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無
>
な
ふりがな文庫
“
無
(
な
)” の例文
鬘
(
かつら
)
ならではと
見
(
み
)
ゆるまでに
結做
(
ゆひな
)
したる
圓髷
(
まるまげ
)
の
漆
(
うるし
)
の
如
(
ごと
)
きに、
珊瑚
(
さんご
)
の
六分玉
(
ろくぶだま
)
の
後插
(
あとざし
)
を
點
(
てん
)
じたれば、
更
(
さら
)
に
白襟
(
しろえり
)
の
冷豔
(
れいえん
)
、
物
(
もの
)
の
類
(
たと
)
ふべき
無
(
な
)
く——
火の用心の事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此方
(
こちら
)
は
焚火
(
たきび
)
どころで
無
(
な
)
い。
汗
(
あせ
)
を
垂
(
た
)
らして
掘
(
ほ
)
り
進
(
すゝ
)
むのに、いや、
土龍
(
むぐろ
)
のやうだの、
井戸掘
(
ゐどほり
)
の
手間
(
てま
)
だの、
種々
(
いろ/\
)
な
批評
(
ひひやう
)
を
頭
(
あたま
)
から
冠
(
かぶ
)
せられる。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
無
(
な
)
くなったな。」赤シャツの農夫はつぶやいて、も
一度
(
いちど
)
シャツの
袖
(
そで
)
でひたいをぬぐい、
胸
(
むね
)
をはだけて脱穀小屋の戸口に立ちました。
耕耘部の時計
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
文化
(
ぶんくわ
)
が
發達
(
はつたつ
)
して
來
(
く
)
れば、
自然
(
しぜん
)
何處
(
どこ
)
か
漠然
(
ばくぜん
)
として
稚氣
(
ちき
)
を
帶
(
お
)
びて
居
(
ゐ
)
るやうな
面白
(
おもしろ
)
い
化物思想
(
ばけものしさう
)
などを
容
(
い
)
れる
餘地
(
よち
)
が
無
(
な
)
くなつて
來
(
く
)
るのである。
妖怪研究
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
が、
彼
(
かれ
)
は
年月
(
としつき
)
の
經
(
た
)
つと
共
(
とも
)
に、
此事業
(
このじげふ
)
の
單調
(
たんてう
)
なのと、
明瞭
(
あきらか
)
に
益
(
えき
)
の
無
(
な
)
いのとを
認
(
みと
)
めるに
從
(
したが
)
つて、
段々
(
だん/\
)
と
厭
(
あ
)
きて
來
(
き
)
た。
彼
(
かれ
)
は
思
(
おも
)
ふたのである。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
惜
(
お
)
しいけど、僕、あきらめるよ。それに、そんなもん、大して
欲
(
ほ
)
しかないんだもの。銀貨の一つやそこら、あったって
無
(
な
)
くったって!
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
私
(
わたし
)
が
事
(
こと
)
と
言
(
い
)
へば
御自分
(
ごじぶん
)
の
身
(
み
)
を
無
(
な
)
い
物
(
もの
)
にして
言葉
(
ことば
)
を
立
(
た
)
てさせて
下
(
くだ
)
さる
御思召
(
おぼしめし
)
有難
(
ありがた
)
い
嬉
(
うれ
)
しい
恐
(
おそ
)
ろしい、
餘
(
あま
)
りの
勿躰
(
もつたい
)
なさに
涙
(
なみだ
)
がこぼれる
うらむらさき
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
鳥の巣の中で、
河原雲雀
(
かはらひばり
)
の巣ぐらゐ見つけやすい物は
無
(
な
)
いから、私達はボツ/\生えた短い草の中を
縱横
(
たてよこ
)
十文字に早足で探しはじめる。
筑波ねのほとり
(旧字旧仮名)
/
横瀬夜雨
(著)
それまでやっていた仕事にだんだん失望を感じ始めた。新しい生活の芽が周囲の拒絶をも
無
(
な
)
みして、そろそろと芽ぐみかけていた。
生まれいずる悩み
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
眩
(
まぶ
)
しいものが一
閃
(
せん
)
、
硝子
(
ガラス
)
を
透
(
とほ
)
して
私
(
わたし
)
の
眼
(
め
)
を
射
(
い
)
つた。そして一
瞬
(
しゆん
)
の
後
(
のち
)
、
小松
(
こまつ
)
の
枝
(
えだ
)
はもう
無
(
な
)
かつた。それは
光
(
ひかり
)
の
中
(
なか
)
に
光
(
ひか
)
り
輝
(
かゞや
)
く
斑點
(
はんてん
)
であつた。
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
しかし、それは本当になにも疑うべき点が
無
(
な
)
いのであろうかと、帆村探偵は一時、仮装殺人を園部の上にうつして考え直してみた。
麻雀殺人事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
無論
(
むろん
)
です、けれど
本船
(
ほんせん
)
の
當番
(
たうばん
)
水夫
(
すゐふ
)
は
眼
(
め
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
に、
情
(
こゝろ
)
の
無
(
な
)
い
奴
(
やつ
)
です、
一人
(
ひとり
)
は
茫然
(
ぼんやり
)
して
居
(
ゐ
)
ます、
一人
(
ひとり
)
は
知
(
し
)
つて
知
(
し
)
らぬ
顏
(
かほ
)
をして
居
(
ゐ
)
ます。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ロミオ なう、
叱
(
しか
)
って
下
(
くだ
)
さるな。
此度
(
こんど
)
の
女
(
をんな
)
は、
此方
(
こち
)
で
思
(
おも
)
へば、
彼方
(
あち
)
でも
思
(
おも
)
ひ、
此方
(
こち
)
で
慕
(
した
)
へば、
彼方
(
あち
)
でも
慕
(
した
)
ふ。
以前
(
さき
)
のはさうで
無
(
な
)
かった。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
「およそ
人心
(
じんしん
)
の
裏
(
うち
)
絶
(
た
)
えて
無
(
な
)
きのこと、
夢寐
(
むび
)
に
形
(
あらわ
)
れず、
昔人
(
せきじん
)
謂
(
い
)
う、
男
(
おとこ
)
、
子
(
こ
)
を
生
(
う
)
むを
夢
(
ゆめ
)
みず、
女
(
おんな
)
、
妻
(
さい
)
を
娶
(
めと
)
るを
夢
(
ゆめ
)
みず、この
言
(
げん
)
良
(
まこと
)
に
然
(
しか
)
り」
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
もう一
日
(
にち
)
食
(
た
)
べ
物
(
もの
)
の
無
(
な
)
い
穴
(
あな
)
の中に
引
(
ひ
)
っ
込
(
こ
)
んだまま、おなかをへらして
死
(
し
)
ぬか、
外
(
そと
)
に出て
猫
(
ねこ
)
に
食
(
く
)
われるか、ほかにどうしようもございません。
猫の草紙
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
お
品
(
しな
)
は
朝
(
あさ
)
から
心持
(
こゝろもち
)
が
晴々
(
はれ/″\
)
して
日
(
ひ
)
が
昇
(
のぼ
)
るに
連
(
つ
)
れて
蒲團
(
ふとん
)
へ
起
(
お
)
き
直
(
なほ
)
つて
見
(
み
)
たが、
身體
(
からだ
)
が
力
(
ちから
)
の
無
(
な
)
いながらに
妙
(
めう
)
に
輕
(
かる
)
く
成
(
な
)
つたことを
感
(
かん
)
じた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
あれと
私達
(
わたしたち
)
とは
何
(
なん
)
の
關係
(
くわんけい
)
も
無
(
な
)
いやうなものの、あれも
着物
(
きもの
)
、
私達
(
わたしたち
)
お
互
(
たがひ
)
も
着物
(
きもの
)
、
何
(
なん
)
となく
世間
(
せけん
)
に
對
(
たい
)
して、
私
(
わたし
)
は
氣耻
(
きはづか
)
しいやうでなりませんのよ
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
子供
(
こども
)
なんざ、
無
(
な
)
くても
可
(
い
)
いぢやないか。
上
(
うへ
)
の
坂井
(
さかゐ
)
さん
見
(
み
)
た
樣
(
やう
)
に
澤山
(
たくさん
)
生
(
うま
)
れて
御覽
(
ごらん
)
、
傍
(
はた
)
から
見
(
み
)
てゐても
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
だよ。
丸
(
まる
)
で
幼穉園
(
えうちゑん
)
の
樣
(
やう
)
で
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
もぐりの
流行神
(
はやりがみ
)
なら
知
(
し
)
らぬこと、
苟
(
いやし
)
くも
正
(
ただ
)
しい
神
(
かみ
)
として
斯
(
こ
)
んな
祈願
(
きがん
)
に
耳
(
みみ
)
を
傾
(
かたむ
)
けるものは
絶対
(
ぜったい
)
に
無
(
な
)
いと
思
(
おも
)
えば
宜
(
よろ
)
しいかと
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「
何
(
なん
)
だって、お
前
(
まえ
)
は
塀
(
へい
)
を
乗越
(
のりこ
)
えて
来
(
き
)
て、
盗賊
(
ぬすびと
)
のように、
私
(
わたし
)
のラプンツェルを
取
(
と
)
って
行
(
ゆ
)
くのだ? そんなことをすれば、
善
(
よ
)
いことは
無
(
な
)
いぞ。」
ラプンツェル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「
幾
(
いく
)
百
里
(
り
)
か、
飛
(
と
)
んでいって、それが
無
(
な
)
いといって
帰
(
かえ
)
ってくることができるだろうか?」と、
B
(
ビー
)
がんが、むしろ、
反対
(
はんたい
)
の
意見
(
いけん
)
をもらしました。
がん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その室は、毎朝氏の掃除にはなりますが、書籍や、作りかけの仕事などが、
雑然
(
ざつぜん
)
混然
(
こんぜん
)
として居て
一寸
(
ちょっと
)
足の踏み所も
無
(
な
)
い様です。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
返事
(
へんじ
)
が
無
(
な
)
いから二
度
(
ど
)
掛
(
か
)
けましたがそれでも
返事
(
へんじ
)
が
無
(
な
)
いから
塾
(
じゆく
)
ではどうなつた
事
(
こと
)
かと
非常
(
ひじやう
)
に
心配
(
しんぱい
)
して
責任
(
せきにん
)
を
持
(
も
)
つたものは一
夜
(
や
)
睡
(
ねむ
)
らなかつた
位
(
くらゐ
)
。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
部屋
(
へや
)
には
箪笥
(
たんす
)
の
外
(
ほか
)
に、
鏡台
(
きやうだい
)
もある。
針函
(
はりばこ
)
もある。
手文庫
(
てぶんこ
)
もある。
若
(
も
)
し
秘密
(
ひみつ
)
があるとすれば、
其等
(
それら
)
の
中
(
なか
)
にも
無
(
な
)
いとは
保
(
ほ
)
しがたい。
背負揚
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
まして無神無仏の
徒
(
と
)
は既に神を
無
(
な
)
みし仏を無みするだけの偉いものであるから、夢にも恐怖心などに囚はれてはならぬ。云々。
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
級
(
しな
)
照る
片岡山
(
かたをかやま
)
に
飯
(
いひ
)
に
飢
(
ゑ
)
て
臥
(
こや
)
せる
彼
(
そ
)
の
旅人
(
たびと
)
あはれ
親無
(
おやなし
)
に
汝
(
なれ
)
生
(
な
)
りけめや
剌竹
(
さすたけ
)
の
君
(
きみ
)
はや
無
(
な
)
き
飯
(
いひ
)
に
飢
(
ゑ
)
て
臥
(
こや
)
せる
彼
(
そ
)
の
旅人
(
たびと
)
あはれ
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
若
(
も
)
し
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
に
宿
(
やど
)
る
所
(
ところ
)
の
戀
(
こひ
)
をすら
笑
(
わら
)
ふべく
信
(
しん
)
ずべからざる
者
(
もの
)
ならば、
人生
(
じんせい
)
遂
(
つひ
)
に
何
(
なん
)
の
價
(
あたひ
)
ぞ、
人
(
ひと
)
の
心
(
こゝろ
)
ほど
嘘僞
(
きよぎ
)
な
者
(
もの
)
は
無
(
な
)
いではないか。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
猿羽織
(
さるばおり
)
と
言
(
い
)
つて、
父
(
とう
)
さんの
田舍
(
ゐなか
)
の
子供
(
こども
)
は、お
猿
(
さる
)
さんの
着
(
き
)
る
袖
(
そで
)
の
無
(
な
)
い
羽織
(
はおり
)
のやうなものを
着
(
き
)
ました。
寒
(
さむ
)
くなるとそれを
着
(
き
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
『そんなものは
無
(
な
)
くッてよ!』と
愛
(
あい
)
ちやんは
頗
(
すこぶ
)
る
腹立
(
はらだた
)
しげに
云
(
い
)
ひました、
帽子屋
(
ばうしや
)
と三
月兎
(
ぐわつうさぎ
)
とは、『
叱
(
し
)
ッ!
叱
(
し
)
ッ!』と
續
(
つゞ
)
けさまに
叫
(
さけ
)
びました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
此頃
(
このごろ
)
無闇
(
むやみ
)
に
金子
(
かね
)
が
失
(
な
)
くなつて
仕
(
し
)
やうが
無
(
な
)
いから、これ/\
斯
(
か
)
う
云
(
い
)
ふ事にして
来
(
き
)
た、
是
(
これ
)
で
誰
(
たれ
)
が取ると
云
(
い
)
ふのがチヤンと
解
(
わか
)
るね。
(洋)金の勘定を仕ずに来た
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
今年
(
ことし
)
みたいに、
紅白
(
こうはく
)
の
花
(
はな
)
がたんと
咲
(
さ
)
いた
歳
(
とし
)
は
無
(
な
)
い。
野
(
の
)
は
一面
(
いちめん
)
に
眼
(
め
)
が
覚
(
さ
)
めるやうな
色
(
いろ
)
だ。どこへ
行
(
い
)
つても
垣根
(
かきね
)
の
上
(
うへ
)
に
主
(
しゆ
)
の
御血潮
(
おんちしほ
)
は
煌々
(
ぴかぴか
)
してゐる。
浮浪学生の話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
自
(
みづか
)
ら
其斷
(
そのだん
)
を
勇
(
ゆう
)
とせば、
則
(
すなは
)
ち
(八七)
其敵
(
そのてき
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
を
怒
(
いか
)
らす
無
(
な
)
かれ。
自
(
みづか
)
ら
其力
(
そのちから
)
を
多
(
た
)
とせば、
則
(
すなは
)
ち
(八八)
其難
(
そのなん
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
を
(八九)
概
(
がい
)
する
無
(
な
)
かれ。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
神の愛は平等である。
然
(
しか
)
るにこれを自己にのみ厚しとするは、これ神を
詐
(
いつわ
)
り、神を
穢
(
けが
)
し、神を
無
(
な
)
みすものに非ずして何ぞや。
永久平和の先決問題
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
下谷
(
したや
)
の
外祖父
(
がいそふ
)
毅堂
(
きどう
)
先生の詩に小病無
ク
レ
名怯
ル
二
暮寒
ヲ
一
〔
小病
(
しょうびょう
)
に
名
(
な
)
無
(
な
)
く
暮寒
(
ぼかん
)
を
怯
(
おそ
)
る〕といはれしもかくの如き心地にや。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
重ねし支那人にて施寧には似ぬ好男子なれば妾は何時しかに施寧の目を掠めて又も金起と
割無
(
わりな
)
き仲と
無
(
な
)
れり去れど施寧は其事を知らず益々妾を
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
其
(
それ
)
等のユウゴオの「夢の
華
(
はな
)
」が
毫
(
がう
)
も不自然で
無
(
な
)
い
許
(
ばかり
)
か、空想の天地に自適して
如何
(
いか
)
にも楽し
相
(
さう
)
である偉人の心境が流露して居る様に思はれた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
垂しより
已來
(
このかた
)
本尊
(
ほんそん
)
現化
(
げんげ
)
の秋の月は
照
(
てら
)
さずと云所も無く
眷屬
(
けんぞく
)
結縁
(
けちえん
)
の春の
花
(
はな
)
薫
(
かをら
)
ずと云ふ袖も
無
(
な
)
し
方便
(
はうべん
)
の
門
(
かど
)
には罪有る者を
罰
(
ばつ
)
し
難
(
がた
)
く
抑々
(
そも/\
)
義長の
品行
(
おこなひ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
心に神を
無
(
な
)
みし神を誹り、また自然と神の
恩惠
(
めぐみ
)
をかろんずるは、これ人神にむかひてその力を用ふるものなり 四六—四八
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
あツと驚いて再び蓋をすると、
其中
(
そのなか
)
で
物馴
(
ものな
)
れた一人が「えてものだ、鉄砲を撃て。」と云ふ。一同
直
(
すぐ
)
に鉄砲を
把
(
と
)
つて、
何処
(
どこ
)
を
的
(
あて
)
とも
無
(
な
)
しに二三
発
(
ぱつ
)
。
雨夜の怪談
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
彼
(
か
)
のお鯉御前は、大臣のお目に留り、
氏
(
うじ
)
無
(
な
)
くして玉の馬車に乗り、此の公園の鯉は、罪無くして弥次馬の
錆鈎
(
さびはり
)
に懸り、貧民窟のチャブ台を賑はす。
東京市騒擾中の釣
(新字旧仮名)
/
石井研堂
(著)
そのやうに聞きわけ
無
(
な
)
うては、もはや
何処
(
いづく
)
へも連れてゆかぬぞや。あれ、入日にも間近いさうな。急いで参りませう。
南蛮寺門前
(新字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
空吹く風も
地
(
つち
)
打つ雨も
人間
(
ひと
)
ほど我には
情
(
つれ
)
無
(
な
)
からねば、塔
破壊
(
こは
)
されても倒されても悦びこそせめ恨はせじ、板一枚の吹きめくられ釘一本の抜かるゝとも
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
家を焼かれ、
無
(
な
)
けなしの財を失い、やっと疎開の山野から戻ってきた彼らには、これをたれに訴えるところもなく。
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はゝあ。
寒山
(
かんざん
)
も
來
(
き
)
てをられますか。それは
願
(
ねが
)
つても
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
です。どうぞ
御苦勞
(
ごくらう
)
序
(
ついで
)
に
厨
(
くりや
)
に
御案内
(
ごあんない
)
を
願
(
ねが
)
ひませう。」
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
覆面の眼の部には小き孔ありて
此所
(
ここ
)
より外を見たりとすれば、
光線
(
くわうせん
)
の反射が甚く眼を
害
(
がい
)
する事は
無
(
な
)
かりしならん。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
『平民の娘』お
房
(
ふさ
)
は、
單
(
たん
)
にモデルとして彼の
眼
(
め
)
に
映
(
うつ
)
ツてゐるのでは
無
(
な
)
い。お房は彼の眼よりも
心
(
こゝろ
)
に
能
(
よ
)
く映ツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
これは、
獨
(
ひと
)
り
讀書
(
どくしよ
)
の
上
(
うへ
)
ばかりではない。
何
(
な
)
んでも、
自己
(
じこ
)
に
腰
(
こし
)
を
据
(
す
)
ゑて
掛
(
かゝ
)
らなければ、
男
(
をとこ
)
でも
女
(
をんな
)
でも、一
生
(
しやう
)
、
精神上
(
せいしんじやう
)
の
奴隷
(
どれい
)
となつて
死
(
し
)
んで
行
(
ゆ
)
く
他
(
ほか
)
は
無
(
な
)
いのだ。
読書の態度
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
公債
(
こうさい
)
が
無
(
な
)
くなつたばかりでなく
多少
(
たせう
)
の
借金
(
しやくきん
)
があり、
家屋
(
かをく
)
と
地所
(
ぢしよ
)
とは
全部
(
ぜんぶ
)
で
金
(
きん
)
七十
圓
(
ゑん
)
に
賣却
(
ばいきやく
)
したのであつた。
桜と狆と愛国心:コスモポリタンの心理
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
三つ指が
縁
(
へり
)
無
(
な
)
し畳の上を滑って、小笠原流にピタリと極るのを、銭形平次さすがに持てあまし気味でした。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
それは
実際
(
じっさい
)
ずいぶん
丈
(
たけ
)
が
高
(
たか
)
くて、その
一番
(
いちばん
)
高
(
たか
)
いのなどは、
下
(
した
)
に
子供
(
こども
)
がそっくり
隠
(
かく
)
れる
事
(
こと
)
が
出来
(
でき
)
るくらいでした。
人気
(
ひとけ
)
がまるで
無
(
な
)
くて、
全
(
まった
)
く
深
(
ふか
)
い
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
みたいです。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
“無”の解説
無(む、无)とは、ないこと、存在しないこと。事物あるいは対象となる事柄が有を成さないといった様態及び概念。物体が物質的構成を成さないこと。一切の否定を一般化した表現。対義語は有。「定義されていない(未定義)」事とは意味合いが異なる場合がある。
(出典:Wikipedia)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“無”を含む語句
無情
無頼漢
無言
無上
無礼
情無
有無
無事
無益
南無阿弥陀仏
無邪気
無花果
無性
傍若無人
無明
無禮
無頓着
無聊
無精
無手
...