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無
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の
ふりがな文庫
“
無
(
の
)” の例文
「首が
無
(
の
)
うても、当節の役人は、袖の下で、何とでも成る。殺しておけば、津軽も、命には代えられんと思うから、檜山を返すであろう」
三人の相馬大作
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
事
無
(
の
)
うお勤めを致しましたのも、
偏
(
ひとえ
)
に旦那さまのお蔭さまと蔭ながら
申暮
(
もうしくら
)
して居りました、当年もまた相変らずお願い申します
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そのころは、もっと、玉井組も大きゅうなっとるに違わんし、時代も変って、こんな野蛮な若松でも、
無
(
の
)
うなっとるじゃろう。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
一握りの
稗
(
ひえ
)
だに
無
(
の
)
うて、ただの湯に味噌を落して飢えをしのぎ、寒夜をわなわな抱きおうて、
母子
(
おやこ
)
して過ごしたこともある。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
又
下
(
しも
)
の者を頼みきって疑わぬところ、アア、人の
主
(
しゅ
)
たるものは
然様
(
そう
)
無
(
の
)
うては叶わぬ、主に取りたいほどの器量よし。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
その雛壇を、この鉄砲で、叩き割りながらやって来たところが、この家が見えだすと、雛壇が
無
(
の
)
うなった、それにしても、今日はみょうなことだらけじゃ
怪人の眼
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
家内の
婢僕
(
おんなおとこ
)
には日ながの慰みにせられ、恋しき人の顔を見ることも
無
(
の
)
うして、生まれ
出
(
い
)
でてより
例
(
ためし
)
なき克己と辛抱をもって当てもなきものを待ちけるなり。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
花の方は、別だん受けついだというほどでもないが、「遠州流はどうもちっと拵えすぎたようで厭じゃ。俺の流儀の池の坊の方がわざとらしゅう
無
(
の
)
うてええ」
私の父
(新字新仮名)
/
堺利彦
(著)
學校へやつたわしの子供等は、みな揃つてやくざだし、土地も
無
(
の
)
うなつて行く。だがそれが何ぢやい。
生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
「また三段目か、もうええ、もうええ、今更そんなことを云うてもあかんこっちゃ。木偶に魂があっても
無
(
の
)
うてもかまわん。〽魂かえす
反魂香
(
はんごんこう
)
、名画の力もあるならば……」
半七捕物帳:38 人形使い
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
春前
(
しゅんぜん
)
に雨あつて花の開くる事早し。
秋後
(
しゅうご
)
に雲
無
(
の
)
うして落葉遅し。山外に山あつて山尽きず。路中に道多うして道極まりなし「山青く山白くして雲来去す。」人楽しみ人
愁
(
うれ
)
ふ。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
まるで
洗濯石鹸
(
あらいしゃぼん
)
を揉むようで……その水を汲み換え汲み換え泡の影が
無
(
の
)
うなるまで揉みました奴の三杯酢を
肴
(
さかな
)
にして一杯飲もうモノナラその
美味
(
うま
)
さというものは天上界だすなあ。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「うむ、のみ込みの早いお人で、わたしたちも大助りだ。人間はそう
無
(
の
)
うてはならぬ」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
アイが吹かぬか荷が
無
(
の
)
うて
来
(
こ
)
ぬか
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
そら、今夜、「飛鳥」は
大事
(
おおごと
)
たい。ばって、そげん、敵味方の親分衆が集まって、なんごとも
無
(
の
)
う、すむじゃろか?」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
『まことに年
老
(
と
)
ったせいか、意気地が
無
(
の
)
うなったと申しながら、中座いたし、そこの部屋にやすんで居りまする』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今日
(
こんにち
)
お目通りを願いたい心得で
罷
(
まか
)
り出ましたが、御不在であるかお逢いはあるまいかと実は心配致して参りましたが、お逢い下すって誠に此の上も
無
(
の
)
う
大悦
(
たいえつ
)
に存じます
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もし、わしが、三十年、五十年、平穏無事に暮せるなら、お前にも、秘法を譲ろうと思うたが、時が
無
(
の
)
うなった。学んで得られる道でもなく、言って伝えられるものでもない。
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
芸者を連れて
松囃子
(
ドンタク
)
に出る事ぐらいにしといて下さい。もっともこれは私共の若い
時代
(
じぶん
)
の事で、今は若い者が学校に行きますお蔭で皆、
賢明
(
りこう
)
になりました
故
(
けに
)
、そげな馬鹿はアトカタも
無
(
の
)
うなりました。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
それでも、他人には「勝則が、玉井組が
無
(
の
)
うなって、お
父
(
と
)
さんも死んでしもうでから、日本中に宣伝しよる」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
上「ヘエ、これが
無
(
の
)
うなってはならんと大層心配して居りました、ヘエ有難うござります」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
(巾着切で、片腕が
無
(
の
)
うて、さて、堅気になったところで、これという商売の当もないし)
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「人前も
無
(
の
)
う、九条殿の法師聟と、その嫁御寮とが、一つの輦で通ってゆくぞ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
『
指環
(
いびがね
)
の
無
(
の
)
うなったあ。ウワア——』
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
庄「何時も変りも
無
(
の
)
うて目出とうありますと」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「星主には、おつつが
無
(
の
)
うて」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“無”の解説
無(む、无)とは、ないこと、存在しないこと。事物あるいは対象となる事柄が有を成さないといった様態及び概念。物体が物質的構成を成さないこと。一切の否定を一般化した表現。対義語は有。「定義されていない(未定義)」事とは意味合いが異なる場合がある。
(出典:Wikipedia)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“無”を含む語句
無情
無頼漢
無言
無上
無礼
情無
有無
無事
無益
南無阿弥陀仏
無邪気
無花果
無性
傍若無人
無明
無禮
無頓着
無聊
無精
無手
...