ぬら)” の例文
じょう笑談じょうだん言って。私なんざ年ばかしいい年して、からもう意気地がねえもんだから、いくら稼いでも、やっと二人が口をぬらして行くだけでげさ、へへへへ。
世間師 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
昔は六十を超えたる老人はすべてこの蓮台野へ追い遣るのならいありき。老人はいたずらに死んでしまうこともならぬ故に、日中は里へ下り農作して口をぬらしたり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
昔は六十を超えたる老人はすべてこの蓮台野へ追ひやるの習ひありき。老人はいたづらに死んでしまふこともならぬゆゑに、日中は里へ下り農作して口をぬらしたり。
遠野物語 (新字旧仮名) / 柳田国男(著)