“古綿”の読み方と例文
読み方割合
ふるわた100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
古綿ふるわたに似た薄雲をもれる朝日の光が力弱くそれを照らすたびごとに、煮え切らない影と光の変化がかすかに山と海とをなでて通るばかりだ。
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
いたく古びてところどころ古綿ふるわたの現われし衣の、火に近きすそのあたりより湯気を放つは、朝の雨にうるおいて、なおすことだに得ざりしなるべし。
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
見ると寝椅子の上に古綿ふるわたのやうなものがあるので、ぶつ/\言ひながらそれを引つ掴むで反古籠ほごかごのなかにり込んだ。