しめ)” の例文
何? 親分はもう歸んなすつた、——それはしい事をした、大變な證據が手に入つたんだ。泥坊仲間でしめし合せた手紙を、千兩箱を
それから、知友の連中はしめし合したやうに、自分をこども扱ひにし、真面目まじめに相手にならなかつた。彼はその方が都合がよかつた。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
話し金子を彌太八と申す人にうばはれし事を殘らず物語られ其上にて斯樣々々かやう/\なしたまへとしめし合せ元の座敷へいで行きけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
君江は舞踊家木村義男としめし合して、カッフェーを出てから有楽橋ゆうらくばしの暗い河岸通かしどおりで待合せ、自動車で三番町の千代田家という懇意な待合へ行った。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
まず、稲野谷という、仮空の人物を作り上げて、それで、三伝の影を君は覆おうとしたのだ。君はしめし合わせて、まず三伝に、利得金を奪わせておいた。
地虫 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
なにごとを誰としめし合せているのかわからないが、この事実は諸君の記憶に留めて置いて頂きたいのである。
若殿女難記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
一時は浅草での二三人ゐる評判娘のうちに数へられて、小さなおしげなぞも何とはなしに憧れの心持を抱いてゐた、公園へ遊びに来ては友だちとしめしあはせて
一の酉 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
その幸運もクリストフにとっては一つの災難であった。作品は演奏された——そして失敗した。女歌手の味方は皆、無礼な音楽家を懲らしめてやろうとしめし合わせていた。
横山町の店からの使ひで飛んで行つて見ると、——一度店へ歸つたお前が、お富としめし合せて飛出したといふ騷ぎの眞つ最中だ。
啓司は花田としめし合わせ、屋根へ花田に枝木を投げさせて、烏が空へ飛び立つところを射とうと身構えをしました。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
まるでみんながしめし合せでもしたように、お由もあのまま寄りつかない。残した道具や衣類にみれんはないとしても、あいそづかしの一と言くらい云いに来る筈である。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
横山町の店からの使いで飛んで行ってみると、——一度店へ帰ったお前が、お富としめし合せて飛出したという騒ぎの真っ最中だ。
そして早くも秀之進の逸走したことを知り、それが大助としめし合せたものだと察したに違いない、——さあ急がしくなったぞ、かれは二階へ駆けあがって、出立するからと勘定を命じた。
新潮記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「どれ/\、達者な手だがをしいことにあと先がねえ、いづれ惡者共の仲間へしめし合せた手紙だらう」
そしてしめし合せたがぬけ出すところをみつかって、取巻かれた。
夕靄の中 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)