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不揃
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ふぞろ
ふりがな文庫
“
不揃
(
ふぞろ
)” の例文
これが東京などの大都会に、大火の多かった原因の一つで、そうしてまた屋根の三角が、いよいよ
不揃
(
ふぞろ
)
いなものになる
種
(
たね
)
でもあった。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
近くの教会堂では、十七世紀の古い鐘が、
不揃
(
ふぞろ
)
いな恐ろしく調子はずれな声で、十五分ごとに、単調な賛美歌の断片を歌っていた。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
不揃
(
ふぞろ
)
いな絵の道具、いじけたような安物の木机、角の欠けた
茶箪笥
(
ちゃだんす
)
、
火桶
(
ひおけ
)
、炭取り——家具といえるのはそれで全部だ。
おれの女房
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
私が沈む少し前には、
不揃
(
ふぞろ
)
いな大きな字だったが、それでもちアんと読める字を書いているのに私は
吃驚
(
びっくり
)
した。
党生活者
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
と
藪
(
やぶ
)
から棒を突き出したように
尻
(
しり
)
もったてて声の調子も
不揃
(
ふぞろ
)
いに、辛くも胸にあることを額やら
腋
(
わき
)
の下の汗とともに絞り出せば、上人おもわず笑いを催され
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
皆
(
みんな
)
おつかげばかし
喰
(
く
)
つ
附
(
つ
)
いてたの
引
(
ひ
)
つ
放
(
ぱな
)
して
來
(
く
)
んだから
足
(
あし
)
が
不揃
(
ふぞろ
)
ひだなどうしても、それに
坂
(
さか
)
が
急
(
きふ
)
だつちと
倒旋毛
(
さかさつむじ
)
おつ
立
(
た
)
てる
樣
(
やう
)
だから
畜生
(
ちきしやう
)
なんぼにも
足
(
あし
)
が
出
(
で
)
ねえな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
フォークやナイフが
不揃
(
ふぞろ
)
いであったり足りなかったりして、時々カタリナは手づかみで物を食べていたが、そんなところを
偶〻
(
たまたま
)
客に見付けられると
真
(
ま
)
っ
赧
(
か
)
な顔をするので
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
終日、
肥汲
(
こえくみ
)
車や荷馬車のゴトゴトとひびいている退屈な町、
馬糞
(
ばふん
)
に汚れた一本筋の町を、一日に二三度は往復した。町並はひどく
不揃
(
ふぞろ
)
いで、ここでも不景気が
剥
(
む
)
き出しにあらわれていた。
冬枯れ
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
それにこれ下着が
羊羹色
(
ようかんいろ
)
の黒竜門、ゆきたけの
不揃
(
ふぞろ
)
いなところが自慢でげして、下がこうごうぎと長くて、上へ参るにつれてだんだんに短く、上着は五寸も詰った、もえるのツンツルテン
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
青く
凝
(
こご
)
って
澄
(
す
)
んだ東北特有の初夏の空の下に町家は
黝
(
くろず
)
んで、
不揃
(
ふぞろ
)
いに
並
(
なら
)
んでいた。
廂
(
ひさし
)
を長く
突出
(
つきだ
)
した低いがっしりした二階家では窓から
座敷
(
ざしき
)
に積まれているらしい
繭
(
まゆ
)
の山の
尖
(
さき
)
が白く
覗
(
のぞ
)
かれた。
みちのく
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
大急ぎでひろげてみると、そこには濃淡
不揃
(
ふぞろ
)
いな乱暴な文字で
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
前後
不揃
(
ふぞろ
)
いのことを申し立てて、予をあざむこうでな。
修禅寺物語
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
そのような大小
不揃
(
ふぞろ
)
いの物があるわけはないから、すなわちこれも
又聞
(
またぎ
)
きの場合の
掛値
(
かけね
)
であったことを、想像しえられるのである。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
沖の弁天から南の海べりまで続くひとすじの道があって、ひどく
歪
(
ゆが
)
んだ松の並木が
不揃
(
ふぞろ
)
いにずっと断続している。
お繁
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ほっそりとした
不揃
(
ふぞろ
)
いな顔立をし、灰色がかった金髪をもち、背が高く、優美で、取り澄さない自然の首つきをしていたが——親切そうな
揶揄
(
やゆ
)
的な眼で彼を見守っていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
伸びる
勢
(
いきおい
)
の
不揃
(
ふぞろ
)
ひなところが自由で、
稚
(
おさな
)
く、愛らしかつた。
蔦の門
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
二十歳から二十五歳くらいの間の青年で、小柄で、やや前かがみになり、虚弱そうで、
無髯
(
むぜん
)
の悩ましげな顔、
栗
(
くり
)
色の髪、
不揃
(
ふぞろ
)
いな繊細な顔だち、一種の不均衡さをもっていた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
揃
漢検準1級
部首:⼿
12画
“不”で始まる語句
不可
不思議
不憫
不図
不味
不審
不埒
不幸
不愍
不相変