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不可
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いけな
ふりがな文庫
“
不可
(
いけな
)” の例文
不気味に
凄
(
すご
)
い、魔の小路だというのに、
婦
(
おんな
)
が一人で、湯帰りの
捷径
(
ちかみち
)
を
怪
(
あやし
)
んでは
不可
(
いけな
)
い。……実はこの小母さんだから通ったのである。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其麽
(
そんな
)
風ぢや
不可
(
いけな
)
い、兄弟一緒に寄越すさ。遲く入學さして置いて、卒業もしないうちから、子守をさせるの何のつて下げて了ふ。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「そうかい、そう思っていれば間違はない。他人のなかに揉まれて、
些
(
ちっ
)
とは直ったかと思っていれば、段々
不可
(
いけな
)
くなるばかりだ」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
『
然
(
さ
)
うねえ、も
少
(
すこ
)
し
大
(
おほ
)
きくなりたいの、
知
(
し
)
らず
識
(
し
)
らずの
中
(
うち
)
に』と
云
(
い
)
つて
愛
(
あい
)
ちやんは、『三
寸
(
ずん
)
ばかりぢや
見窄
(
みすぼ
)
らしくッて
不可
(
いけな
)
いわ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「菊ちゃん、お出し」と言って、お種は
妹娘
(
いもうと
)
の分だけ湯に溶かして、「どれ、
着物
(
おべべ
)
がババく成ると
不可
(
いけな
)
いから、伯母さんが養って
進
(
あ
)
げる」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
そして、その混乱の理由は、「その日ではない」筈のことが、「その日である」ことに変った意外さに、混乱したと見ては
不可
(
いけな
)
いであろうか。
明治開化 安吾捕物:10 その九 覆面屋敷
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
「用心しないと
不可
(
いけな
)
い。
何処
(
どこ
)
からか石を投げる奴があるぞ。」と、巡査は注意した。権次は首を
縮
(
すく
)
めて岩のかげに隠れた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
左
(
さ
)
うさなあ。実際
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の事は、
何
(
なに
)
が
何
(
ど
)
うなるんだか
分
(
わか
)
らないからな。——
梅
(
うめ
)
、
今日
(
けふ
)
は
直木
(
なほき
)
に云ひ
付
(
つ
)
けて、ヘクターを少し運動させなくつちや
不可
(
いけな
)
いよ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
只、
假初
(
かりそめ
)
の風邪だと思つてなほざりにしたのが
不可
(
いけな
)
かつた。たうとう三十九度餘りも熱を出し、
圭一郎
(
けいいちらう
)
は、勤め先である
濱町
(
はまちやう
)
の酒新聞社を休まねばならなかつた。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「君まで病人になっては
不可
(
いけな
)
いぞ。心を丈夫にもって、早く健康になって働くのだ、ね……」
友人一家の死
(新字新仮名)
/
松崎天民
(著)
「用心なさいよ、それは
不可
(
いけな
)
い」
竹の木戸
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「もう
不可
(
いけな
)
い。手が廻った」
赤格子九郎右衛門の娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
……お前は女だから神経を起すと
不可
(
いけな
)
い、私は工面の悪い
藪
(
やぶ
)
のかわりにゃ、大地震の前兆だって細露地を抜けるのは気にならないから。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其麽
(
そんな
)
風
(
ふう
)
ぢや
不可
(
いけな
)
い、兄弟一緒に寄越すさ。遅く入学さして置いて、卒業もしないうちから、子守をさせるの何のつて下げて了ふ。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「綾さん、どっか悪いのかい。こんな畳の上に寝転んでいて、風でも引いちゃ
不可
(
いけな
)
いじゃないか。そうしていないで、
診
(
み
)
て
貰
(
もら
)
ってはどうだね」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「でも、あの人はまた私が
不可
(
いけな
)
いんだと言うんですの。だから私もそうとばかり思っていたんですけれど……
真実
(
ほんと
)
に
気毒
(
きのどく
)
だと思っていたんです」
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「ねえ、あなた。ほんたうに降つて来ると困りますね。あなたどうしても今日お帰りにならなければ
不可
(
いけな
)
いんでせう。」
停車場の少女:――「近代異妖編」
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかし
悲
(
かな
)
しいことには、
小
(
ちひ
)
さな
戸
(
と
)
は
又
(
また
)
閉
(
しま
)
つてゐて、
小
(
ちひ
)
さな
黄金
(
こがね
)
の
鍵
(
かぎ
)
が
以前
(
もと
)
のやうに
硝子
(
ガラス
)
洋卓
(
テーブル
)
の
上
(
うへ
)
に
載
(
の
)
つてゐました、『
前
(
まへ
)
より
餘程
(
よつぽど
)
不可
(
いけな
)
いわ』と
此
(
この
)
憐
(
あは
)
れな
愛
(
あい
)
ちやんが
思
(
おも
)
ひました
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
咲子嫂さまは相變らず一萬圓くれとか、でなかつたら裁判沙汰にするとか息卷いて、
質
(
たち
)
の惡い
仲人
(
なかうど
)
とぐるになつてお父さまをくるしめてゐます。何んといつてもお兄さまが
不可
(
いけな
)
いのです。
業苦
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
少し運動させなくっちゃ
不可
(
いけな
)
いよ。ああ
大食
(
おおぐい
)
をして寐てばかりいちゃ毒だ
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「甲府への従軍は
不可
(
いけな
)
い」
甲州鎮撫隊
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
茶店の
縁
(
えん
)
に腰を掛けて、渋茶を飲みながら評議をした。……春日野の
新道
(
しんみち
)
一条
(
ひとすじ
)
、
勿論
(
もちろん
)
不可
(
いけな
)
い。
湯
(
ゆ
)
の
尾
(
お
)
峠にかかる山越え、それも
覚束
(
おぼつか
)
ない。
栃の実
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『
可
(
い
)
いか。お前も学校に入ると、不断先生の断りなしに入つては
不可
(
いけな
)
いといふ処へ入れば、今の人の様に叱られるんだぞ。』
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「それだから気を
注
(
つ
)
けなければ
不可
(
いけな
)
い。世間では針ほどの事を棒のように吹聴するのだから……。
併
(
しか
)
し
真実
(
ほんとう
)
にお前は
彼
(
あ
)
のお葉とか云う女に関係はあるまいな。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『オイ/\、
素通
(
すどほり
)
は
不可
(
いけな
)
いよ。』とお大は一段聲を張あげて
憤
(
じ
)
れつたさうに
絶望
(旧字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
「座敷を別に、ここに忍んで、その浮気を見張るんだけれど、廊下などで不意に見附かっては
不可
(
いけな
)
いから、
容子
(
ようす
)
を変えるんだ。」
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
『可いか。お前も學校に入ると、不斷先生の斷りなしに入つては
不可
(
いけな
)
といふ處へ入れば、今の人の樣に叱られるんだぞ。』
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「それが
不可
(
いけな
)
いから謝るんだよ。
妾
(
あたし
)
は
何
(
ど
)
うしてもお前さんのお嫁にゃアなれないんだから……。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「うゝん、誰だか知らない。手桶の中に
充満
(
いっぱい
)
になつて、のたくつてるから、それだから、
遁
(
に
)
げると
不可
(
いけな
)
いから
蓋
(
ふた
)
をしたんだ。」
夜釣
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
『だから
不可
(
いけな
)
い。』と昌作は錆びた声に力を入れて、『体の大小によつて人を軽重するといふ法はない。
真箇
(
ほんと
)
に俺は憤慨する。
家
(
うち
)
の奴等も
皆
(
みんな
)
然うだ。』
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「うゝん、
誰
(
だれ
)
だか
知
(
し
)
らない。
手桶
(
てをけ
)
の
中
(
なか
)
に
充滿
(
いつぱい
)
になつて、のたくつてるから、それだから、
遁
(
に
)
げると
不可
(
いけな
)
いから
蓋
(
ふた
)
をしたんだ。」
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分の藝術から言へば出來るだけそれを排斥しなきや
不可
(
いけな
)
い。然しそれが出來ない! 抽象的に言ふと、僕の苦痛が其努力の苦痛なんです、そして結局の所——
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
怠けちゃあ
不可
(
いけな
)
いと
謂
(
い
)
われた日にゃあ、これでちっとは文句のある処だけれど、お精が出ますとおっしゃられてみると、恐入るの門なりだ。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分の芸術から言へば出来るだけそれを排斥しなきや
不可
(
いけな
)
い。然しそれが出来ない! 抽象的に言ふと、僕の苦痛が其努力の苦痛なんです。そして結局の所——
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
が、
誰
(
たれ
)
も
来
(
き
)
ては
不可
(
いけな
)
い、
屹
(
きつ
)
と
来
(
き
)
ては
不可
(
いけな
)
い、いづれ、やがて
其
(
そ
)
の
仕事
(
しごと
)
が
出来
(
でき
)
ると、お
浦
(
うら
)
と
一所
(
いつしよ
)
に、
諸共
(
もろとも
)
にお
目
(
め
)
に
懸
(
かゝ
)
つて
更
(
あらた
)
めて
御挨拶
(
ごあいさつ
)
をする。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
面倒は
入
(
い
)
らん。先生が
立処
(
たちどころ
)
に手を
曳
(
ひ
)
いて、河野へ連れてお出でなすって構いません。早瀬が
不可
(
いけな
)
い、と云えば、断然お断りをするまでです。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「待って下さい、形は似ていますけれどもね、いま玉子を言っては
不可
(
いけな
)
い。ここへ、またお使者が飛んで来て、鶏の因縁になるんですから。」
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「じゃあその伯母さんがお案じだろうから、私が送って行ってあげましょう、ね。鳥居前ッて言うのはどこ?
待伏
(
まちぶせ
)
をしてると
不可
(
いけな
)
いから。」
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(短刀をお抜き、さあ、お殺し、殺しように註文がある。切っちゃ
不可
(
いけな
)
い、十の字を二つ両方へ
艸冠
(
くさかんむり
)
とやらに
曰
(
いわく
)
をかいて。)
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ご病気だった。それだもの、湯ざめをなさると
不可
(
いけな
)
い。
猪口
(
ちょこ
)
でなんぞ、
硝子盃
(
コップ
)
だ、硝子盃。しかし、一口いかがです。」
雪柳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
不可
(
いけな
)
い、不可い、なお目立つ。貴女、失礼ですが、裾を
端折
(
はしょ
)
って、そう、
不可
(
いか
)
んな。
長襦袢
(
ながじゅばん
)
が
突丈
(
ついたけ
)
じゃ、やっぱり清元の
出語
(
でがたり
)
がありそうだ。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
だから
學校
(
がくかう
)
を
怠
(
なま
)
けては
不可
(
いけな
)
い、
從
(
したが
)
つて
教
(
をそ
)
はつた
事
(
こと
)
を
忘
(
わす
)
れては
不可
(
いけな
)
い、
但馬
(
たじま
)
の
圓山川
(
まるやまがは
)
の
灌
(
そゝ
)
ぐのも、
越後
(
ゑちご
)
の
信濃川
(
しなのがは
)
の
灌
(
そゝ
)
ぐのも、
船
(
ふね
)
ではおなじ
海
(
うみ
)
である。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
旨
(
うま
)
く手繰って聞き出したら、天丼でも
御馳走
(
ごちそう
)
になるんだろう。
厭
(
いや
)
だよ、どこの誰に
憚
(
はばか
)
って
秘
(
かく
)
すッということはないけれども、そりゃ
不可
(
いけな
)
いや。」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……くどいと
不可
(
いけな
)
い。道具だてはしないが、
硝子戸
(
がらすど
)
を引きめぐらした、いいかげんハイカラな雑貨店が、細道にかかる
取着
(
とッつき
)
の角にあった。私は靴だ。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わがまゝのやうだけれど、
銀杏返
(
いてふがへし
)
や
圓髷
(
まるまげ
)
は
不可
(
いけな
)
い。「だらしはないぜ、
馬鹿
(
ばか
)
にして
居
(
ゐ
)
る。」が、
憤
(
いきどほ
)
つたのでは
決
(
けつ
)
してない。
一寸
(
ちよつと
)
の
旅
(
たび
)
でも
婦人
(
をんな
)
である。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
話
(
はなし
)
が
騷々
(
さう/″\
)
しい。……
些
(
ち
)
と
靜
(
しづか
)
にしよう。それでなくてさへのぼせて
不可
(
いけな
)
い。あゝ、しかし
陰氣
(
いんき
)
に
成
(
な
)
ると
氣
(
き
)
が
滅入
(
めい
)
る。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
まずいものを
内服
(
のま
)
せて、そしてお菓子を食べては悪いの、林檎を食べては
不可
(
いけな
)
いの、と
種々
(
いろん
)
なことを云うんですもの。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「飛んでもない、いまは落人だ。——ああ、
好
(
い
)
いものがある。
別嬪
(
べっぴん
)
の
従妹
(
いとこ
)
の
骨瓶
(
こつがめ
)
です。かりに小鼓と名づけるか。この
烏胴
(
からすどう
)
で
遣
(
やッ
)
つけよう、
不可
(
いけな
)
いかな。」
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
独
(
ひと
)
りこれを
知
(
し
)
るものは
吾輩
(
わがはい
)
だよ。
而
(
そ
)
して
此
(
これ
)
を
救
(
すく
)
ふものも
又
(
また
)
吾輩
(
わがはい
)
でなければ
不可
(
いけな
)
い。
然
(
しか
)
も
彼
(
かれ
)
を
連
(
つ
)
れ
返
(
かへ
)
る
道
(
みち
)
は、
丁
(
ちやん
)
と
最
(
も
)
う
着
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
るんだ。
唯
(
たゞ
)
少時
(
しばらく
)
の
辛抱
(
しんばう
)
です。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……この土地じゃ、これでないと
不可
(
いけな
)
いんだって、主人が是非と云いますもの、出の衣裳だから仕方がない。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“不可”の意味
《名詞》
不 可(ふか)
いけないこと、よくないこと、可と認めないこと。
試験の成績で、不合格。四段階評価で、優、良、可に次ぐもの。
(出典:Wiktionary)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
“不可”で始まる語句
不可思議
不可能
不可解
不可得
不可侵
不可致
不可抗
不可侵境
不可抗力
不可然