“濡地”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ぬれつち66.7%
ぬれち33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小松にさわる雨の音、ざらざらと騒がしく、番傘ばんがさを低くかざし、高下駄たかげたに、濡地ぬれつちをしゃきしゃきとんで、からずね二本、痩せたのを裾端折すそはしょりで、大股おおまた歩行あるいて来て額堂へ、いただきの方の入口から
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……さきへ/\、くのは、北西きたにしいちはうで、あとから/\、るのは、東南ひがしみなみ麹町かうぢまち大通おほどほりはうからである。かずれない。みち濡地ぬれつちかわくのが、あき陽炎かげろふのやうに薄白うすじろれつゝ、ほんのりつ。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
三足みあしばかり、路を横へ、茶店の前の、一間ばかり蘆が左右へ分れていた、根が白く濡地ぬれちが透いて見えて、ぶくぶくとかにの穴、うたかたのあわれを吹いて、あかねがさして、日はいまだ高いが虫の声
悪獣篇 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)