“ゆうばえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
夕映55.6%
夕栄33.3%
夕炎3.7%
夕照3.7%
残照3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この春、ちょうど夕方であったが、木津川へさしかかる前、菜の花の咲き乱れた遠いはてに、伊賀の古城が夕映ゆうばえをうけて紫色に燃えているのを見た。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
すだれ捲上まきあげし二階の窓に夕栄ゆうばえ鱗雲うろこぐも打眺め夕河岸ゆうがし小鰺こあじ売行く声聞きつけてにわか夕餉ゆうげの仕度待兼まちかぬる心地するも町中なればこそ。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
その白糸のような一筋の煙は渦を巻きながら、夕照ゆうばえの空に静かに上っていく。
林の外側に並んだ幹には残照ゆうばえが映って、その光が陽炎かげろうのように微赤うすあかくちらちらとしていたが、中はもう霧がかかったように暗みかけていた。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)