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加之
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しかのみならず
ふりがな文庫
“
加之
(
しかのみならず
)” の例文
加之
(
しかのみならず
)
、大体偽善者であると思って間違ないのである。欠点のある人間、若しくは欠点をつつまずに出す人間は、少くとも正直である。
読書と著書
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
そして喜んで其人工の生命を与へるに足る丈の血潮を、自ら進んで与へようと思つた。
加之
(
しかのみならず
)
、わしは殆ど彼女を怖しく思はなかつた。
クラリモンド
(新字旧仮名)
/
テオフィル・ゴーチェ
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、
較々
(
やや
)
完全に近かつた雅典の人間より、遙かに完全に
遠
(
とほざ
)
かつた今の我々の方が、却つて/\大なる希望を持ち得るではないか。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それから
加之
(
しかのみならず
)
と云って、皇太后の御上を云い、「
猶子
(
いうし
)
の恩を蒙りて、兼ねて
長秋
(
ちやうしう
)
の監たり、
嘗薬
(
しやうやく
)
の事、相譲るに人無し」といい
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
欺
(
だま
)
して同じ丁字屋へ賣渡し身の代金を
掠
(
かす
)
めとり其上に母のお安を三次に
頼
(
たの
)
みて殺させ
加之
(
しかのみならず
)
千太郎を
欺
(
あざむ
)
きて五十兩の大金を
騙
(
かた
)
り取猶又同人を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
しかるに誰ということの
判
(
わか
)
らぬ間に、僕の心には果たして一人であるか二人であるか三人か、
加之
(
しかのみならず
)
一人であるにしても、あの人であろうか
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、人民を融和せしめ、社交を助け、勝景を保存し、史蹟を重んぜしめ、天然紀念物を保護する等、無類無数の大功あり。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、
酒
(
さけ
)
は
近所
(
きんじよ
)
の
灘屋
(
なだや
)
か、
銀座
(
ぎんざ
)
の
顱卷
(
はちまき
)
を
取寄
(
とりよ
)
せて、と
云
(
い
)
ふ
會員一同
(
くわいゐんいちどう
)
の
強請
(
きやうせい
)
。
考
(
かんが
)
へてご
覽
(
らん
)
なさい、九九九で
間
(
ま
)
に
合
(
あ
)
ひますか。
九九九会小記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、久しく日支両帝国の間に介在していたので、自然
二股膏薬
(
ふたまたこうやく
)
主義を取らなければならないようになったのである。
沖縄人の最大欠点
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
加之
(
しかのみならず
)
山の開祖に取りては、登頂を果すことが登山の目的の全部ではなかった。現代の登山が登頂と同時に其目的の全部を完了するのとは違っていた。
山の今昔
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、
文学者
(
ぶんがくしや
)
を
以
(
もつ
)
て
怠慢
(
たいまん
)
遊惰
(
いうだ
)
の
張本
(
ちやうほん
)
となすおせツかいは
偶
(
たま
)
/\
怠慢
(
たいまん
)
遊惰
(
いうだ
)
の
却
(
かへつ
)
て
神
(
かみ
)
の
天啓
(
てんけい
)
に
協
(
かな
)
ふを
知
(
し
)
らざる
白痴
(
たはけ
)
なり。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
虎疫
(
コレラ
)
が大流行で、我々は生のもの、例えば
葡萄
(
ぶどう
)
その他の果実や、各種の緑色の物を食わぬようにせねばならぬ。
加之
(
しかのみならず
)
、冷い水は一口も飲んではいけない。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
加之
(
しかのみならず
)
彼女がそう云う過ちを犯す迄には、夫の思慮深い、ずっと前から計畫して段々とそこへ誘い込むようにした策略があったことを見逃してはならない。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
君女は吾々と違って洋服一点張りじゃいけないのだ、これから時候は寒さに向って、
加之
(
しかのみならず
)
常着
(
ふだんぎ
)
から
総
(
すべ
)
てを新調して世帯道具を揃えることは中々容易じゃないよ
誘拐者
(新字新仮名)
/
山下利三郎
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、右紅毛人の
足下
(
あしもと
)
には、篠、髪を乱し候儘、娘
里
(
さと
)
を掻き抱き候うて、失神致し候如く、
蹲
(
うづくま
)
り居り候。
尾形了斎覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鷲郎に助けられて、黄金丸は漸く棲居へ帰りしかど、これより
身体
(
みうち
)
痛みて堪えがたく。
加之
(
しかのみならず
)
右の前足
骨
(
ほね
)
挫
(
くじ
)
けて、物の用にも立ち兼ぬれば、
口惜
(
くや
)
しきこと限りなく。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、プラトネの教へしごとく、魂、星に歸るとみゆること、また汝に疑ひを起さしむ 二二—二四
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「二十日。微晴。此夕右脇下打撲、痛甚、
加之
(
しかのみならず
)
咳痰に而平臥。此間文礼子弘前御用行に付、渋江小野両氏
尋訪
(
じんばう
)
相頼、並に菓子折進物す。
生口拡
(
いくちひろめ
)
青森行に而前後立寄。」
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
町奉行所へ
訴
(
うっ
)
たえ出たる事ありと、或る老人の話しなるが、それか
有
(
あら
)
ぬか
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、食物を与えざるも
泣
(
なく
)
こと無く、
加之
(
しかのみならず
)
子供が
肥太
(
こえふと
)
りて、無事に成長せしは、珍と云うべし。
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
独奈
(
ひとりいかん
)
せん、才
踈
(
おろそか
)
ニ識浅く
加之
(
しかのみならず
)
、単
身孤
(
四字消
)
剣、窮困資材ニ
乏
(
とぼしき
)
故に成功
速
(
すみやか
)
ならず、然に略海軍の起歩をなす。是老兄の知所なり。数年間東西に奔走し、屡〻故人に遇て路人の如くす。
手紙:039 慶応二年十一月 溝淵広之丞あて
(新字旧仮名)
/
坂本竜馬
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、この時に際し、外国の注目する所たるや、火を見るよりも
明
(
あき
)
らけし。しかるにその結果たる不充分にして、外国人も
私
(
ひそ
)
かに日本政府の微弱無気力なるを嘆ぜしとか聞く。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
かるが故に神につきての観念は、人智の進歩に連れて次第に変化し、枝葉の点に
於
(
おい
)
ては、必ずしも一致していないのである。
加之
(
しかのみならず
)
バイブルの中には、人間的
誤謬
(
ごびゅう
)
の
夾雑物
(
きょうざつぶつ
)
が少くない。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
そして
加之
(
しかのみならず
)
、事実を興味深く粉飾するために、何の小説にも一様に、
護謨
(
ゴム
)
靴の刑事と、お
高祖頭巾
(
こそずきん
)
の賊とが現れ、色悪と当時称せられた姦淫が事件の裏に
秘
(
ひそ
)
んでいるのに極まっていた。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
加之
(
しかのみならず
)
政黨の進退は十數年を待たず、大抵三、五年を以て新陳交代す可きものなれば、其交代毎に一方の政黨が帝室に向ひ又これに背くが如きあらば、帝室は恰も政治社會の塵埃中に陷りて
帝室論
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
加之
(
しかのみならず
)
透谷の感性は非常に強かりしかば僕等が書き放し、言ひ放しにしたるものも、透谷に取つてはそれが大問題を提起したるが如く思はれしを以て
直
(
たゞち
)
に其心裏に反撃の波浪を
捲
(
ま
)
き起したるならん。
透谷全集を読む
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
加之
(
しかのみならず
)
斯ク其施行ヲ禁ジ、王ハ自カラ之ヲ忘却シテ意ヲ用ユルコトナシ。
アメリカ独立宣言
(新字旧仮名)
/
トマス・ジェファーソン
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、同じ言説を、幾度となく繰り返されるので、流石の陸軍当局も、先生の欺かざる熱意と根気と、終りなき訥弁に、たうとうしびれを切らして、帝大の主旨を諒とするに至つたのださうである。
浜尾新先生
(新字旧仮名)
/
辰野隆
(著)
加之
(
しかのみならず
)
此の
天降
(
あまくだ
)
りがおとなしく從來のしきたりを踏襲して行かない。
大阪の宿
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
篠田君が果して我々同志を売るものか
如何
(
どう
)
か知れるではないか、——同君が賤業婦人を救ひ出すのは珍らしいことではない、
加之
(
しかのみならず
)
諸君は之を称讃して
麗
(
うる
)
はしき社会的救済事業と認めて来たでは無いか
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
(新聞記者と管理部と関係の密なりしこと近衛の如きは他に例なきが如し)
加之
(
しかのみならず
)
近衛師団の広島に着せし時新聞記者は誰も来ぬとて司令部管理部
抔
(
など
)
にては不興なりしが如きこれ皆な待遇の疎なりし原因なり云々
従軍紀事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
加之
(
しかのみならず
)
その裏には人情観察があります。
マイクロフォン:「新青年」一九二七年三月
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
加之
(
しかのみならず
)
較々
(
やゝ
)
完全に近かつた
雅典
(
アテーネ
)
の人間より、遙かに完全に
遠
(
とほざ
)
かつた今の我々の方が、却つて/\大なる希望を持ち得るではないか。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
加之
(
しかのみならず
)
牛に養はれて、牛の乳に
育
(
はぐく
)
まれしかば、また牛の力量をも
受得
(
うけえ
)
て、けだし
尋常
(
よのつね
)
の犬の猛きにあらず。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、英国とフランスとで日本陶器の蒐集が大流行を来たし、また米国でも少数の人が日本の陶器の魅力に注目し始め、美術博物館さえがこれ等を鑑識し出した。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
加之
(
しかのみならず
)
時日の進行中において自然に消滅する悪口と思えば、さほど気にかけることはない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
立退き今は
改名
(
かいめい
)
して庄兵衞と名乘其元の名は
昌
(
しやう
)
次郎
妻
(
つま
)
とよ事元の名は
梅
(
うめ
)
と云者ならん天命にて其方が
妻
(
さい
)
亂心
(
らんしん
)
なし我が手にあり
加之
(
しかのみならず
)
親憑司早くも
先達
(
せんだつ
)
て牢舍申附たり同村名主傳吉を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
されど予が身辺の事情は遂に予をして渡英の計画を
抛棄
(
はうき
)
せしめ、
加之
(
しかのみならず
)
予が父の病院内に、一個新帰朝のドクトルとして、多数患者の診療に忙殺さる可き、退屈なる椅子に
倚
(
よ
)
らしめ
了
(
をは
)
りぬ。
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、あの小説だか脚本だかを読んでいないでも、武者小路氏及び氏によって代表されているいわゆる白樺派の文芸及び思潮が、本当にオメデタイものであることを言明し得られると思っている。
文壇昔ばなし
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、新聞小説も漸く盛んになり
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、私は日本中で京都ほど娘達や小さな子供が、奇麗な着物を着ている所を、見たことが無い。頭髪の結い方には特徴があり、帯の
縮緬
(
ちりめん
)
と頭の装飾とは燦然としている。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
しかも
燕尾服
(
えんびふく
)
着用で聴講料を払って入場した
紳士
(
しんし
)
や
淑女
(
しゅくじょ
)
——一
目
(
もく
)
しても一
片
(
ぺん
)
の書生たる僕以上の人と見受けられ、
加之
(
しかのみならず
)
この時は僕の独り演説であったから、これらの聴衆を見ると
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
自分から進んで學校に入れて貰つたに拘はらず、私は遂學科に興味を
有
(
も
)
てなかつた。
加之
(
しかのみならず
)
時には晝休に家へ歸つた儘、人知れず裏の物置に隱れてゐて、午後の課業を休む事さへあつた。
二筋の血
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
加之
(
しかのみならず
)
先生の識見、直ちに本来の性情より出で、
夙
(
つと
)
に泰西
輓近
(
ばんきん
)
の思想を道破せるもの
勘
(
すくな
)
からず。其の邪を罵り、俗を
嗤
(
わら
)
ふや、一片氷雪の気天外より来り、我等の
眉宇
(
びう
)
を
撲
(
う
)
たんとするの概あり。
「鏡花全集」目録開口
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
加之
(
しかのみならず
)
洞の
中
(
うち
)
には、怎麼なる猛獣
侍
(
はん
)
べりて、
怎麼
(
いか
)
なる
守備
(
そなえ
)
ある事すら、更に探り知る由なければ、今日までかくは
逡巡
(
ためら
)
ひしが、
早晩
(
いつか
)
爾を捕へなば、糺問なして語らせんと、日頃思ひゐたりしなり。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
加之
(
しかのみならず
)
、此一面の明鏡は又、
黄金
(
こがね
)
の色のいと鮮かな
一片
(
ひとひら
)
の小扇をさへ載せて居る。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
加
常用漢字
小4
部首:⼒
5画
之
漢検準1級
部首:⼃
4画
“加”で始まる語句
加
加減
加茂
加賀
加担
加奈陀
加持
加持祈祷
加勢
加里