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夕暮
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ゆうぐ
ふりがな文庫
“
夕暮
(
ゆうぐ
)” の例文
穏
(
おだ
)
やかな
夕暮
(
ゆうぐ
)
れでした。
乙
(
おつ
)
は、じっと
船
(
ふね
)
を
見送
(
みおく
)
っていますと、いつしか、
青黒
(
あおぐろ
)
い
沖
(
おき
)
の
間
(
あいだ
)
に
隠
(
かく
)
れて
見
(
み
)
えなくなってしまいました。
幽霊船
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
私自身はもうそんなものは見たくもなかったのだけれど、その
荒
(
あ
)
れ果てたヴェランダから
夕暮
(
ゆうぐ
)
れの眺めがいかにも美しかったのを思い出して、夕食後
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
あたりをみると、いつか
夕暮
(
ゆうぐ
)
れらしい色が、森や草にはっていた。
梢
(
こずえ
)
にすいてみえる空の色も、
丹
(
たん
)
の
刷毛
(
はけ
)
でたたいたように、まだらな
紅
(
べに
)
に
染
(
そ
)
まっている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こうして
響
(
ひび
)
き高い詩句や、あるいは
夕暮
(
ゆうぐ
)
れの美しい
眺
(
なが
)
めによって、あるいは涙が、あるいは
哀愁
(
あいしゅう
)
がそそられるにしても、その涙や哀愁のすきから、さながら春の
小草
(
おぐさ
)
のように
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
火
(
ひ
)
の
見
(
み
)
やぐらの
立
(
た
)
っている
町
(
まち
)
もありました。また、
荷馬車
(
にばしゃ
)
がガラガラと
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
、
浜
(
はま
)
の
方
(
ほう
)
へ
帰
(
かえ
)
ってゆくのにも
出
(
で
)
あいました。
宝石商
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
陸
(
りく
)
に
近
(
ちか
)
いところには、
岩
(
いわ
)
が
重
(
かさ
)
なり
合
(
あ
)
っていて、その
岩
(
いわ
)
に
打突
(
ぶつ
)
かると
波
(
なみ
)
のしぶきが、
霧
(
きり
)
となって、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れの
空
(
そら
)
に
細
(
こま
)
かく
光
(
ひか
)
って
舞
(
ま
)
い
上
(
あ
)
がっています。
女の魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一
日
(
にち
)
野
(
の
)
らに
出
(
で
)
て
働
(
はたら
)
いて、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れになると、みんなは、
月
(
つき
)
の
下
(
した
)
でこうして
踊
(
おど
)
り、その
日
(
ひ
)
の
疲
(
つか
)
れを
忘
(
わす
)
れるのでありました。
月とあざらし
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もう、
気候
(
きこう
)
も
暖
(
あたた
)
かくなったのでこまどりは、
勇
(
いさ
)
んで、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
の
空
(
そら
)
を、
日
(
ひ
)
の
落
(
お
)
ちる
方
(
ほう
)
に
向
(
む
)
かって
飛
(
と
)
んでゆきました。
こまどりと酒
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして
二人
(
ふたり
)
は、べにがにや、
美
(
うつく
)
しい
貝
(
かい
)
がらや、
白
(
しろ
)
い
小石
(
こいし
)
などを
拾
(
ひろ
)
って、
晩方
(
ばんがた
)
までおもしろく
遊
(
あそ
)
んでいました。いつしか
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
になりますと、
正雄
(
まさお
)
さんは
海の少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
野
(
の
)
の
面
(
おもて
)
を
見
(
み
)
わたすと、だんだん
北
(
きた
)
の
海
(
うみ
)
の
方
(
ほう
)
に
伸
(
の
)
びるに
従
(
したが
)
って、
低
(
ひく
)
くなっていました。そして、その
方
(
ほう
)
の
地平線
(
ちへいせん
)
は、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
になっても、
明
(
あか
)
るくありました。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
の
太陽
(
たいよう
)
の
光
(
ひかり
)
に
照
(
て
)
らされて、いっそう
鮮
(
あざや
)
かに
赤
(
あか
)
い
毛色
(
けいろ
)
の
見
(
み
)
える、
赤
(
あか
)
い
鳥
(
とり
)
でありました。
あほう鳥の鳴く日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やがて、
夏
(
なつ
)
が
過
(
す
)
ぎて
秋
(
あき
)
になりました。
輝
(
かがや
)
かしい
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
の
空
(
そら
)
の
雲
(
くも
)
の
色
(
いろ
)
も
悲
(
かな
)
しくなって、
吹
(
ふ
)
く
風
(
かぜ
)
が
身
(
み
)
にしみるころになると、
他
(
た
)
のつばめは
南
(
みなみ
)
の
国
(
くに
)
をさして
帰
(
かえ
)
りました。
教師と子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
の
光
(
ひかり
)
を
受
(
う
)
けて、その
塔
(
とう
)
は、
謎
(
なぞ
)
のように、
白壁
(
しらかべ
)
や、
煙突
(
えんとつ
)
や、その
他
(
た
)
工場
(
こうじょう
)
の
建物
(
たてもの
)
や、
雑然
(
ざつぜん
)
とした
屋根
(
やね
)
などが
見
(
み
)
える、
街
(
まち
)
の
中
(
なか
)
にそびえて、そこらを
見下
(
みお
)
ろしていました。
黒い塔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
空
(
そら
)
をかすめて
飛
(
と
)
ぶ
蛾
(
が
)
の
群
(
む
)
れは、たがいにおくれまいとしました。そして、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
になると
深林
(
しんりん
)
や、
花園
(
はなぞの
)
へ
降
(
お
)
りて
休
(
やす
)
んだのでした。
赤
(
あか
)
い
夕日
(
ゆうひ
)
は、
彼
(
かれ
)
らの
目
(
め
)
に
悲
(
かな
)
しく
映
(
うつ
)
りました。
北海の波にさらわれた蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いつも
店頭
(
てんとう
)
へ
人
(
ひと
)
の
立
(
た
)
たぬことはなく、ことに
夕暮
(
ゆうぐ
)
れどきなど、
往来
(
おうらい
)
まであふれていました。
しいたげられた天才
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夏
(
なつ
)
の
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
、
西
(
にし
)
の
空
(
そら
)
の、ちょうど
町
(
まち
)
のとがった
塔
(
とう
)
の
上
(
うえ
)
に、その
赤
(
あか
)
い
魚
(
さかな
)
のような
雲
(
くも
)
が、しばしば
浮
(
う
)
かぶことがありました。
子供
(
こども
)
たちは、それを
見
(
み
)
ると、なんとなく
悲
(
かな
)
しく
思
(
おも
)
ったのです。
赤い魚と子供
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
わたしは、お
嫁
(
よめ
)
にゆく
前
(
まえ
)
に、ちょうどこのあたりであった
窓
(
まど
)
から、ある
日
(
ひ
)
の
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
、かんざしの
珠
(
たま
)
をあやまって
落
(
お
)
としますと、それがころげてどこへいったか
見
(
み
)
えなくなったのです。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
北海
(
ほっかい
)
の
夏
(
なつ
)
の
夕暮
(
ゆうぐ
)
れの
景色
(
けしき
)
などを
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
して、いろいろ
空想
(
くうそう
)
したにすぎなかった。
北の少女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
武男
(
たけお
)
は、その
日
(
ひ
)
の
夕暮
(
ゆうぐ
)
れが、いつもより、
美
(
うつく
)
しく、さびしく
感
(
かん
)
じられました。
山に雪光る
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
よく、
自分
(
じぶん
)
は、せがれの
手
(
て
)
を
引
(
ひ
)
いて、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
、
町
(
まち
)
から
帰
(
かえ
)
ったものだ。あの
時分
(
じぶん
)
のせがれは、どんなに
無邪気
(
むじゃき
)
で、かわいらしかったか。あのせがれがいまでは、りっぱな
人間
(
にんげん
)
になったのだ。
山へ帰りゆく父
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そして、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れは、ちょうど、そのさんごのように
夕焼
(
ゆうや
)
けが
彩
(
いろど
)
るのですよ。
花咲く島の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
とちのきも、しらかばの
木
(
き
)
も、
黙々
(
もくもく
)
として、やがてやってくる
凋落
(
ちょうらく
)
の
季節
(
きせつ
)
を
考
(
かんが
)
えているごとくでありました。あたりの
谷
(
たに
)
にこだまして、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れを
告
(
つ
)
げるひぐらしの
声
(
こえ
)
が、しきりにしています。
谷間のしじゅうから
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
島
(
しま
)
には、
白鳥
(
はくちょう
)
がたくさんすんでいますが、
二人
(
ふたり
)
が
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
いたり、
踊
(
おど
)
ったりしている
海岸
(
かいがん
)
には、ことにたくさんな
白鳥
(
はくちょう
)
がいて、
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
の
空
(
そら
)
に
舞
(
ま
)
っているときは、それはみごとであります。
港に着いた黒んぼ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし、この
木
(
き
)
にただ一
度
(
ど
)
忘
(
わす
)
れがたい
思
(
おも
)
い
出
(
で
)
があるのでありました。それは、ある
年
(
とし
)
の
夏
(
なつ
)
の
夕暮
(
ゆうぐ
)
れ
方
(
がた
)
のことであります。あんなに
美
(
うつく
)
しい
雲
(
くも
)
を
見
(
み
)
たことがありません。その
雲
(
くも
)
は、じつに
美
(
うつく
)
しい
雲
(
くも
)
でした。
山の上の木と雲の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夕
常用漢字
小1
部首:⼣
3画
暮
常用漢字
小6
部首:⽇
14画
“夕暮”で始まる語句
夕暮方
夕暮色
夕暮近