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じやうず
ふりがな文庫
“
上手
(
じやうず
)” の例文
尤
(
もつと
)
もさういへば
壯
(
さかり
)
の
頃
(
ころ
)
でも
俺
(
お
)
らあ
知
(
し
)
つてからは
仕事
(
しごと
)
は
上手
(
じやうず
)
で
行
(
や
)
ると
出
(
だ
)
しちやみつしら
行
(
や
)
る
樣
(
やう
)
だつけが、
好
(
す
)
きぢやねえ
鹽梅
(
あんべえ
)
だつけのさな
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
騙詐
(
かたり
)
が
世渡
(
よわた
)
り
上手
(
じやうず
)
で
正直
(
しやうぢき
)
が
無気力漢
(
いくぢなし
)
、
無法
(
むはう
)
が
活溌
(
くわつぱつ
)
で
謹直
(
きんちよく
)
が
愚図
(
ぐづ
)
、
泥亀
(
すつぽん
)
は
天
(
てん
)
に
舞
(
ま
)
ひ
鳶
(
とんび
)
は
淵
(
ふち
)
に
躍
(
をど
)
る、さりとは
不思議
(
ふしぎ
)
づくめの
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
ぞかし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
「わけはありませんよ。彫物師も
上手
(
じやうず
)
になると、江戸に何人とありません。どうせ此近くなら、神田の
彫辰
(
ほりたつ
)
か、竹町の彫定か——」
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
なんと、
飴屋
(
あめや
)
さんの
上手
(
じやうず
)
に
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
くこと。
飴屋
(
あめや
)
さんは
棒
(
ぼう
)
の
先
(
さき
)
に
卷
(
ま
)
きつけた
飴
(
あめ
)
を
父
(
とう
)
さんにも
賣
(
う
)
つて
呉
(
く
)
れまして、それから
斯
(
か
)
う
言
(
い
)
ひました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あの、ミトメ印ぐらゐなら私が今すぐにでも刻つてあげてもよろしいんですが……
上手
(
じやうず
)
ではありませんがお間に合ふ程度ならできます」
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
▼ もっと見る
「将棋は、
先
(
せん
)
を争ふものである」と云ふことを悟つて
上手
(
じやうず
)
になつた人がゐるが、先手先手と指すことは常に大切なことである。
将棋
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
村雲
(
むらくも
)
すこし有るもよし、無きもよし。みがき立てたるやうの月のかげに
尺八
(
しやくはち
)
の
音
(
ね
)
の聞えたる、
上手
(
じやうず
)
ならばいとをかしかるべし。
あきあはせ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
男はハツと顏赤らめて、『
勝
(
すぐ
)
れて舞の
上手
(
じやうず
)
なれば』。答ふる言葉聞きも了らで、老女はホヽと意味ありげなる
笑
(
ゑみ
)
を殘して門内に走り入りぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
けれども自分では
大層
(
たいそう
)
上手
(
じやうず
)
なつもりで、
自慢
(
じまん
)
をして
家来
(
けらい
)
に見せますると、
国王
(
こくわう
)
のいふ事だから、
家来
(
けらい
)
が決して
背
(
そむ
)
きませんで
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして、氣難かしい彼の判斷では私は音樂家でもないのだつた。しかし、私は
上手
(
じやうず
)
な演奏ならば聽くのは好きだつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「
曲翠
(
きよくすゐ
)
問
(
とふ
)
、
発句
(
ほつく
)
を取りあつめ、集作ると云へる、此道の
執心
(
しふしん
)
なるべきや。
翁
(
をう
)
曰
(
いはく
)
、これ卑しき心より
我
(
わが
)
上手
(
じやうず
)
なるを知られんと我を忘れたる名聞より
出
(
いづ
)
る事也。」
芭蕉雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『イヤ
其
(
それ
)
は
誰
(
だれ
)
だつて
道具
(
だうぐ
)
に
由
(
よ
)
ります。
如何
(
いく
)
ら
上手
(
じやうず
)
でも
道具
(
だうぐ
)
が
惡
(
わる
)
いと十
尾
(
ぴき
)
釣
(
つ
)
れるところは五
尾
(
ひき
)
も
釣
(
つ
)
れません。』
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼には東京人の
上手
(
じやうず
)
に立ち廻る社交術が
堪
(
たま
)
らなかつた。彼は穀物の
素朴
(
そぼく
)
さを思ひ出した。残りの日数の少ない点からも、彼の試験勉強は
気狂
(
きちがひ
)
じみたものだつた。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
主人
(
しゆじん
)
は
蒙古人
(
もうこじん
)
の
上手
(
じやうず
)
に
馬
(
うま
)
を
扱
(
あつか
)
ふ
事
(
こと
)
や、
蒙古犬
(
もうこいぬ
)
の
瘠
(
や
)
せて
細長
(
ほそなが
)
くて、
西洋
(
せいやう
)
のグレー、ハウンドに
似
(
に
)
てゐる
事
(
こと
)
や、
彼等
(
かれら
)
が
支那人
(
しなじん
)
のために
段々
(
だん/\
)
押
(
お
)
し
狹
(
せば
)
められて
行
(
ゆ
)
く
事
(
こと
)
や
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今晩、東光院さんで
淨瑠璃
(
じやうるり
)
がござりまんがな、
何
(
な
)
んなら聽きにお
出
(
い
)
でやしたら。……其の
間
(
ま
)
にお
床
(
とこ
)
延
(
の
)
べときます。……
素人
(
しろうと
)
はんだすけど、
上手
(
じやうず
)
やちう評判だツせ。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
併し
代々
(
だい/″\
)
学者で
法談
(
はふだん
)
の
上手
(
じやうず
)
な
和上
(
わじやう
)
が来て住職に成り、
年
(
とし
)
に
何度
(
なんど
)
か諸国を巡回して、法談で
蓄
(
た
)
めた
布施
(
ふせ
)
を持帰つては、其れで
生活
(
くらし
)
を立て、
御堂
(
みだう
)
や
庫裡
(
くり
)
の普請をも
為
(
す
)
る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
惡うさへせねや
錢金
(
ぜにかね
)
で苦情は云はんから、こんな貧乏村の醫者にや持つて來いなんだ。治療は
上手
(
じやうず
)
な方ぢやないさうだが、そんなことは大目に見とかにやなるまい。
避病院
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
「そりや頭が重いからさ。ところへ
上手
(
じやうず
)
でもないバイヲリンをギコ/\
彈
(
や
)
られるんだから
耐
(
たま
)
らんね。」
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
流
(
なが
)
し
素人連中
(
しろうとれんぢう
)
にも
上手
(
じやうず
)
の人々は我も/\と
聲
(
こゑ
)
自慢
(
じまん
)
もあれば又
節
(
ふし
)
自慢
(
じまん
)
もあり最も
賑
(
にぎ
)
はふ其が中に今宵城富は
國姓爺合戰
(
こくせんやかつせん
)
鴫
(
しぎ
)
と
蛤
(
はまぐり
)
の
段
(
だん
)
を語りけるに
生得
(
しやうとく
)
美音
(
びおん
)
の事なれば
座中
(
ざちう
)
鳴
(
なり
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此の者世に聞えたる鉄炮の
上手
(
じやうず
)
なりければかねてより桔梗の方の命をふくみ、月形城
謀叛
(
むほん
)
の時わざと主家を浪人いたし
上方
(
かみがた
)
より
馳
(
は
)
せ下りて
横輪豊前
(
よこわぶぜん
)
が手に属したりと覚え候。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と
清元
(
きよもと
)
の一派が他流の
模
(
も
)
すべからざる
曲調
(
きよくてう
)
の
美麗
(
びれい
)
を
托
(
たく
)
した
一節
(
いつせつ
)
である。
長吉
(
ちやうきち
)
は
無論
(
むろん
)
太夫
(
たいふ
)
さんが首と
身体
(
からだ
)
を
伸上
(
のびあが
)
らして
唄
(
うた
)
つたほど
上手
(
じやうず
)
に、
且
(
かつ
)
又
(
また
)
そんな大きな声で
唄
(
うた
)
つたのではない。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
私
(
わたし
)
は
上手
(
じやうず
)
の
名曲
(
めいきよく
)
を
聞
(
き
)
いたと
同
(
おな
)
じに、
十年
(
じふねん
)
、
十五年
(
じふごねん
)
の
今
(
いま
)
も
忘
(
わす
)
れないからである。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
両肩が
強
(
きつ
)
く骨立つて
頸
(
くび
)
が益益長く見える、賤げな左の頬の
黒子
(
ほくろ
)
と鍵の様に曲つた眼尻と、ひつくり返すやうな目付をして人を見る癖と、それから遇ひさへすれば
口説
(
くどき
)
上手
(
じやうず
)
にくどくど云ふ口。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
「無論、あの婆アさんかて」と、時々、加集に關西辯が出るのはお鳥と同じやうで、「
上手
(
じやうず
)
だと云へん。それに、五十づらをさげて、薄化粧をして、若い亭主に燒き餅を燒く奴だから、なア。」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
それでもいいの
鼠
(
ねずみ
)
を
上手
(
じやうず
)
にとれるやうになれば……
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
物語二なき
上手
(
じやうず
)
の話よりものの哀れを思ひ知りにき
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
感心
(
かんしん
)
する
程
(
ほど
)
、
上手
(
じやうず
)
な
技倆
(
てなみ
)
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
キスが
上手
(
じやうず
)
の女なりしが
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
由良の夜の追わけ
上手
(
じやうず
)
。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
勘次
(
かんじ
)
には
主人
(
しゆじん
)
の
家
(
うち
)
が
愉快
(
ゆくわい
)
に
能
(
よ
)
く
働
(
はたら
)
くことが
出來
(
でき
)
た。
彼
(
かれ
)
の
體躯
(
からだ
)
は
寧
(
むし
)
ろ
矮小
(
こつぶ
)
であるが、
其
(
その
)
きりつと
緊
(
しま
)
つた
筋肉
(
きんにく
)
が
段々
(
だん/″\
)
仕事
(
しごと
)
を
上手
(
じやうず
)
にした。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何
(
なん
)
だか
其處
(
そこ
)
が
可笑
(
をか
)
しくこぐらかりまして、
何
(
ど
)
うしても
上手
(
じやうず
)
に
思
(
おも
)
ひとく
事
(
こと
)
が
出來
(
でき
)
ませんかつた、
今
(
いま
)
おもふて
見
(
み
)
ると
成
(
な
)
るほど
隱
(
かく
)
しだても
遊
(
あそ
)
ばしましたらう
この子
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私は彼のいゝ聲を憶えてゐた。彼が歌ふことを
好
(
この
)
んでゐることも知つてゐた——
上手
(
じやうず
)
な歌手が大抵さうであるやうに。私自身は決して聲樂家ではなかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
昔時
(
むかし
)
シヽリーといふ島のダイオインシアスといふ
国王
(
こくわう
)
がございました。
此
(
こ
)
の王が
好
(
この
)
んで詩を作りますが、
俗
(
ぞく
)
にいふ
下手
(
へた
)
の
横好
(
よこず
)
きで、一
向
(
かう
)
上手
(
じやうず
)
でございません。
詩好の王様と棒縛の旅人
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
大法寺の經藏に向つた二人の手先は、何の造作もなく、その中で馬鹿囃子をやつて居る、押上の笛辰と、その弟子で太鼓の
上手
(
じやうず
)
と言はれた、三吉を縛つて來ました。
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
アラビア人は小刀を
上手
(
じやうず
)
に使ひますからね。——しかし、その時、私の心の奥底に静かな誇を抱かせたのは、ジッド先生の口癖のやうに繰り返してゐたあの持論でした。
亜剌比亜人エルアフイ
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
好
(
す
)
きこそ
物
(
もの
)
の
上手
(
じやうず
)
とやらで、
自分
(
じぶん
)
も
他
(
た
)
の
學課
(
がくゝわ
)
の
中
(
うち
)
畫
(
ゑ
)
では
同級生
(
どうきふせい
)
の
中
(
うち
)
自分
(
じぶん
)
に
及
(
およ
)
ぶものがない。
畫
(
ゑ
)
と
數學
(
すうがく
)
となら、
憚
(
はゞか
)
りながら
誰
(
たれ
)
でも
來
(
こ
)
いなんて、
自分
(
じぶん
)
も
大
(
おほい
)
に
得意
(
とくい
)
がつて
居
(
ゐ
)
たのである。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「田舍者よりや東京生まれの人の方が英語の發音が早く
上手
(
じやうず
)
になるんでせう。」
入江のほとり
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
僕等は
無慙
(
むざん
)
にもひろげられた
路
(
みち
)
を向う
両国
(
りやうごく
)
へ引き返しながら、偶然「
泰
(
たい
)
ちやん」の
家
(
うち
)
の前を通りかかつた。「泰ちやん」は
下駄屋
(
げたや
)
の
息子
(
むすこ
)
である。僕は僕の小学時代にも作文は多少
上手
(
じやうず
)
だつた。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
末子
(
すゑこ
)
は
學校
(
がくかう
)
の
先生
(
せんせい
)
から
手工
(
しゆこう
)
を
習
(
なら
)
ひませう、
自分
(
じぶん
)
で
紙
(
かみ
)
の
箱
(
はこ
)
などを
造
(
つく
)
るのは、
上手
(
じやうず
)
に
出來
(
でき
)
ても
出來
(
でき
)
なくても、
樂
(
たのし
)
みなものでせう。
父
(
とう
)
さんが
自分
(
じぶん
)
で
凧
(
たこ
)
を
造
(
つく
)
つたのは、
丁度
(
ちやうど
)
お
前達
(
まへたち
)
の
手工
(
しゆこう
)
の
樂
(
たのし
)
みでしたよ。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
勿々
(
なか/\
)
如才
(
じよさい
)
なき者なり夫の又女房が
縫針
(
ぬひはり
)
の
業
(
わざ
)
は大の
上手
(
じやうず
)
にて某しも
仕立物
(
したてもの
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
最
(
もつと
)
も
上手
(
じやうず
)
が
演
(
えん
)
ずるのを
聞
(
き
)
いたら、
話
(
はなし
)
の
呼吸
(
こきふ
)
と、
声
(
こゑ
)
の
調子
(
てうし
)
で、
客
(
きやく
)
をうまく
引入
(
ひきい
)
れるかも
知
(
し
)
れぬが、こゝでは
随筆
(
ずゐひつ
)
に
文章
(
ぶんしやう
)
で
書
(
か
)
いたのと、
筆記本
(
ひつきぼん
)
に
言語
(
げんご
)
のまゝ
記
(
しる
)
したものとを
比較
(
ひかく
)
して、おなじ
言葉
(
ことば
)
ながら
怪力
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
然
(
しか
)
し
彼
(
かれ
)
は
重量
(
ぢうりやう
)
ある
唐鍬
(
たうぐは
)
を
振
(
ふ
)
り
翳
(
かざ
)
して一
鍬
(
くは
)
毎
(
ごと
)
にぶつりと
土
(
つち
)
をとつては
後
(
うしろ
)
へそつと
投
(
な
)
げつゝ
進
(
すゝ
)
む。
彼
(
かれ
)
は
其
(
その
)
開墾
(
かいこん
)
の
仕事
(
しごと
)
が
上手
(
じやうず
)
で
且
(
か
)
つ
好
(
す
)
きである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
姉樣
(
ねえさま
)
の
御覽
(
ごらん
)
に
入
(
い
)
れよかし、お
前
(
まへ
)
が
褒
(
ほ
)
められなば
我
(
わ
)
れとても
嬉
(
うれ
)
しき
物
(
もの
)
をと
可愛
(
かあゆ
)
く
言
(
い
)
ふに、
思
(
おも
)
ひある
身
(
み
)
一層
(
いつそう
)
たのもしく
樣々
(
さま/″\
)
に
機嫌
(
きげん
)
を
取
(
と
)
りて、
姉樣
(
ねえさま
)
も
定
(
さだ
)
めし
和歌
(
うた
)
はお
上手
(
じやうず
)
ならん
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其様
(
そん
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
はないでさ、
此奥
(
このおく
)
の
幸斎先生
(
かうさいせんせい
)
は
大層
(
たいそう
)
上手
(
じやうず
)
だてえから呼んで
来
(
き
)
て
上
(
あ
)
げませうか。
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
こんな繪が私に描けたら? 私が佛蘭西語や獨逸語を知つてたら? なんて、
愛情娘
(
いいこ
)
になれるでせう——なんて、奇蹟でせう! S町で一番いゝ學校の先生より、
上手
(
じやうず
)
に描けることになるわ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「さう言へば、家の伊三郎もまだ戻つて來ませんよ。夜の明けるまで踊るつもりでせう。あれは笛も吹ける上に、
道化踊
(
だうけをど
)
りが
上手
(
じやうず
)
で、ひよつとこの面を冠つて、メチヤメチヤに踊つてましたから」
銭形平次捕物控:308 秋祭りの夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
畏
(
かしこ
)
まりて
何某
(
なにがし
)
より、
鳥籠
(
とりかご
)
の
高
(
たか
)
さ
七尺
(
しちしやく
)
、
長
(
なが
)
さ
二尺
(
にしやく
)
、
幅
(
はゞ
)
六尺
(
ろくしやく
)
に
造
(
つく
)
りて、
溜塗
(
ためぬり
)
になし、
金具
(
かなぐ
)
を
据
(
す
)
ゑ、
立派
(
りつぱ
)
に
仕上
(
しあ
)
ぐるやう
作事奉行
(
さくじぶぎやう
)
に
申渡
(
まをしわた
)
せば、
奉行
(
ぶぎやう
)
其旨
(
そのむね
)
承
(
うけたまは
)
りて、
早速
(
さつそく
)
城下
(
じやうか
)
より
細工人
(
さいくにん
)
の
上手
(
じやうず
)
なるを
召出
(
めしい
)
だし
十万石
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
するものも長庵の
宅
(
たく
)
の前は
忍
(
しの
)
んで通る樣になりければ
引
(
ひつ
)
かけ
上手
(
じやうず
)
の長庵も百
方
(
ぱう
)
術
(
じゆつ
)
盡
(
つ
)
き
爲
(
なす
)
事なく
困
(
こま
)
り果てぞ居たりける爰に又長庵が
故郷
(
こきやう
)
岩井村にては
親
(
おや
)
の作十も
病死
(
びやうし
)
し
弟
(
おとゝ
)
十兵衞の代と成けるが或時
近邊
(
きんぺん
)
より出火して
家屋
(
かをく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「ほんによ、だからおれは始めから、何でもこの人は一つぱしの大泥坊になると云つてゐたわな。ほんによ。今夜は
弘法
(
こうぼふ
)
にも筆の誤り、
上手
(
じやうず
)
の手からも水が漏るす。漏つたが、これが漏ら無えで見ねえ。二階中の客は裸にされるぜ。」
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『これでも
上手
(
じやうず
)
の
中
(
うち
)
かね。』
都の友へ、B生より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
上
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“上手”で始まる語句
上手物
上手下手
上手者
上手廻