-
トップ
>
-
ねへ
素通りもなるまいとてずつと
這入るに、
忽ち
廊下にばた/\といふ
足おと、
姉さんお
銚子と
聲をかければ、お
肴は
何をと
答ふ。
あの
姉さんは
鬼ではないか、
父さんを
怠惰者にした
鬼ではないか、お
前の
衣類のなくなつたも、お
前の
家のなくなつたも
皆あの
鬼めがした
仕事
お
高はあきれて
力ちやん
大底におしよといへども、
何宜いのさ、これはお
前にこれは
姉さんに、
大きいので
帳塲の
拂ひを
取つて
殘りは
一同にやつても
宜いと
仰しやる
素通りもなるまいとてずつと這入るに、
忽ち廊下にばたばたといふ足おと、
姉さんお銚子と声をかければ、お肴は何をと答ふ、
三味の
音景気よく聞えて乱舞の足音これよりぞ聞え
初ぬ。
負たとて大敗軍も
無もんだ其樣な
少量な事を聞
耳は
無へ此馬鹿八めと
罵るにぞ目玉の八は
負腹にて心地宜らぬ
折柄故大いに
怒ナニ馬鹿八だと此拔作め口の横に
裂た
儘に餘り大造を