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濡
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うるお
ふりがな文庫
“
濡
(
うるお
)” の例文
句意は
三伏
(
さんぷく
)
の暑き天気にかわきたる
咽元
(
のどもと
)
を
濡
(
うるお
)
さんと冷たき水を飲めば、その水が食道を通過する際も胸中ひややかに感ずる所を詠みたるなり。
俳諧大要
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
また
四斗樽
(
しとだる
)
三箇を備えて、血と臓物を貯えしが、皆ことごとく腐敗して悪臭
生温
(
なまぬる
)
く呼吸を圧し、敷きたる筵は湿気に濡れ、じとじとと
濡
(
うるお
)
いたり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
君よ、たとい僕と離るるとも、もし君が傷ついたならまた僕の所へ帰ってきたまえ。
濡
(
うるお
)
える眸と柔らかな掌とは君を迎えるべく
吝
(
やぶさか
)
ではないであろう。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
一行は手分けをして、雨に
濡
(
うるお
)
う
身長
(
みのたけ
)
より高い草を押分け押分け、
蚤取眼
(
のみとりまなこ
)
で四方八方捜索したが、いかにしても見出す事が出来ない。咽はいよいよ渇いて来る。
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
集めてこれを水ぎわを去るほどよき処、乾ける砂を
撰
(
えら
)
びて積みたり。つみし物はことごとく
濡
(
うるお
)
いいたり。
たき火
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
▼ もっと見る
平坦
(
へいたん
)
な
濡
(
うるお
)
いのある土地、
淀
(
よど
)
んだ運河の濁り水に退屈げな顔を映してる、居眠った古い小さな町。その周囲には、単調な田野、耕作地、牧場、小さな流れ、大きな森、単調な田野……。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
バナナの如きも液はないけれど善く熟した者は
濡
(
うるお
)
ひがあつて食ひやすい所がある。柔かな者には濡ひが多いといふが通則である。(八月十七日)
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
墨色
濡
(
うるお
)
ふが如く趣向も善きにや浅井下村中村など諸先生にほめられ、
湖村
(
こそん
)
は一ヶ月に幾度来ても来る度にほめて行く。
明治卅三年十月十五日記事
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
濡
漢検準1級
部首:⽔
17画
“濡”を含む語句
全濡
濡手拭
濡々
濡羽
濡雑巾
濡葉
濡地
濡髮
濡萎
濡衣
濡縁
濡鼠
濡色
濡手
濡髪
濡事
濡椽
濡燕
濡藁
濡須
...