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由比
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ゆい
ふりがな文庫
“
由比
(
ゆい
)” の例文
「何だと?——今の世の中にそんな馬鹿なことがあるものか。もっとも、
由比
(
ゆい
)
の
正雪
(
しょうせつ
)
なら
牛込榎町
(
うしごめえのきちょう
)
よ、
丸橋忠弥
(
まるばしちゅうや
)
は本郷弓町だ、縄張違いだよ、八」
銭形平次捕物控:080 捕物仁義
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
水と空の
界
(
さかい
)
だけが、ぼっと夜明けのように明るいだけだった。夜の海は、真っ暗に
吠
(
ほ
)
えすさんでいる。常でも浪の激しい
由比
(
ゆい
)
ヶ浜に、こよいは風がある。
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
門は扉がついていない古い二本の木の柱で、柱と柱の間から、
由比
(
ゆい
)
ヶ
浜
(
はま
)
に砕ける波が
闇
(
やみ
)
にカッキリと白い線になって見え、強い海の香が襲って来ました。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
あるいは
由比
(
ゆい
)
戸次
(
べつき
)
の謀叛に
与
(
くみ
)
して、たいてい片付いてはしまったが、しかしこればかりでは決して尽きたとはいわれぬので、諸国にはまだ若干の食禄を持って
名字の話
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その幽光院というのは
元和
(
げんな
)
元年の
建立
(
こんりゅう
)
にかかるもので、慶安四年の
由比
(
ゆい
)
正雪騒動のときまで前後三十年間ほど関八州一円に名をうたわれていた虚無僧寺でしたから
右門捕物帖:03 血染めの手形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
五日の月はほんのりと庭の
白沙
(
はくさ
)
を照らして、
由比
(
ゆい
)
ヶ
浜
(
はま
)
の方からは
穏
(
おだや
)
かな波の音が、ざアーア、ざアーアと云うように
間遠
(
まどお
)
に聞こえていた。それはもう
子
(
ね
)
の
刻
(
こく
)
に近い
比
(
ころ
)
であった。
頼朝の最後
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一月元日
由比
(
ゆい
)
ヶ
浜
(
はま
)
散歩。
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
由比
(
ゆい
)
の浜べを右に見て
鎌倉
(新字新仮名)
/
芳賀矢一
(著)
しかし彼の軍は、
由比
(
ゆい
)
、
蒲原
(
かんばら
)
で破れ、富士川でも全敗した。直義はついに鎌倉を出、足柄山の険に立った。彼の
形相
(
ぎょうそう
)
ももう以前の直義ではまったくない。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼女が始めて
由比
(
ゆい
)
ヶ
浜
(
はま
)
の海水浴場へ出かけて行って、前の晩にわざわざ銀座で買って来た、濃い緑色の海水帽と海水服とを肌身に着けて現れたとき、正直なところ
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
東海道ならば
由比
(
ゆい
)
・
蒲原
(
かんばら
)
・
興津
(
おきつ
)
の山々、
焼津
(
やいづ
)
に越える日本峠のように、汽車の響きと煙で小鳥をおびやかし、さらにいろいろの方法をもって捕獲を試みる所が、年を追うて増すばかりである。
雪国の春
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
由
常用漢字
小3
部首:⽥
5画
比
常用漢字
小5
部首:⽐
4画
“由比”で始まる語句
由比ヶ濱
由比少佐
由比正雪