“ぬら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヌラ
語句割合
75.7%
8.1%
8.1%
湿2.7%
2.7%
2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでいてあがるものはというと、牛乳ミルクを少しと、鶏卵ばかり。熱が酷うござんすから舌が乾くッて、とおし、水でぬらしているんですよ。
誓之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは第一に足がぬらしたくない上に、山の皺というものは裾になるほど多いから、上で一回廻るべき角は、中腹以下で数回廻らねばならぬためである。
峠に関する二、三の考察 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
昔は六十を超えたる老人はすべてこの蓮台野へ追い遣るのならいありき。老人はいたずらに死んでしまうこともならぬ故に、日中は里へ下り農作して口をぬらしたり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
熱い涙は思はず知らず流れ落ちて、零落おちぶれた袖を湿ぬらしたのである。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
蒲團ふとんぬらあせくさみはないた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
子供相手のおもちゃ売り、かすかな儲けで三人の口を、ぬらしたり干したり、から意気地のねえ今だ。一両の日当と聞いては飛び立つばかりだ。仕事は何だか知らねえが、あっしも男一匹さ。
沓掛時次郎 三幕十場 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)