“まのあた”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
25.0%
面前6.3%
当面6.3%
目前6.3%
6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
山県公はまのあたりその顔色を見ると痛くやつれておって、どんな不人情のものでももはや同情を惜しむ事の出来ぬほどである。
天竺てんぢく靈山れいざん此處に來れり。唐土たうど天台山てんだいざんまのあたりここに見る。我が身は釋迦佛にあらず、天台大師てんだいだいしにてはなし。然れども晝夜ちうやに法華經をよみ、朝暮てうぼ摩訶止觀まかしくわんを談ずれば、靈山淨土にも相似たり。
私の目には面前まのあたり見る様に分ります、先年彼が養母お紺を殺したのは丁度此の塔の時計が夜の十二時を打った時でした、私が時計の音に目を覚まし
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
併し余はお浦の怪美人を殺すと云う言葉が全く真剣と云う事は此の後面前まのあたり事実を見るまで信じ無かった、信じはせぬが併し余とお浦との間は是ぎりで絶えて仕舞った、余は勿論お浦は厭
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
アア堂々たる男子も一旦いったんこころざしを得れば、その難有味ありがたみの忘れがたくて如何なる屈辱をも甘んぜんとす、さりとてはけがらわしの人の心やと、当面まのあたりに言いののしり、その醜悪を極めけれども
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
かの時妾目前まのあたり、雄が横死おうしを見ながらに、これをたすけんともせざりしは、見下げ果てたる不貞の犬よと、思ひし獣もありつらんが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
煙は中天に満々みちみちて、炎は虚空にひまもなし。まのあたりに見奉れる者、更にまなこあてず、遥に伝聞つたへきく人は、肝魂きもたましひを失へり。法相ほつさう三論の法門聖教、すべて一巻も残らず。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)