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沾
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しめ
ふりがな文庫
“
沾
(
しめ
)” の例文
慎太郎は父の云いつけ通り、両手の
掌
(
たなごころ
)
に母の手を抑えた。母の手は冷たい
脂汗
(
あぶらあせ
)
に、気味悪くじっとり
沾
(
しめ
)
っていた。
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
と是から船に乗ると、百姓が
繋縄
(
もやい
)
を
解
(
ほど
)
いて
棹
(
さお
)
を揚げて、
上手
(
うわて
)
の方へ押出し、
艪杭
(
ろぐい
)
を
沾
(
しめ
)
してだん/\と漕ぎ初めたが、田舎の渡船ぐらい気の永いものは有りません。
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
歌口を
沾
(
しめ
)
して吹き出しましたが、その音色は尺八よりは一
際
(
きわ
)
静かで、殊に名人の吹くこと故に、心ないお百姓まで
心耳
(
しんに
)
を澄まして
自
(
おのずか
)
ら
頭
(
かしら
)
を下げて聞くことになりますると、夕霞は深く立って
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
沾
漢検1級
部首:⽔
8画
“沾”を含む語句
教儂不沾裙
恩沾無涯
沾圃
沾峩
沾徳
沾汚
沾沾
沾蓬
菊岡沾涼
露沾