-
トップ
>
-
閉
>
-
しめ
途端に、
猿臂がぬッくと出て、腕でむずと
鷲掴み、すらりと開けたが片手
業、
疾いこと! ぴっしゃりと
閉ると、路地で泣声。
...
閉て来たまえ(大)夫や実に
難有い
畢生の
鴻恩だ」谷間田は
卓子の上の
団扇を取り
徐々と煽ぎながら少し声を低くして
堅く
閉て立出たり折柄
師走の末なれば
寒風肌を
貫く如きを追々の難儀に衣類は殘ず
賣拂ひ今は
垢染たる袷に
前垂帶をしめたるばかり
勿々夜風は
凌ぎ難きを
『アムブロアジヌお婆あさんはあはてゝ窓や扉を
閉ますよ。』
格子戸がら/\とあけて
閉る音は
静なり。
(
閉い言うて、云わしゃれても、な、
埒明かん。閉めれば、その跡から開けるで、やいの。)