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不可
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いけね
ふりがな文庫
“
不可
(
いけね
)” の例文
小間使が言った千破矢の若君という
御容子
(
ごようす
)
はどこへやら、これならば、
不可
(
いけね
)
えの、居やがるのと、いけぞんざいなことも言いそうな滝太郎。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
していらっしゃるのだ、それだのにお前が早桶の側へ行って、おい/\泣くもんだから
不可
(
いけね
)
えよ
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「どうも
不可
(
いけね
)
え、固くるしいね。
私
(
あっし
)
にゃアどうにも太刀打ち出来ねえ。へいへいどうぞお心安くね。お尋ねにあずかりやした山東庵京伝、正に私でごぜえやす。とこうバラケンにゆきやしょう。アッハハハハどうでげすな?」
戯作者
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
無法なことをいうと
吃逆
(
しゃっくり
)
を出させるぞ。ヘッ、
不可
(
いけね
)
え、ヘッ、いやどうしやがった、ヘッ、何のこッたい、ヘッ驚きましたな。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「生意気なことをいったって、
不可
(
いけね
)
えや、
畏
(
かしこま
)
ってるなあ冬のこッた。ござったのは食物でみねえ、夏向は恐れるぜ。」
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
浮舟さんが
燗部屋
(
かんべや
)
に
下
(
さが
)
っていて、
七日
(
なぬか
)
ばかり腰が立たねえでさ、夏のこッた、湯へ
入
(
へえ
)
っちゃあ
不可
(
いけね
)
えと固く留められていたのを、
悪汗
(
わるあせ
)
が
酷
(
ひど
)
いといって
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……あれ、あんなあの、
握飯
(
にぎりめし
)
を
拵
(
こさ
)
えるような手附をされる、とその手で揉まれるかと思ったばかりで、もう
堪
(
たま
)
らなく擽ったい。どうも、ああ、こりゃ
不可
(
いけね
)
え。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
思
(
おも
)
つたのは
空頼
(
そらだの
)
みで「あゝ、
惡
(
わる
)
いな、あれが
不可
(
いけね
)
え。……
火
(
ひ
)
の
中
(
なか
)
へふすぶつた
煙
(
けむり
)
の
立
(
た
)
つのは
新
(
あたら
)
しく
燃
(
も
)
えついたんで……」と
通
(
とほ
)
りかゝりの
消防夫
(
しごとし
)
が
言
(
い
)
つて
通
(
とほ
)
つた——
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「これから
女形
(
おんながた
)
が
演処
(
しどころ
)
なんだぜ。居所がわりになるんだけれど、今度は亡者じゃねえよ、
活
(
い
)
きてる娘の役だもの。裸では
不可
(
いけね
)
えや、
前垂
(
まえだれ
)
を貸しとくれよ。誰か、」
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ああ、中洲の清元の。なるほどこいつあ大望だ、親の敵より
大事
(
おおごと
)
に違えねえ、しかし飛んだ気になったぜ、愛、お
前
(
めえ
)
ありゃあ
不可
(
いけね
)
えや、まるで組合が違ってらあ。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そりゃ
不可
(
いけね
)
えだ。何でも、は、お
前様
(
めえさま
)
に気を着けて、
蚤
(
のみ
)
にもささせるなという、おっしゃりつけだアもの。眼を潰すなんてあてごともない。飛んだことをいわっしゃる。
琵琶伝
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ええ、驚かしちゃあ
不可
(
いけね
)
え、
張店
(
はりみせ
)
の
遊女
(
おいらん
)
に時刻を聞くのと、十五日
過
(
すぎ
)
に日をいうなあ、大の禁物だ。年代記にも野暮の骨頂としてございますな。しかも今年は
閏
(
うるう
)
がねえ。」
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
手前その病気だけは治さないと
不可
(
いけね
)
えぜと、
私
(
わっし
)
あこれでも
偶
(
たま
)
にゃあ親身になっていうんです、すると何と、殺されても恨まないから
五合
(
ごんつく
)
買っとくんなさい、とこうでしょう
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おい、
其
(
それ
)
だつても
無銭
(
たゞ
)
ぢやあ
不可
(
いけね
)
えよ
憚
(
はゞか
)
りながら
神方万金丹
(
しんぱうまんきんたん
)
、一
貼
(
てふ
)
三
百
(
びやく
)
だ、
欲
(
ほ
)
しくば
買
(
か
)
ひな、
未
(
ま
)
だ
坊主
(
ばうず
)
に
報捨
(
はうしや
)
をするやうな
罪
(
つみ
)
は
造
(
つく
)
らねえ、
其
(
それ
)
とも
何
(
ど
)
うだお
前
(
まへ
)
いふことを
肯
(
き
)
くか
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
御容子
(
ごようす
)
にも御身分にもお似合い遊ばさない、ぞんざいな
言
(
こと
)
ばっかし。
不可
(
いけね
)
えだの、居やがるだのッて、そんな
言
(
こと
)
は御邸の車夫だって、部屋へ下って下の者同士でなければ申しません。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
傍
(
そば
)
へ来られてはなんねえだ、と
艪
(
ろ
)
づかを刻んで、急いでしゃくると、はあ、
不可
(
いけね
)
え。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
波が
平
(
たいら
)
だで、なおと
不可
(
いけね
)
え。火の
奴
(
やつ
)
め、苦なしでふわふわとのしおった、その時は、おらが漕いでいる艪の方へさ、ぶくぶくと泳いで来たが、急にぼやっと拡がった、狸の
睾丸
(
きんたま
)
八畳敷
(
はちじょうじき
)
よ。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「むむ、じゃ話すだがね、おらが
饒舌
(
しゃべ
)
ったって、
皆
(
みんな
)
にいっちゃ
不可
(
いけね
)
えだぜ。」
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
学海施一雪紅楼夢——や
不可
(
いけね
)
え。あの
髯
(
ひげ
)
が白い
頸脚
(
えりあし
)
へ触るようだ。女教員渚の方は閑話休題として、
前刻
(
さっき
)
入って行った氷月の小座敷に
天狗
(
てんぐ
)
の面でも
掛
(
かか
)
っていやしないか、悪く
捻
(
ひね
)
って
払子
(
ほっす
)
なぞが。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(こいつあ
口伝
(
くでん
)
だ、見ちゃ
不可
(
いけね
)
え、目を
瞑
(
つぶ
)
っていておくんなさい。)
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
何
(
なに
)
が、
不可
(
いけね
)
え。
何
(
なん
)
だ
内職
(
ないしよく
)
の
葉
(
は
)
ツ
葉
(
ぱ
)
ぐれえ。」
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「お医者は直ぐに呼んで来たがね、もう
不可
(
いけね
)
えッて、今しがた帰ったんで。
私
(
わっし
)
あ、ぼうとして坐っていましたが、何でもこりゃ先生に来て貰わなくちゃ、仕様がないと、今やっと気が附いて飛んで行こうと思った処で。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
不可
(
いけね
)
えぜ。」と
仮色
(
こわいろ
)
のように云った。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
(
不可
(
いけね
)
え不可え、薄目を開けてら。)
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「素直に
肯
(
き
)
かねえじゃ
不可
(
いけね
)
えぞ。」
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
不可
(
いけね
)
えてんだ、お前さん。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
不可
(
いけね
)
え。」
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“不可”の意味
《名詞》
不 可(ふか)
いけないこと、よくないこと、可と認めないこと。
試験の成績で、不合格。四段階評価で、優、良、可に次ぐもの。
(出典:Wiktionary)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
可
常用漢字
小5
部首:⼝
5画
“不可”で始まる語句
不可思議
不可能
不可解
不可得
不可侵
不可致
不可抗
不可侵境
不可抗力
不可然