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ぞろ
ふりがな文庫
“
揃
(
ぞろ
)” の例文
晩年大河内子爵のお
伴
(
とも
)
をして俗に
柘植黙
(
つげもく
)
で通ってる
千家
(
せんけ
)
の茶人と、同気相求める三人の変物
揃
(
ぞろ
)
いで東海道を
膝栗毛
(
ひざくりげ
)
の気散じな旅をした。
淡島椿岳:――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
宿屋のどてらを着込んだ矢萩の横に、これは三つ
揃
(
ぞろ
)
いで、子分然として控えているその男のほうが、俺には旧知の顔として迫った。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
正金銀行支店の諸君から日本料理の
生稲
(
いくいね
)
へ招かれて一
夜
(
や
)
を語り
更
(
ふか
)
した。小島
烏水
(
うすゐ
)
永井荷風二君の旧知
揃
(
ぞろ
)
ひで二君の噂が
頻
(
しきり
)
に出た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
そうして同氏がさらに附け加えていうには、何んでも今度の出品は、日本の美術を代表するような傑作
揃
(
ぞろ
)
いを出品したい。
幕末維新懐古談:56 鶏の製作を引き受けたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
この世の中の画家が
悉
(
ことごと
)
く一様に仲よしであり、お互に賞讃し合い遠慮し合い
意気地
(
いくじ
)
のない好人物
揃
(
ぞろ
)
いであったとしたらしかも安全と温雅を標語としたら
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
▼ もっと見る
黒いラシャの
古風
(
こふう
)
な三つ
揃
(
ぞろ
)
いの背広をきちんと身につけているのに対し、あとからあらわれた針目博士の方は、よごれたカーキー色の労働服をつけていた。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『度し難いたわけ
揃
(
ぞろ
)
いじゃ。——その馬鹿にもふたいろある。馬鹿に見える馬鹿と、馬鹿に見えない馬鹿と』
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今度の戦争が始ってみやがれ。ボリ放題にボッてやるから。ギャバジンの
三
(
み
)
ツ
揃
(
ぞろ
)
いぐらいじゃア、めったなことで米の一升も売ってやらねえから覚えてやがれ。
武者ぶるい論
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
よくもまあ永い間、若い才物者
揃
(
ぞろ
)
いの独身者の間に交って、惨めなばかを
晒
(
さら
)
していられたものだ……
贋物
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
石川県へ往って三年ばかり
経
(
た
)
って大阪へまいった所、
知
(
しっ
)
ての通り芸子舞子の美人
揃
(
ぞろ
)
いだからたまらない、君から貰った三百円もちゃ/\ふうちゃさ、
止
(
や
)
むを得ず
立帰
(
たちかえ
)
った所が
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こんな化物
揃
(
ぞろ
)
いの
噺
(
はな
)
しは日本にもあって、一休和尚讃州旅行の節、松林中に古寺あって僧三日と住せず、化物出ると聞き、自ら望んで往き宿る。夜五
更
(
こう
)
になれば
変化
(
へんげ
)
出て踊り狂う。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一人は秋田の人で、
文久
(
ぶんきゅう
)
二年
大槻磐渓
(
おおつきばんけい
)
先生の重刻になる『雪華図説』が送られて来た。もう一人は九州の人で『北越雪譜』の七冊
揃
(
ぞろ
)
いの大変保存のよい本が幸運にも手に入ったわけである。
語呂の論理
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「こちらは何と言っても玉
揃
(
ぞろ
)
いで、皆さんお
綺麗
(
きれい
)
でいらっしゃいますよ。」
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
二頭とも馬車馬としては
何
(
なに
)
の訓練もない素人の、
加之
(
おまけ
)
に気むづかしや
揃
(
ぞろ
)
ひと来てゐるので、
物
(
もの
)
の二
町
(
ちやう
)
も走つて、町の四つ角に来たと思ふと、一頭は右へ、一頭は左へ折れようとして喧嘩を始めた。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
紳士の
随伴
(
つれ
)
と見える
両人
(
ふたり
)
の婦人は、一人は今様おはつとか
称
(
とな
)
える
突兀
(
とっこつ
)
たる大丸髷、今一人は
落雪
(
ぼっとり
)
とした妙齢の束髪頭、
孰
(
いず
)
れも
水際
(
みずぎわ
)
の立つ玉
揃
(
ぞろ
)
い、
面相
(
かおつき
)
といい
風姿
(
ふうつき
)
といい、どうも
姉妹
(
きょうだい
)
らしく見える。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
女人
藝術
(
げいじゆつ
)
は、
美人
(
びじん
)
揃
(
ぞろ
)
ひである。
長谷川時雨が卅歳若かつたら
(旧字旧仮名)
/
直木三十五
(著)
さりとは困った腰抜け
揃
(
ぞろ
)
いだ
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
日常家庭生活においても二葉亭の家庭は実の親子夫婦の
水不入
(
みずいらず
)
で、シカモ皆好人物
揃
(
ぞろ
)
いであったから面倒臭いイザコザが起るはずはなかったが
二葉亭追録
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
いやにりゅうとした三つ
揃
(
ぞろ
)
いを着こんだ、一見シロシ(紳士)風の、そのくせ言葉使いは下品な男だった。正直に言わないとただじゃおかないぞとすごむのである。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
一方は水の
垂
(
た
)
るような美男、一方は近所でも美人の評ある旧旗本のお嬢さん、まことに似合いの縹緻人
揃
(
ぞろ
)
いのことで、どっちに
嫌
(
いや
)
のあろうはずなく、相談はたちまち整ったのでありました。
幕末維新懐古談:51 大隈綾子刀自の思い出
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
坂府は知っての通り
芸子
(
げいこ
)
舞子
(
まいこ
)
は美人
揃
(
ぞろ
)
い、やさしくって
待遇
(
もてなし
)
が
宜
(
い
)
いから、君から貰った三百円の金はちゃ/\ふうちゃに
遣
(
つか
)
い
果
(
はた
)
して仕方なく、知らん所へ
何時
(
いつ
)
まで居るよりも東京へ帰ったら
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「もととちがってこのごろは、みなさん、三つ
揃
(
ぞろ
)
いを召してらっしゃるのね」
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
揃
漢検準1級
部首:⼿
12画
“揃”を含む語句
不揃
一揃
供揃
勢揃
顔揃
出揃
打揃
生揃
御揃
揃衣
腕揃
迫持揃
手揃
門並揃
御供揃
取揃
咲揃
面揃
馬揃
積揃
...