加之しかのみ)” の例文
加之しかのみならず、語学校時代の友人の多くは実業界に投じ、中には立派に成功して財界の頭株あたまかぶに数えられてるものもあるので
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
一図のあやまりは必ず他図にありても常に之を繰返し、加之しかのみならず必然の結果として誤読と誤写とはますます増加せるものの如し。
古図の信じ得可き程度 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
加之しかのみならず本来今度の生麦事件で英国が一私人殺害のめに大層な事を日本政府に云掛いいかけて、到頭とうとう十二万五千ポンドとったとうのは理か非か、はなはだ疑わしい。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
あざむかんとするか其儀越前守はとくより承知なり加之しかのみならず問にまかせて主人しゆじんの惡事を申立る段まこと忠臣ちうしん奚ぞ斯る擧動ふるまひあるべきや茲な重々ぢう/\不屆者ふとゞきものそれ引下ひきおろせと下知の下よりたちまち平左衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
加之しかのみならず『浮雲』の若々しさに引換えて極めて老熟して来ただけそれだけ或る一種の臭みを帯びていた。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
仮令たとい約条書がなかろうと、人と人と話したのが何寄なによりの証拠だ、売買の約束をした以上は当然あたりまえに金を払わぬこそ大きな間近いだ、何でも払わんければならぬ。加之しかのみならず、マダ私がうことがある。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
さだめ伊豆守殿の方へ目配めくばせしつゝ越州ゑつしう御願おんねがひおもむき早速さつそく上聞じやうぶんに達し申さんと立て奧の方へいたり將軍の御前へ出て申あげける樣はおそれ乍ら言上仕り候此度このたび御下向おげかうにて芝八山の御旅館にまします天一坊樣御事は先達さきだつて伊豆守役宅へ御招き申上御身分とく御調おんしらべ申上しに恐れながら君の御面部めんぶ其儘そのまゝ加之しかのみならず御音聲迄ごおんじやうまでよく似遊にあそばしうり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
加之しかのみならず、初めは覇心欝勃として直ちに西欧大家の塁をこうとする意気込であったが、いよいよ着手するとなると第一に遭逢したのは文章上の困難であった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
加之しかのみならず、電車がイクラ迅速でも、距離が遠ければ遠いほど時間を要する。
駆逐されんとする文人 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)