しめ)” の例文
しかも師直の説明によると、塩冶は西国の菊池、四国の土居得能、北国の新田と内密にしめし合わせて一度に都へ攻めのぼらせる。
小坂部姫 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どこかでしめし合わせて二人で身を隠すものとも思われるが、お銀様は、あれからああして、米友を案内にして心当りを探しているくらいだから、ここ暫く
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しめし合わせて、千両箱の行列は、小者達もろとも向うにやりすごしておいてから、気色けしきばみつつ退屈男のあとを追いかけました。無論おおよその察しをつけたに違いない。
岩蔵としめし合わせて置いたように正門脇のかくぼたんを押すと、重い脇戸はスーッと内に開いた。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「お照さんは何にも知らなかったんだ。ここへ入り込んで、宇太八としめし合せて、父親の怨みを晴らす心算つもりだったに違いないが、そんな事をするにしちゃ、お照さんは人間が立派すぎた」
一知としめし合わせて、深良家の財産を引っぱり出そうとしたところから起った間違いではないかと、心の片隅で疑っていた所謂世間知りも、村人の中に一人や二人、居ないではなかったが、しかし
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かねてしめし合せておいたこの男、同じような怪しい者が、たった今、古城の方へ行ったと申す故、二人で後追いかけて、たしかに姿を認めたのが当屋敷の裏手。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「お照さんは何んにも知らなかつたんだ。此處へ入り込んで、宇太八としめし合せて、父親の怨みを晴らす心算だつたに違ひないが、そんな事をするにしちや、お照さんは人間が立派過ぎた」