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加之
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それに
ふりがな文庫
“
加之
(
それに
)” の例文
加之
(
それに
)
顔立
(
かほだち
)
なり姿なり品の好い
娘
(
こ
)
であツたから、
設
(
よし
)
や紫の色が洗ひざれてはげちよろけて來ても、さして
貧乏
(
びんぼん
)
くさくならなかつた。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
心配する事ア
無
(
ね
)
え、先生。齡ア四十一だべえが、村一番の
醜婦
(
みたくなし
)
の
巨女
(
おほをなご
)
だア、
加之
(
それに
)
ハア、酒を飮めば一升も飮むし、
甚麽
(
どんな
)
男も
手餘
(
てやまし
)
にする
位
(
くれえ
)
の
惡醉語堀
(
ごんぼうほり
)
だで。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それよりも斯うしていて自然に、心が変って行く日が来るまでは身体を動かすのが怠儀であったのだ。
加之
(
それに
)
銭
(
かね
)
だって差当り入るだけ無いじゃないか。帰って来て
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
加之
(
それに
)
、
前
(
まへ
)
の
諸氏
(
しよし
)
が
發掘
(
はつくつ
)
したのは、
畑中
(
はたなか
)
に
塚
(
つか
)
の
形
(
かたち
)
を
成
(
な
)
して
居
(
ゐ
)
た
處
(
ところ
)
で、それは
今
(
いま
)
開
(
ひら
)
かれて
形
(
かたち
)
を
留
(
と
)
めぬ。
探検実記 地中の秘密:03 嶺の千鳥窪
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
加之
(
それに
)
用心深
(
ようじんぶか
)
い
其神経
(
そのしんけい
)
は、
何時
(
いつ
)
彼
(
か
)
の
背負揚
(
しよいあげ
)
を
見
(
み
)
て、
手紙
(
てがみ
)
に
触
(
さは
)
つた
私
(
わたし
)
の
手
(
て
)
の
匂
(
にほひ
)
を
嚊
(
か
)
ぎつけ、
或晩
(
あるばん
)
妻
(
つま
)
が
湯
(
ゆ
)
に
入
(
い
)
つた
留守
(
るす
)
に、
私
(
そつ
)
と
背負揚
(
しよいあげ
)
を
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
ると、
手紙
(
てがみ
)
はもう
中
(
なか
)
には
無
(
なか
)
つた。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
加之
(
それに
)
、承われば此頃では
諸事
(
しょじ
)
円滑
(
えんかつ
)
に運んで居るとやら、
愚痴
(
ぐち
)
は最早言いますまい。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
加之
(
それに
)
妙にねち/\した
小意地
(
こいぢ
)
の惡い點があツて、
些
(
ちつ
)
と
傲慢
(
ごうまん
)
な點もあらうといふものだから、
何時
(
いつ
)
も空を向いて歩いてゐる
學生
(
がくせい
)
等
(
ら
)
には嫌はれる筈だ。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
心配
(
しんぺい
)
する事ア
無
(
ね
)
え、先生。齢ア四十一だべえが、村一番の
醜婦
(
みたくなし
)
の
巨女
(
おほをなご
)
だア、
加之
(
それに
)
ハア、酒を飲めば一升も飲むし、
甚麽
(
どんな
)
男も
手余
(
てやまし
)
にする
位
(
くれい
)
の
悪酔語堀
(
ごんぼうほり
)
だで。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
加之
(
それに
)
今朝のことを思い出せば、遠く離れた此処に斯うしていても、何とも言うに言えない
失態
(
ぶざま
)
が未だに身に付き纏うているようで、唯あの土地を、思っても厭な心持がする。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
『まさか、一時二時まで出前がありやしまいし。
加之
(
それに
)
此頃は夜が長いよ。』
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
他所者といふが第一、
加之
(
それに
)
、頑固で、片意地で、お世辯一つ言はぬ性なもんだから、兎角村人に親しみが薄い。
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
薄氣味
(
うすぎみ
)
惡くはある、淋しくはある、足は
疲
(
つか
)
れて來る、眠くはある。
加之
(
それに
)
お
腹
(
なか
)
まで
空
(
す
)
いて來るといふのだから、それで自分が何樣なに困りきツたかといふ事が
解
(
わか
)
る。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
加之
(
それに
)
段々、予期していたことが、実際とは違って来るのに、気が付くに連れて、世の中の
事物
(
もの
)
が、何も彼も大抵興が醒めたような心持がする。——
昨夕
(
ゆうべ
)
のお宮が丁度それだ。
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
他所者
(
たしよもの
)
といふが第一、
加之
(
それに
)
、
頑固
(
いつこく
)
で、片意地で、お世辞一つ言はぬ
性
(
たち
)
なもんだから、兎角村人に
親
(
したし
)
みが薄い。
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
加之
(
それに
)
擧止
(
とりなし
)
がおツとりしてゐたのと、
割合
(
わりあい
)
に氣さくであツたのと、顔が綺麗だツたのとで、書生さん
等
(
たち
)
は來る度に、喰はずとも
交々
(
かはる/\
)
幾らかづゝ菓子を購ツて遺ツた。
昔の女
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
加之
(
それに
)
何なのぢや、それ、
國常立尊
(
くにとこたちのみこと
)
、
國狹槌尊
(
くにさづちのみこと
)
、
豐斟渟尊
(
とよくにのみこと
)
、
大苫邊尊
(
おほとのべのみこと
)
、
面足尊
(
おもたるのみこと
)
惺根尊
(
かしこねのみこと
)
、
伊弉諾尊
(
いざなぎのみこと
)
、
伊弉册尊
(
いざなみのみこと
)
、それから
大日靈尊
(
おおひるめのみこと
)
、
月夜見尊
(
つきよみのみこと
)
、この十柱の神樣はな
赤痢
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「ま、喰はんでも可いから……
加之
(
それに
)
立停ツて何か購ふといふのが、
夫
(
そ
)
の鳥渡面倒なものだからね。」
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
加之
(
それに
)
何なのぢや、それ、
国常立尊
(
くにとこたちのみこと
)
、
国狭槌尊
(
くにのさづちのみこと
)
、
豊斟渟尊
(
とよくむぬのみこと
)
、
大苫辺尊
(
おほとまべのみこと
)
、
面足尊
(
おもだるのみこと
)
、
惶根尊
(
かしこねのみこと
)
、
伊弉諾尊
(
いざなぎのみこと
)
、
伊弉冊尊
(
いざなみのみこと
)
、それから
大日霊尊
(
おほひるめのみこと
)
、
月夜見尊
(
つきよみのみこと
)
、この
十柱
(
とはしら
)
の神様はな
赤痢
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
加之
(
それに
)
顏にも
弛
(
たる
)
むだ點がある、何うしても平民の娘だ。これが周三に取ツて何となく
物足
(
ものた
)
りぬやうに思はれて、何だか
紅
(
あか
)
い
匂
(
にほひ
)
の無い花を見るやうな心地がするのであツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
顏のうちで一番に他の注意を惹くのは眼で、學士の眼の大きいことと謂ツたら素敵だ!
加之
(
それに
)
其が近眼と來てゐる。妙に飛出した眼付で、或者は「
蟹
(
かに
)
の眼」と謂ツてゐた。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
足の
形
(
かたち
)
でも
腰
(
こし
)
の
肉付
(
にくつき
)
でも、または
胴
(
どう
)
なら
乳
(
ちゝ
)
なら胸なら肩なら、
總
(
す
)
べて
何處
(
どこ
)
でもむツちりとして、
骨格
(
こつかく
)
でも
筋肉
(
きんにく
)
でも
姿勢
(
しせい
)
でも
好
(
よ
)
く
整
(
とゝの
)
ツて
發育
(
はついく
)
してゐた。
加之
(
それに
)
肌
(
はだ
)
が
眞
(
ま
)
ツ
白
(
しろ
)
で
滑々
(
すべ/″\
)
してゐる。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
加之
(
それに
)
空氣がじめ/\して
嫌
(
いや
)
に
生温
(
なまぬる
)
いといふものだから、
大概
(
たいがい
)
の者は氣が
腐
(
くさ
)
る。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
加之
(
それに
)
自分の分としては
財産
(
ざいさん
)
も幾分別になツて、生活の安全も
保證
(
ほしよう
)
されてあるから、夫人に取ツては、何方が
勝
(
か
)
ツても
敗
(
ま
)
けてもカラ平氣だ。そこで
要
(
い
)
らざるおせツかいをせぬ事として
澄
(
す
)
まし返ツてゐた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
加
常用漢字
小4
部首:⼒
5画
之
漢検準1級
部首:⼃
4画
“加”で始まる語句
加
加減
加茂
加賀
加担
加奈陀
加持
加持祈祷
加勢
加里