“諜:しめ” の例文
“諜:しめ”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治38
野村胡堂9
三遊亭円朝4
岡本綺堂3
佐々木味津三2
“諜:しめ”を含む作品のジャンル比率
芸術・美術 > 演劇 > 大衆演芸11.3%
文学 > 日本文学 > 小説 物語2.4%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
「思うつぼに」と、ほくそ笑んで、一時三方へ散らした各部隊と聯絡をとり、日と刻をしめし合わせて、袁紹の本陣へ急迫した。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すでに、帝も輿にお身をまかされ、三人の女房らも各〻輿の内だった。——何か、火急な機密でもしめし合わされていたものか。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
砲撃目標が、だんだん山の方に近づいて来た。それとしめわせたように、空中からの爆撃も、急に山の方に移動してきた。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
策謀によき荷抜屋の巣は、天満てんま浪人が入れ代って、常木鴻山を中心に、その日はひそかなしめし合せに暮れて行った。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
道に迷う労はさしても思わなかったが、藤吉郎の胸には、稲葉山の正面にある味方との間に、しめし合わせてある戦機がある。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
外蒙代表の散佈氏はソヴィエト政府としめし合わせて、故意に事件の解決をおくらしている、という満州国側の発表である。
社会時評 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
「父兄と、いさかって家出したとは、真赤な譃、ちゃんと、しめし合せて、御家老の秘事でも、探ろうという所存——」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「いや、いや。つい二、三日ほど前、てまえが行って、ひそかにしめしあわせ、河北を脱出あそばして汝南へさして落ちて行かれた」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして二里ほどはしると、かねてしめし合わせておいた佐久間安政の軍が昨夜から野営して待機しているのと出会った。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もし関係があるとすれば、お元と義助としめしあわせて家出をしたのを、梅次郎があとから追い着いて格闘を演ずることになったのか。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
互に何か目交めまぜでしめし合わせていましたが、合図が通じたものか、そのとき恐れ気もなくのこのこと間に割って這入って来たのは
上流では町場の者等が泳いでゐたが、彼等はしめし合はせていつのまにか流を泳いで下り房一たちの場所に襲つて来た。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
「や、や。右馬介が、そういったか。……では、今宵、わしを誘うたのは、そなたとしめし合うての上か。はてなあ?」
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「こよいは水いらずだ。いかにすべきかを、とくとしめしあっておこうと思うが……夜は長い、ま、杯をとるがよい」
と戸川志摩も大いに欣んで、万事をそこでしめし合せ、やがて二人は道中の道づれでもある如く装って斑鳩嶽のふもと辿たどった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幕府討て! 大義にくみせよ! の最後にして最初の狼火のろしをあげるしめしあわせをすることになっている。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
腕をさすッて、しめし合せているうちに、彼方の的場から来た二ツの姿は、目早くそこの人影を見たか、はッと足を止めて立ち止まりました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その四十両はおろか、近頃は、天保銭てんぽうせん一枚、自由にならない。金さえ持たせなければと——父も叔父もしめし合っているらしい。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まんじ丸御用意のため、川口の脇船へ何かのしめしあわせにおいでになり、只今、お船蔵ふなぐらにはおいでがないそうでござります」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、沼島の沖あたりで、こう、かく、というようなしめしあわせは、とくからしめしあわされてあったのだ。
鳴門秘帖:05 剣山の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「されば、かねがね妙宣寺の上人から、おさしずを受けており、また今夜のおしめし合せも伺っていましたので」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
琢堂の墓の前にぬかずく黒い影は、平次とガラッ八が、しめし合せて前後から迫るのも知らずにいたのです。
そこで両国の大夫たちは、密かにしめし合せ、雙方から一隊ずつの便衣隊を出して、孔子の一行を包囲さした。
論語物語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
鏡の裏から、お綱のちこんだ所は、昔、事あるごとに、甲賀組の者が、ここへ集合して隠密のしめしあわせをした評定ひょうじょう場所。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春名秋岳と内儀の里江と、しめし合はせてやつたことでなければ、お照を殺す隙は無く、二人の氣持が別々では、これは絶對に出來ないことです。
上野国の新田からも早馬の密使が来た。これはさきに鎌倉で別れた岩松吉致がもたらした何らかのしめし合せであったらしいが、高氏はその返答を、
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで三名は、万事をしめしあわせて、その翌々日、李粛は二十騎ほど従えて郿塢びうの城へおもむき、
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「匹夫、玄徳め。——いつのまにか曹操としめしあわせて、この呂布を亡ぼさんとはかっておったな」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして彼も、涼しげな所に床几をおかせ、脇屋義助、船田ノ入道、堀口貞満、篠塚伊賀守などと、入洛の手順について、なにかとしめしあわせていた。
「どれどれ、達者な手だが惜しいことに後先がねえ、いずれ悪者どもの仲間へしめし合せた手紙であろう」
そのうちに、しめしあわせてあった事とみえて、一艘は、ひとりのおんなと、仁吉と、左次兵衛だけをのせて、末広橋から海の方へ、離れはじめた。
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それがわからなくて何うする——水に縁があつて土に縁がある場所、左吉松としめし合せた仲間なかまの惡者が、持出して溜池に沈めたに相違ない」
と、呼びあいながら、かねてのしめし合せどおり、船列の端から、続々、沖へさして別れ出て行った。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下山の龍駕りゅうがには、尊氏方からお迎えの軍勢が途中まで出ていること。等々々の手筈てはずまで、一切、しめし合せもつけておられたのだった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかるをやっと半月たつかたたぬに若い二人はもう辛抱がしきれずに、いつしめし合したものかたがいに時刻を計って忍逢しのびあおうという。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
さすれば、雑司ヶ谷のかの女は、その老爺としめし合せて、狐のたくらみごとで十金の詐偽さぎ
(新字新仮名) / 岡本かの子(著)
しめし合せた二人の者、主人の清右衞門を土藏の中に殘して、元入つた入口から、外へ飛出すと共に、表の大扉を、ガラガラピシツと締めてしまつたのです。
と猶種々いろ/\明日の手筈をしめし合せて居りますと、忍び足で来た江戸屋半治が縁側から、
翌々日、二人は、手筈てはずしめし合わせて、向島から竹屋へ渡舟わたった。二人の後から五、六名の捕手とりてが、平和な顔をして、歩いて行った。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しめし合しておいたことでもあるのか、その音を耳にとめると、老女水瀬は同じく駕のうちから、
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
村「黙っていなよ、……それのみならず水飴の中へ毒薬を仕込み、若殿様へ差上候よう両人の者しめし合せ居り候を、図らずわたくしが立聞致し驚き入り候」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
——ある男とある女がしめし合せて、停車場ステーションで落ち合う手筈てはずをする。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
お十夜がいうとおり、今夜、わざわざこの喜撰風呂へまできて、女気なしにくつろいでいる目的は、翌日あしたの相談や、手筈をしめしあわすのが眼目であった。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで、八人の侍がしめし合わせているとも知らず、花道から岩見重太郎が出て来る。重太郎が出ると見物が騒ぎ出して静まらない。海老蔵、海老蔵の声が雷のようだ。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
奈良に滞陣したまま、きょうもまだ動かず、わずかに槙島まきしまの井戸良弘を京都へ行かせているようでは、事前に明智方としめし合わせがあったものとは思えぬ。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それまで無花果の木かげで遊びにふけっていたたかちゃんと私とは、家じゅうのものが午睡をしだす頃を見はからって、そっとしめし合わせて、私の家を抜け出していった。
幼年時代 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
その頃になつて、ある日明子は村瀬に手紙を書いて彼を誘ひ出した。彼等はしめし合はせて或る映画館の一隅で落ち合つた。三の宮駅で離されて以来はじめての会見だつた。
青いポアン (新字旧仮名) / 神西清(著)
「その途次とじ、兄経家も阿波を出て、ひそかに義貞殿と某所におちあい、ふかくおしめし合ってのすえ、初めて、てまえにお使い役が下ったような次第でございまする」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
に、両者の合意成立を見たことも、恐らく間違いないであろう。かたがた、諸般の手筈をしめし終って、酒井与四郎が帰ったであろうことも、およそ想像にかたくない。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「承れば、袁術えんじゅつしめし合わせて、劉表、袁紹を討とうとの軍備だそうですが、一片の密書を信じて、彼と運命を共にするのは、危ない限りではありますまいか」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、上庸じょうよう申耽しんたんと、金城の申儀へその旨を早馬でいい送り、何月何日、軍議をさだめ即日大事の一挙に赴かん——と、つぶさにしめし合わせにやった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
時は八月十四日のことで、橋場の秋田屋の寮へ国家老の福原數馬という人を招きまして何ぞすきがあったらば……という松蔭がたくみ、濱名左傳次という者としめし合せ
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
まるでしめし合せたやうに同じ麦藁の大きな帽子をかぶつて、白いシャツを着こみ、魚籠びくと追鮎箱とをガタつかせながら、めいめいの家の裏口から河原に現れるのだつた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)
「出かける前からのしめし合せを、お燕ちゃんは、よく知らなかったのかい?」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
神戸では知合を訪ねるからと、こつちはしめし合せて別々の行動を取ることにしたが、上海では、たうとう後をつけて来られ、お蔭で見物も早く切り上げねばならぬ始末であつた。
落葉日記 (新字旧仮名) / 岸田国士(著)
それから錢形の平次は、お靜としめし合せて、死物狂ひの活動を始めました。
それから銭形の平次は、お静としめし合せて、死物狂いの活動を始めました。
一同は、この夜を、大事決行の時と、手ぬかりなく、しめしあわせていた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼らは冗談を言ってそれに答えた。三人はたがいにしめし合していた。
暗黒の密室にかくれて、父子がしめし合わせていると、隣の武器庫で、
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分達が飯を食いに行っている間に、丁度かの武士が来たので、お吉はかれとしめし合わせて、めいめいに秘密の箱を一つずつかかえて、裏と表から分かれ分かれに脱け出したに相違ない。
半七捕物帳:04 湯屋の二階 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
後に思いあわせれば、宮にえつを賜わり、平家討伐の事や、諸国の源氏へ参加の令旨りょうじを下さる事など、夜もすがら頼政父子おやこと、しめし合せておられたかに思われる。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「かくなっては、かねてしめし合せていた通り御動座ごどうざ(天皇のお遷幸うつり)を仰ぐしかあるまい。その一策あるのみだ。……やみやみ、座して鎌倉の魔手を待ってよいものか」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆうべはこの本船で、おそくまでの各船隊の船将会議。また陸上の直義ただよしからも夜ッぴてしめし合せの使いがくりかえされ、具足のまま、横になったのはもう明け近いころであった。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三人は、それからも、一刻ほど、何事かしめしあって、別れた。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
義父おやの花夜叉にも黙って、彼女はしめし合せた場所へ不知哉丸を抱えて来た。そして泣く泣く右馬介の手へ渡した。——右馬介は、馴れぬ手に、和子を抱き取って、別れぎわにこういった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
雲霧一件に、係吟味となっている彼の父——高梨小藤次とは、むろん、十分、何かしめし合せた上の行動であることは疑いない、気がかりらしく、外記は時々、タレを上げて先の方を覗いていた。
雲霧閻魔帳 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、城方へ、合図をするしめし合わせで出て行ったのである。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かねてからそれは、こうしめし合せになっていたことである。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「……さては何かしめし合わせに」と、先刻、拾った書簡を思いあわせて、蒋幹は身の毛をよだてた。さても、油断のならぬことよ、心もおどおどして、もう空寝入りしているのも気が気ではない。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この方は大抵お判りでしょうが、府中の方角へしん吉が稼ぎに廻っている時、かねてしめし合わせてあるお八重は闇祭り見物ということにして、息子や番頭や若い者を連れて、大びらで家を出て行く。
半七捕物帳:68 二人女房 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
二人は又目を見合して、二言三言しめし合つてゐたが、
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「伊豆では、平家方に立って、三浦殿を悩ました秩父の畠山重忠が、一族の衆、数人を使いとして、何やら殿の御前おんまえしめし合せして帰った。——お味方に参会せんとの前触れとおれは見たが」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、谷大膳は、以後、時期攻口など、万端ぬかりなくしめしあわせて、或る夜、尖兵せんぺい一千余人、中村五郎の手引のもとに、三木川の対岸の崖からよじのぼり、首尾よく城壁のうちへ送りこんだ。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「君は知ってたのか? 皆でしめし合したのか?」
しめしあわしたように口をつぐんでいた。
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
すると、早百合姫に附添つきそっていた家来の男女は、薄情はくじょうなもので、両人しめし合せ、館も人手に売渡うりわたし、金目のものは残らずさらってどこかへ逃亡とうぼうしてしまいました。
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
いろ/\の事情があつたので、前以て父としめし合せて置いて、継母はゝの手前はその頃村の青年達の間によく流行はやつた様に、私が全く誰にも秘密に逃げて行つたもののやうにつくろつたのであつた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「それもよいが、こなたはこなた、かねてしめし合わせておいた通り、地の利を峠の上に占めて、切所せっしょ難所に兵を伏せさせ、いつなりと慌てぬよう、ともあれ、布陣を先にしておく方が肝要であろうよ」
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(ぬかるなよ。あすの夜のしめし合わせを)
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一つ大きな欠伸あくびをすると、ディ・ヴァンピエル座の木戸口を出ていった。レビュー館の向うの角をまがると急に歩調を速めて、かねてしめし合せて置いたR区裏の二つ並んだ公衆電話函のところへ……。
間諜座事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
所でアドミラルが如何どう云うかソレにきいて見なければならぬので、アドミラルにその事を話すと至極寛大で、上陸差支さしつかえなしと云うので、ソレカラ一切万事、清水とヴエンリートとしめし合せて
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
と、いうので、いな筋合すじあいもないから、しめし合せて、自分の家へ、早速、娘をかくまってやっているので——ただそれだけの理由なので——と、又八は頻りとそこのところを繰返して言い訳する。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
二月、官兵衛は秀吉としめし合わせて、児島地方に使いし、岡山の浮田直家に会い、共に企策きさくして、毛利家との境に、幾つもの城塞を築かせ、まず境を固めて、児島地方の一勢力高畑一族を味方に説き降して帰った。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今宵も呉羽之介は、此頃馴染なじんだ奥女中が丁度宿帰りの日に当るのを幸い、しめし合せた茶屋へ行こうと、小梅の隠れ家を出で立って、春夜の微風に頬快く吹かせ乍ら、吾妻橋あづまばしへと差蒐さしかかります。
艶容万年若衆 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
もし何らかの、兇事でも起った場合は、すぐ清洲城へ変を知らせて——と、二人は密かにしめし合わせ、二の丸の狼煙山のろしやまへ上って、いざとあれば、狼煙番を斬り殺した上、そこから煙を上げる考えだったのである。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはおみゑが小三郎の手筋を知りませんから、ひそかに大野惣兵衞としめしあわせ、小三郎からの書面をこしらえて送りましたので、勇助は馬鹿正直の人ゆえ大層気を揉み、母も心配致しましたが、金の工面が出来ない。
飯島平左衞門のうちでは、お國が、今夜こそねて源次郎としめあわせた一大事を立聞たちぎきした邪魔者の孝助が、殿様のお手打てうちになるのだから、仕すましたりと思うところへ、飯島が奥から出てまいり、
何かしめし合っていた。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、しめしあわせた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しめし合せた眼と眼。
後から考えれば、すべてはしめし合わされた狂言の段取りであったようにも思えるのだったが、その時には銀子もぼんやりしていて、格別芝居好きでもないので、進んで見ようとも思わなかったが、沢正の人気は花柳界にも目ざましいので
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
しめし合せにか」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこでまず二人は、関西の兵をうながす檄文げきぶんを起草し、都下出発の朝、勢揃いと称して、曹操の閲兵えっぺいを乞い、急に陣鉦じんがねを鳴らすを合図に、曹操を刺し殺してしまおうと、すべての手筈までしめし合わせた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこに、何かしめし合っていた二ツの影がわかれると、金吾の方は、かたわらの雑木林をぬけて鼻寺の裏山へまわり、九兵衛はただひとりで、例の、弘法大師御夢想ぐすりの看板の光る山門へ向ってトントンと軽い足をはずませておりました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何? 親分はもうけえんなすった、——それは惜しい事をした、大変な証拠が手に入ったんだ。泥棒仲間でしめし合せた手紙を、千両箱を掘出した穴の底から見付け出したんだよ、たいして汚れちゃいないから、文句はみんな読めるぜ——」
「いかに日頃から御意見の相違があるとは申せ、竹井惣左衛門に命じ、日幡どのを暗討やみうちさせるとは何事でござりますか。——しかもその前に、敵の秀吉に気脈を通じ、利にまどわされて、味方を売るしめし合わせを遊ばしての上とは……」
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこには殆ど、私のような単純な人間には到底想像も出来なかった、二重にも三重にものうそがあり、念には念を入れたしめし合わせがあり、しかもどれ程大勢の奴等やつらがその陰謀に加担しているか分らないくらい、それは複雑に思われました。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
滝川一益から密々の指令は、十月十八日の夜とあったが、それまでは到底待ちきれないほど、険悪けんあくな実状にあったので、とうとう二日まえの十月十六日の夜、織田軍へしめし合わせるいとまもなく、無断で城中の一隅から火の手をあげてしまった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やい、しん吉、てめえは太てえ奴だ。坂町の伊豆屋の女房をかどわかして何処へやった。さあ、云え。てめえは伊豆屋の女房としめし合わせて、自分は前から釜屋に待っていて、闇祭りのくらやみに女房を連れて逃げたろう。おれはみんな知っているぞ、どうだ」
半七捕物帳:68 二人女房 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)