
(
ことがら
)
の
必要
(
ひつえう
)
を
感
(
かん
)
じて
居
(
を
)
つたからだと
思
(
おも
)
ふのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
同時に「
自我
(
じが
)
」といふものが少しづゝ
侵略
(
しんりやく
)
されて
行
(
ゆ
)
くやうに思はれた。これは最初の
間
(
あひだ
)
で、
少時
(
しばらく
)
經
(
た
)
つとまた
別
(
べつ
)
に他の煩悶が起つた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
病
(
や
)
むまじき事
也
(
なり
)
衰
(
おとろ
)
ふまじき事
也
(
なり
)
病
(
や
)
み
衰
(
おとろ
)
へたる
小生等
(
せうせいら
)
が骨は、
人知
(
ひとし
)
らぬ
苦
(
く
)
を
以
(
もつ
)
て、
人知
(
ひとし
)
らぬ
楽
(
たのし
)
みと
致候迄
(
いたしそろまで
)
に
次第
(
しだい
)
に
円
(
まる
)
く曲り
行
(
ゆ
)
くものに
候
(
そろ
)
。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
右
(
みぎ
)
の
中
(
うち
)
、
説明
(
せつめい
)
を
略
(
りやく
)
してもよいものがある。
然
(
しか
)
しながら、
一應
(
いさおう
)
はざつとした
註釋
(
ちゆうしやく
)
を
加
(
く
)
はへることにする。
以下
(
いか
)
項
(
こう
)
を
追
(
お
)
うて
進
(
すゝ
)
んで
行
(
ゆ
)
く。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
爪牙
(
そうが
)
の鈍った狼のたゆたうのを、大きい愛の力で励まして、エルラはその幻の
洞窟
(
どうくつ
)
たる階下の室に連れて
行
(
ゆ
)
こうとすると、幕が下りる。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
明治十二年
(
めいじじゆうにねん
)
に
船
(
ふね
)
で
横濱
(
よこはま
)
に
着
(
つ
)
きまして、その
頃
(
ころ
)
出來
(
でき
)
てゐました
汽車
(
きしや
)
で
東京
(
とうきよう
)
へ
行
(
ゆ
)
く
途中
(
とちゆう
)
、
汽車
(
きしや
)
の
窓
(
まど
)
からそこら
邊
(
へん
)
の
風景
(
ふうけい
)
を
眺
(
なが
)
めてをりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
で、
私
(
わたくし
)
は
思
(
おも
)
い
切
(
き
)
ってその
門
(
もん
)
をくぐって
行
(
ゆ
)
きましたが、
門内
(
もんない
)
は
見事
(
みごと
)
な
石畳
(
いしだた
)
みの
舗道
(
ほどう
)
になって
居
(
お
)
り、あたりに
塵
(
ちり
)
一
(
ひと
)
つ
落
(
お
)
ちて
居
(
お
)
りませぬ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
……まア、あたじけない!
皆
(
みん
)
な
飮
(
の
)
んでしまうて、
隨
(
つ
)
いて
行
(
ゆ
)
かう
予
(
わたし
)
の
爲
(
ため
)
に
只
(
たゞ
)
一
滴
(
てき
)
をも
殘
(
のこ
)
しておいてはくれぬ。……お
前
(
まへ
)
の
脣
(
くちびる
)
を
吸
(
す
)
はうぞ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
A
氏
(
し
)
は一
度
(
ど
)
R
国
(
こく
)
へ
行
(
ゆ
)
く
友人
(
ゆうじん
)
の
送別会席上
(
そうべつかいせきぜう
)
で
見知
(
みし
)
りになつたR
国人
(
こくじん
)
であつたので、
私
(
わたし
)
はいさゝか
心強
(
こゝろつよ
)
く
感
(
かん
)
じて、
導
(
みちび
)
かるゝまゝに
奥
(
おく
)
へ
通
(
とほ
)
つた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ああカーボン卿、ドイツ空軍のために、こんなに
行
(
ゆ
)
き
亘
(
わた
)
って爆撃されたのでは、
借間
(
しゃくま
)
が高くなって、さぞかし市民はたいへんであろう」
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
龐涓
(
はうけん
)
行
(
ゆ
)
くこと
三日
(
みつか
)
、
大
(
おほひ
)
に
喜
(
よろこ
)
んで
曰
(
いは
)
く、『
我
(
われ
)
固
(
もと
)
より
齊
(
せい
)
の
軍
(
ぐん
)
の
怯
(
けふ
)
なるを
知
(
し
)
る。
吾
(
わ
)
が
地
(
ち
)
に
入
(
い
)
りて
三日
(
みつか
)
、
士卒
(
しそつ
)
亡
(
に
)
ぐる
者
(
もの
)
、
半
(
なか
)
ばに
過
(
す
)
ぎたり』
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
すると、まばゆいように
照
(
て
)
り
輝
(
かゞや
)
ぐ
女
(
をんな
)
がゐます。これこそ
赫映姫
(
かぐやひめ
)
に
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おぼ
)
し
召
(
め
)
してお
近寄
(
ちかよ
)
りになると、その
女
(
をんな
)
は
奧
(
おく
)
へ
逃
(
に
)
げて
行
(
ゆ
)
きます。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
喬介は涼しい顔をして一号
船渠
(
ドック
)
の方へ飛んで
行
(
ゆ
)
くと、間もなく、今
入渠船
(
にゅうきょせん
)
の
据付
(
すえつけ
)
作業を終ったばかりの
潜水夫
(
もぐり
)
を一人連れて来た。
カンカン虫殺人事件
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
ごく遠いところからやって
来
(
く
)
るようでもあるし、どこへ
行
(
ゆ
)
くのかわからなくもあった。
朗
(
ほがら
)
かではあるが、なやましいものがこもっていた。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
岩
(
いは
)
はなをば、
漕
(
こ
)
ぎ
廻
(
まは
)
つて
行
(
ゆ
)
くごとに、そこに
一
(
ひと
)
つづゝ
展
(
ひら
)
けて
來
(
く
)
る、
近江
(
あふみ
)
の
湖水
(
こすい
)
のうちのたくさんの
川口
(
かはぐち
)
。そこに
鶴
(
つる
)
が
多
(
おほ
)
く
鳴
(
な
)
き
立
(
た
)
てゝゐる。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
あわれや、この大不孝者の立場は——
行
(
ゆ
)
いて勝つも滅び、戦って負くれば滅び、いずれにしても、家名は到底保ち難いことになりおった。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今度
(
こんど
)
こそは
何
(
なん
)
と
云
(
い
)
つても、
寸分
(
すんぶん
)
豚
(
ぶた
)
に
相違
(
さうゐ
)
ありませんでしたから、
愛
(
あい
)
ちやんも
最
(
も
)
う
其
(
そ
)
れを
伴
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
くのは
全
(
まつた
)
く
莫迦氣
(
ばかげ
)
たことだと
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
木村摂津守艦長
木村摂津守
(
きむらせっつのかみ
)
と
云
(
い
)
う人は軍艦奉行の職を奉じて海軍の長上官であるから、身分相当に従者を連れて
行
(
ゆ
)
くに違いない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
おじいさんは、
彼
(
かれ
)
の
歩
(
ある
)
いている
行
(
ゆ
)
く
手
(
て
)
に
立
(
た
)
って、
道
(
みち
)
をふさぎました。
彼
(
かれ
)
は、
頭
(
あたま
)
を
上
(
あ
)
げて、おじいさんを
黙
(
だま
)
ってながめたのです。
銀のつえ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
これで
好
(
い
)
い。(安心したるらしき様子にて二三歩窓の方に
行
(
ゆ
)
き、懐中時計を見る。)なんだ。まだ三時だ。
大分
(
だいぶ
)
時間があるな。
家常茶飯 附・現代思想
(新字新仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
この点に重きを置けば、唱門師はまた下級の神主・修験者・または竈神の札を配って歩き
行
(
ゆ
)
いた舞太夫などと類を同じくするとも見られる。
俗法師考
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
行
(
ゆ
)
き
詰
(
つま
)
つた俳優連が襲名によつて人気を新しくし、それと同時に自分の技芸にも一飛躍を企てようとするのは、
強
(
あなが
)
ち間違つた仕方でもない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼女
(
かのぢよ
)
の
恐怖
(
きようふ
)
は、
今
(
いま
)
までそこに
思
(
おも
)
ひ
到
(
いた
)
らなかつたといふことのために、
餘計
(
よけい
)
大
(
おほ
)
きく
影
(
かげ
)
を
伸
(
のば
)
して
行
(
ゆ
)
くやうであつた。
彼女
(
かのぢよ
)
は
新
(
あら
)
たなる
悔
(
くゐ
)
を
覺
(
おぼ
)
えた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
しかし、月
給
(
きふ
)
の上る
見込
(
みこ
)
みもなかつたし、ボオナスも
減
(
へ
)
るばかりの上に、
質屋
(
しちや
)
や
近
(
ちか
)
しい友
達
(
だち
)
からの
融通
(
ゆうづう
)
もさうさうきりなしとは
行
(
ゆ
)
かなかつた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
『
俺
(
おれ
)
も、あの
市來知
(
いちぎしり
)
にある、
野菊
(
のぎく
)
の
咲
(
さ
)
いてる
母親
(
マザー
)
の
墓
(
はか
)
にだけは
行
(
ゆ
)
きたいと
思
(
おも
)
つてゐる。
本當
(
ほんたう
)
に
市來知
(
いちぎしり
)
はいゝ
所
(
ところ
)
だからなあ。』
追憶
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
私
(
わたし
)
の
人物
(
じんぶつ
)
が
全
(
まつた
)
く
想像
(
さうざう
)
と
反
(
はん
)
して
居
(
ゐ
)
たのに
驚
(
おどろ
)
いたと
云
(
い
)
ひます、
甚麼
(
どんな
)
に
反
(
はん
)
して
居
(
ゐ
)
たか聞きたいものですが、ちと
遠方
(
ゑんぱう
)
で今
問合
(
とひあは
)
せる
訳
(
わけ
)
にも
行
(
ゆ
)
きません
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何しろ相手が地方の大金持で、友人には有力な政治家などもいるものだから、警察の方が一歩譲らない訳には
行
(
ゆ
)
かなかった。
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
“行”の意味
《名詞》
(ギョウ)文書等において、縦方向または横方向に連続した文字の並び。
(ギョウ)(数学)行列および行列式における横方向への並び。対義語列。
(ギョウ)(仏教)修行。
(ギョウ)(仏教)心の働きが一定の方向に作用していくこと。意志作用。五蘊のひとつ。
(コウ)ある場所へ行くこと。
(出典:Wiktionary)
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
“行”を含む語句
歩行
流行
行為
行方
行動
執行
膝行
飛行
行逢
遊行
行路
通行
勤行
同行
御行
行懸
行歩
微行
柳行李
一行
...