ながめ)” の例文
突当りの砲兵工廠ぞうへいの夜の光景は、楽天的にながめると、向島の花盛を幻燈で中空へ顕わしたようで、轟々ごうごうとどろく響が、吾妻橋を渡る車かと聞なさるるが、悲観すると、煙が黄に、炎が黒い。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)