“ゆい”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ユイ
語句割合
由比29.4%
由井23.5%
20.6%
17.6%
8.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
水と空のさかいだけが、ぼっと夜明けのように明るいだけだった。夜の海は、真っ暗にえすさんでいる。常でも浪の激しい由比ゆいヶ浜に、こよいは風がある。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
門外おもての道は、弓形ゆみなり一条ひとすじ、ほのぼのと白く、比企ひきやつやまから由井ゆいはま磯際いそぎわまで、ななめかささぎの橋を渡したようなり
星あかり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と云いながら手に持った長羅宇ながらおを振上げさまゆいたての嶋田髷しまだまげ打擲ちょうちゃく致しましたからくしは折れて飛びまする。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かさなりうように、なら家々いえいえ屋根やねは、さながら波濤はとうのごとくでした。うえですむことのできないものは、ここがゆい一の場所ばしょであったかしれません。
どこかに生きながら (新字新仮名) / 小川未明(著)
(信定のこと主人の話なり。寺は余ゆいて見る。)此地蚊なし。かやを設ず。暑亦不甚はなはだしからず。行程六里許。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)