加之しかのみなら)” の例文
姫は我を憐めり。加之しかのみならず姫は我戀を知りたり。かく思ひつゞけつゝ、我は枕に接吻せり。さるにても口惜しきは、わが意氣地なき性質なり。いかなれば我は先の日直ちに彼の無禮を責めざりしぞ。
加之しかのみならず若し心術の上より論ぜば、我守護神たる聖母もこれよりはまた我を憐み給はざるべし。いはんや此戀は果して能く成就せんや否や。我は口惜しきことながら、實に未だアヌンチヤタの心を知らざりき。