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しかも
日の暮に
平潟の宿に歸つた。湯はぬるく、便所はむさく、魚は
鮮しいが料理がまづくて腥く、水を飮まうとすれば
潟臭く、
加之夥しい蚊が眞黒にたかる。
その頃の湯風呂には、旧式の
石榴口というものがあって、夜などは
湯烟が
濛々として内は
真暗。
加之その風呂が高く出来ているので、
男女ともに中途の蹈段を登って
這入る。
現在に
於ては、九
州、四
國から、
陸前、
陸奧、
出羽の
方まで
掛けて三十五ヶ
國に
亘り
發見されて
居るので、
加之横穴は一ヶ
所に
群在する
例が
多いのだから、
穴の
數を
算したら