“うるお”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
51.9%
湿23.1%
9.0%
8.3%
5.1%
0.6%
0.6%
0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「日本酒よりかえっていいのよ。後で頭が痛くならないから。」と咽喉のどの焼けるのをうるおすために、飲残りのビールをまた一杯干して
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
他の良人りょうじんは彼等の妻の墓を飾るに菫菜草すみれそう薔薇花ばらのはなとを以てするなれど我がパマカスはポーリナの聖なる遺骨を湿うるおすに慈善の香乳こうにゅう
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
いたく古びてところどころ古綿ふるわたの現われし衣の、火に近きすそのあたりより湯気を放つは、朝の雨にうるおいて、なおすことだに得ざりしなるべし。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
これをかゆとしまた鰹節かつぶし煮出にだしてもちうれば大に裨益ひえきあればとて、即時そくじしもべせておくられたるなど、余は感泣かんきゅうくことあたわず、涕涙ているいしばしばうるおしたり。
また四斗樽しとだる三箇を備えて、血と臓物を貯えしが、皆ことごとく腐敗して悪臭生温なまぬるく呼吸を圧し、敷きたる筵は湿気に濡れ、じとじととうるおいたり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
真っすぐな白く削られた間柱まばしらや新しくかんなをかけられた扉や窓框まどわくは、特に朝、木材が露にうるおっているときには、清潔で風通しが良さそうな外観をあたえ
そしてわれわれはわれわれを囲む真実を絶えず染みこまされ、それにうるおされることによってのみ、はじめて崇高なもの高貴なものを把握することができるのである。
といって、袖の中から剪刀はさみを出して喉を突いた。老媼ばあやはびっくりして剪刀をもぎとったが、血は傷口から溢れ出て襟をうるおした。老媼はそれで珊瑚を大成の叔母にあたる王という家へれていった。
珊瑚 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
「野逕蕭条蛩語哀。木犀秋雨浥蒼苔。板輿昨日游春地。今日何堪展墓来。」〔野逕蕭条トシテ蛩語哀シ/木犀秋雨蒼苔ヲうるおス/板輿昨日游春ノ地/今日何ゾ堪ヘン墓ニまいリ来ルヲ〕そして註に一七日を
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
渭城いじょうの朝雨、軽塵をうるお
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)